ゆーたん@東大卒のセミリタイア物語♪

米国株(アメリカ株)中心の高配当株式投資で経済的自由・セミリタイア(FIRE)を目指す、一人の女性の物語♪

銘柄分析

【JNJ】(ジョンソン・エンド・ジョンソン)〜ヘルスケアセクターの雄として活躍する企業!〜

投稿日:2019-07-20 更新日:

【更新情報】(2020/2/23)
2019年の決算をふまえ、各種データ更新・追加。記事を一部リライト。

ゆーたんです♪

ヘルスケアセクターの雄、JNJ(ジョンソン・エンド・ジョンソン、Johnson & Johnson) の銘柄分析です。

ジョンソン・エンド・ジョンソンってどんな会社?

ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)は、アメリカのニュージャージー州ニューブランズウィックに本社を置き、総合ヘルスケア事業を展開する企業です。ニューブランズウィックは、ニューヨークから60分ほどの距離に位置しています。

HealthCare_Business_image
(Image By:Shutter Stock)

2019年の収益は820億ドル(約8.85兆円)となっていて、20年1月末時点の時価総額はアメリカ企業の中ではマイクロソフト、GAFA、バークシャー、JPモルガンに次いで8番目となっています。時価総額はヘルスケアセクターの中で最大です。

消費者にとってもなじみある企業で、バンドエイド(絆創膏)や、マウスウォッシュのリステリン、コンタクトレンズのアキュビューなどが有名なブランドです。ベビー用スキンケア用品世界売上No.1にもなっています。

なお、債務を返済する能力にどれだけの信頼がおけるかを図る指標である、S&Pの信用格付けでは、アメリカ企業でマイクロソフトMicrosoft)と並び、最高となるAAA評価を獲得しています。世界的大企業が集うアメリカ企業の中でも、AAA評価を受けているのは、この2社しかありません。

我が信条(Our Credo)とタイレノール混入事件

ジョンソン・エンド・ジョンソンを語るうえで欠かせないのが、我が信条Our Credo)です。ここでは、顧客に対し、第一の責任を負うと書かれています(株主は四番目です)。この信条を象徴する出来事が、1982年のタイレノール混入事件です。

鎮痛剤タイレノールに毒薬であるシアン化合物が混入しており、服用した7人が相次いで死亡しました。まだ製造過程の段階で入り込んだのか、外部による混入か不確かな状況ではありましたが、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、迅速な対応を取り、テレビや新聞を通じて大々的に告知、約3100万本にもなるボトルを回収しました。

この事件の際に、ジョンソン・エンド・ジョンソンがとった対応は、今日でもなお企業の危機対応の好事例として紹介されています。

日本においても、2005年に松下電器産業(現:パナソニック)のFF式石油暖房機による事故が発生しましたが、このときにとられた対応は、タイレノール混入事件への対応と類似する点が多くあります。

企業の危機対応は一歩間違えると、倒産にもつながります。世界的なエアバッグメーカーのタカタが2017年に倒産したのも、危機対応への失敗が原因でした(´・ω・`)

尾を引くベビーパウダー問題

タイレノール混入事件を上手く乗り越えて、かえって顧客の信頼を勝ち得たジョンソン・エンド・ジョンソンですが、ここにきてやや雲行きが怪しくなっています。

2018年の12月、ベビーパウダーの原料である滑石(タルク)に、発がん性物質でもあるアスベスト(石綿)が含まれていたことを、ジョンソン・エンド・ジョンソンが数十年間にわたって認識していたことがロイターで報道されたことにより、株価が10%急落しました。

そして、2019年10月には、FDA(アメリカ食品医薬品局)の検査で、ベビーパウダーから微量のアスベストが検出されたことを受けて、株価が6%以上下落しています。この報道を受けて、私は以下の記事を書きました。


ただし、その後の会社調査では、アスベストを含まないことが確認された(=つまりFDAの検査自体に何らかの欠陥があった)こともあって、株価は上昇しています。

しかし、まだまだ状況は予断を許しません。アメリカ国内では、「ベビーパウダーを長年使用したことがきっかけで、がんなどの病気になった」という消費者からの訴訟が1万件以上起きています。ベビーパウダーが収益に占める割合はわずかですが、訴訟の賠償額が巨額となる可能性は否定できません。

