個別株投資とパッシブ投資(インデックス投資)はどちらがいいのか?
ゆーたんです♪
個別株での運用(個別株投資)か、アメリカの株式市場の大型500株に投資するS&P 500など、株式市場を代表する指数に連動した運用(パッシブ投資・インデックス投資)のどちらかがいいのか。いつも論争になるテーマですよね。
(Featured Image by:ShutterStock)
私は配当を重視した投資方針をとっていることもあって、個別株投資を選好しています(詳しくは下記記事をご覧ください)。

もっとも、各々の投資スタイルによって、個別株投資とパッシブ投資(インデックス投資)のどちらがいいか、どのくらいの割合で組み合わせるかは異なってきますし、絶対的な正解もありません。
今回は個別株投資とパッシブ投資(インデックス投資)の特徴を簡単に整理してみたので、以下で詳しく述べてみたいな思います。
【個別株投資の特徴】
- 所有欲を満たせる
- 読みが当たったときのリターンが大きいが、読みが外れたときのダメージも大きい
- 自分好みのポートフォリオを組めるが、インデックスに勝つことは難しい
- 企業分析が必要で手間がかかる
【パッシブ(インデックス)投資*の特徴】
- 手軽にたくさんの銘柄に投資でき、一銘柄の悪材料に左右されない
- 保有するだけでコストがかかる
*パッシブ投資とインデックス投資は同じ意味で使われることも多いですが、インデックス投資はインデックス(指数)に連動する投資なので、高配当株ETFのSPYDや、セクターETFのVGTなども広い意味では該当するかと思われます。ただ、ここでは「S&P 500など株式市場を代表する指数に投資すること」として、以下話を進めます。
個別株投資の特徴
所有欲を満たせる
株価の短期的な変動を狙った売買は別ですが、5年・10年単位の長期保有ということになると、株価の上昇や増配が見込めそうな企業の株式を自分なりに判断して購入することになると思います。
ということは、「自分が評価している、気に入った」企業になりますので、特別な思い入れが生じますし、自分はこの会社のオーナー(所有者)なんだという感覚が生まれます。
個別株を購入することで、その企業のことをより身近に感じ、長期的な会社の成長を応援したいという気持ちも芽生えます。これはインデックス投資ではなかなか味わえない感覚です。
読みが当たったときのリターンも大きいが、読みが外れたときのダメージも大きい
個別株投資は、わずか1〜2年で株価が倍になることはよくあります。
私の保有株でいうと、Apple(アップル)が好例ですね。初めて個別株を購入したのは2019年3月ですが、そこから1年5ヶ月で株価は3倍になっています(もっと買っておけばよかった💧と後悔したものです)。2013年6月にAppleを購入して売却していなければ、株価は10倍(テンバガー)になっています。
もっとも、1〜2年で株価が倍になるということは、その逆もまた然りです。私の保有株であるSHEL(シェル)を例に挙げると、初めて個別株を購入したのは2018年6月(68.672ドル)ですが、コロナショックで株価は大幅に下落し、66%の減配も行われました。コロナショック後もしばらくの間株価は低迷し、2020年10月末には22.14ドルの値段をつけています。2年4ヶ月で株価が3分の1になってしまいました(その後、回復したのでよかったものの💧)。
個別株投資で特定の銘柄に集中投資していた場合は、上記のように、大きなリターンを得られる可能性がある反面、一歩間違えれば大きなダメージを被る可能性もあります。
インデックスに勝てる確率は低い
金融商品の中には、どの個別株をどれだけ購入するか、いつ売却するかを自ら選択することで、指数を上回るリターンを目指すものもあります。そのような金融商品はアクティブファンドと呼ばれますが、プロの投資家をもってしても、市場を代表する指数(インデックス)を長期で上回ることは難しいといわれます。
10年 | 5年 | 3年 | 1年 |
82.5% | 72.7% | 67.6% | 58.2% |
元出典が指数を作っているS&P Global社のデータなので多少割り引いて考える必要はありますが、長期になればなるほど、インデックスが優位になることが、このグラフからも分かると思います。インデックス・ファンドに比して、アクティブ・ファンドのコストは高いのでその影響もあるでしょうか。