また、ジョンソン・エンド・ジョンソンは否定していますが、万が一、2018年12月のロイターの報道が事実ということになれば、大きなスキャンダルとなり、企業イメージに大きな傷がつくだけでなく、株価が急落することは避けられないでしょう。気には留めておく必要があると思います。


ジョンソン・エンド・ジョンソンの業績・財務

※グラフはIRデータより作成

売上高、営業利益、純利益

JNJ_Sales_2008-19

売上高は緩やかながらも成長していて、直近10年(2009-19)の年平均成長率は+2.9%となっています。2019年の売上高で見ると、アメリカ国内の売上比率は51%となっており、アメリカ国内と国外の売上比率はほぼ1:1になっています。

営業利益率も20%台で安定的に推移していることがわかりますね。

そして、調整後の営業利益は30年以上連続で成長し続けています。アメリカ企業の中でも、これだけ着実な成長を遂げている会社は珍しいです。

2017年の純利益額が少なくなっていますが、これはアメリカの税制改革による影響なので、あくまでも一時的な要因です。

ジョンソン・エンド・ジョンソンの部門別売上高

JNJ_Segment_Sales_2019

2019年の売上高は、医薬品が売り上げの半分強、医療機器が3割強を占めています。バンドエイドやアキュビューなど、消費者向け製品は2割弱で、それほど大きな割合を占めているわけではありません。

最大の売り上げを占める医薬品部門ですが、近年、全体の売り上げに占める割合が大きくなってきています。

JNJ_Segment_Sales_2015-19

先ほど、売上高は順調に成長していると書きましたが、実は医療機器部門と消費者向け製品部門の売上高はほぼ横ばいで推移しています。売り上げの伸びは、そのほとんどが医薬品部門によってもたらされています。

その医薬品部門の売上高は以下のようになっています。

JNJ_Pharmaceutical_Sales_2019

上位5つの医薬品で、医薬品部門の売り上げの約40%を占めています。

乾癬およびクローン病治療薬のステラーラが大きく成長していて、2019年の売り上げは63億ドルと、ついに一番の稼ぎ頭となりました。関節リウマチ薬レミケードが2番手で40億ドルを売り上げていますが、後発医薬品(ジェネリック医薬品)との激しい競争にさらされていて、売り上げは減少傾向にあります。

以下、慢性リンパ性白血病治療薬のイムブルビカアッヴィ社と共同開発・販売)、悪性腫瘍治療薬のダラザレックス、前立腺がん治療薬のザイティガが続きます。ザイティガは前年比で売り上げが減少していますが、イムブルビカやダラザレックスは、順調に売り上げが増えています。

医薬品事業は、新薬を開発しても特許切れ後は価格の安い後発医薬品との競争に巻き込まれるという意味で、一つの医薬品だけでは安定した売り上げを確保し続けることが困難であるという厳しさがあります。

しかし、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、年商10億ドルを超える医薬品(いわゆるブロックバスター)を11個有しており、製薬企業と比較しても、アメリカ企業では、ファイザーやメルクに次ぐ売り上げをあげています。医療機器部門や消費者向け部門もありますので、安定感は高いと思います✨

ジョンソン・エンド・ジョンソンの部門別利益率

JNJ_Segment_Profit_2015-19※税引き前利益/部門別売り上げの数値

部門別営業利益率が開示されていないので、部門別利益率の数字で比較してみました。

一時的な収益・費用の影響を受けているため、年によって結構ばらつきが大きいのですが、消費者向け製品が低く、医療機器や医薬品が高い傾向がおおむねみられています。

2019年の医薬品部門の利益率が大きく減少していますが、これは鎮痛剤オピオイドをめぐる訴訟を解決するために、40億ドルの費用を計上するなどしたためです。

一方、2019年の医療機器部門の利益率が大きく増加していますが、これは医療器材を洗浄・消毒する事業を切り離したことによるもので、いずれも一時的な要因です。

EPS、BPS、ROE

JNJ_EPSBPSROE_2008-19

一時要因などを除いた調整後EPS(1株あたり利益)は順調に伸びてきており、直近10年(2009-19)の年平均成長率は+6.5%となっています。

ROE(株主資本利益率)も、税制改革の影響で純利益が減少した2017年を除けば、おおむね20%を上回る水準で推移しています✨

キャッシュフロー(CF)

JNJ_CF_2008-19

とても安定したキャッシュフローですね✨

営業CF、フリーCFともに右肩上がりとなっていて、営業CFの直近10年(2009-19)の年平均成長率は+3.5%となっています。営業CFマージン(営業CF/収益)も20%台で安定して推移しています。


ジョンソン・エンド・ジョンソンの株主還元状況

配当・配当性向・増配率

JNJ_Dividend_2008-19※2017年は、純利益が税制改革の影響で減少しているため、普通に計算すると700%を超えますが、便宜上100%としています

1962年以降、連続増配となっており、57年連続増配を達成しています。50年以上連続で配当を出している企業は、配当王(Dividend Kings)と呼ばれますが、ジョンソン・エンド・ジョンソンはその中でも最も時価総額の大きい企業です。

配当が順調に増えてきていることもあって、配当性向も徐々に上がってきてはいますが、それでも70%以下には抑えられており、持続可能な配当政策であるといえると思います。

JNJ_Dividend_Increase_2008-19

増配率もきわめて安定的です。直近10年の年平均増配率は+6.9%となっています。ジョンソン・エンド・ジョンソンは例年4月下旬に増配を発表しています。例年通り5~7%程度の増配を期待したいですね✨

自社株買いを含めた株主還元性向

JNJ_Reduction_2008-19

配当と自社株買いでバランスよく株主還元を行っています。基本的には配当での還元がやや多めです。自社株買いを考慮すると、ほぼ利益が出た分を株主に返していることが分かりますね✨

ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の株価チャート

JNJ VS S&P 500(1968/1~)

JNJ_Chart_1968-2020

JNJの株価は、1968年以降から現在までで何と250倍以上になっています。S&P 500の36倍がかすむほどの大差をつけていますね。

JNJ VS S&P 500(直近5年)

JNJ_Chart_2015-20

もっとも、直近5年のパフォーマンスではややS&P 500に劣っています。2017年頃まではS&P 500のパフォーマンスを大きく上回ってきましたが、2018年以降、JNJの株価は、ベビーパウダー問題などもあり、120~150ドル台のレンジで推移していました。

2020年に入り、ようやく150ドルを突破しています。ここからさらに上値を追うのか、それとも押し戻されて150ドルの壁が意識される状態になるのか、要注目ですね。2020/2/21時点での配当利回りは2.53%となっています。

まとめ・所感

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、長期にわたって安定した成長を遂げており、配当利回りこそ高くはありませんが、連続増配50年超と、米国株のなかでも優等生というべき存在です。

世界全体で見ても、今後高齢化がじわりじわりと進んでいく中で、個人的にはヘルスケアセクターの将来性は高いと考えていて、ジョンソン・エンド・ジョンソンもその波に乗っかる形で成長していくことが見込まれます。

そして、信用格付けはアメリカ企業の中でも最高ランクであることから、ジョンソン・エンド・ジョンソンが潰れるというのはちょっと想定にしくいです。個別株投資で最も怖いのが企業の倒産ですが、その意味でも安心して投資できる企業だと思っています✨

もちろん私もジョンソン・エンド・ジョンソンの株を保有していますが、気がかりなのはやっぱりベビーパウダー問題でしょうか。

個人的にはまだまだこの問題は長引くような予感がしていて、また何らかのニュースをきっかけに、株価が急落するといった事態も想定しておく必要があるように思います。保有するヘルスケア銘柄が少ないこともあり、配当利回りが3%に近づくタイミングでは買い増したいところですが、裁判の動向などには注視しておく必要がありそうです💦

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