アメリカ株式市場に投資するVTIとS&P 500のパフォーマンスにそれほど大きな差はないので、VTIと比較してもおそらく同じような結果になると思われます。
さまざまな情報に触れることができるプロの投資家ですら4分の3は負けるのだから、一般人はお察しですね💧(もっとも、S&P 500も銘柄組み替えは定期的に行われていて、「どの銘柄をいつ組み入れるか」「どの銘柄をいつ除外するか」というのはS&P Global社の裁量によるもので、その選択はリターンにも多少の影響を及ぼすとは思いますが、そもそも時価総額の小さい株がS&P 500のパフォーマンスに及ぼす影響は僅かなのであまり気にしなくて良いとは思います)
企業分析が必要で手間がかかる
どのくらいの割合で投資するかにもよるのですが、特定の銘柄に集中投資する場合は、企業の事業内容や将来性、財務状況の確認などの企業分析が、程度の差こそあれ、欠かせません。
また、決算発表毎に、投資している企業の業績をチェックする必要が出てきます。決算の状況を見て、買い・ホールド・売りといった投資判断をすることもあるでしょう。その分、手間はかかります。
パッシブ投資(インデックス投資)の特徴
手軽にたくさんの銘柄に投資でき、一企業の悪材料に左右されにくい
例えば、S&P 500はおおよそ500銘柄、アメリカ株式市場に丸ごと投資するVTIは4,000銘柄超に投資しています。一個人で投資できる企業数は多くても150〜200程度で、これだけの銘柄に投資するのは不可能だと思います(´・ω・`)
また銘柄の分散が図れていることもあって、VTIで一番構成割合が高いAppleでもその数字は約6%程度です(2021年末時点)。例えば、Appleの株価が一晩で10%下がったとしても、インデックスに与える影響は-0.6%にとどまります。それに、幅広い株式市場をカバーするインデックスの場合、ほとんどの企業の構成割合は多くても1%にとどまりますので、インデックスに与える影響はごく僅かです。
このようにパッシブ投資(インデックス投資)は、企業固有に関係するリスクを排除することが可能です。
安定したリターンが期待できる反面、劇的なリターンは望めない
2019〜21年のS&P 500はいずれも2桁上昇となっていて若干感覚が麻痺している部分もあるのですが、長い目で見ると、そのリターンは年率7〜8%程度です。追加投資がない場合、資産を2倍にするには単純計算で9〜10年ほど必要であり、個別株の集中投資のように、1・2年で資産が倍になるというわけではありません。
投資にかける時間を少なくできる
個別株投資では避けては通れない銘柄分析も不要です。積立投資なら購入タイミングも考えなくてよいので、投資にかける時間を極限まで少なくできます。
保有するだけでコスト(費用)が生じる
例えば、VTIは、経費率0.03%とかなりの低水準ですが、仮に1000万円を投資して1年間保有し続けると、単純計算で3,000円のコストが生じることになります。運用額が大きくなればなるほど、無視できない水準になってきます。
とはいえ、最近はVTIやS&P 500に連動するETFであるVOOは買付手数料が無料というケースも多いですし、個別株投資であっても、銘柄数を多くしたり、頻繁に売買を行ったりすればその分手数料が多くかかります。なので、もはやデメリットとは呼べなくなってきているかもしれませんね。
あとがき
個別株投資をしている自分がいうのもなんですが、やっぱり投資をするなら、パッシブ投資(インデックス投資)が最適解であると感じます。
もし死角をあげるとすれば、それは投資する側の感情かもしれません。投資にかける時間を少なくできるということは、裏を返せば「退屈な投資方法」であるともいえます。
どんなときでも必ずS&P 500を上回る投資スタイルは出てきます。それがいつまでもS&P 500を上回る保証はないのですが、とてもその時はその投資スタイルが輝いて見えるんですよね…S&P 500が冴えない値動きをしたときでも、投資スタイルを大きく変えることなく、「S&P 500への投資を継続できるか」という部分にあるのかもしれませんね💦