【VGT】〜驚異的な株価の伸びを誇る情報技術セクターETF!〜

【更新情報】(2022/2/6)
2021年のデータに更新しました♪

ゆーたんです♪

情報技術セクターETFであるVGT(Vanguard Information Technology ETF、バンガード・米国情報技術セクターETF)について、分析します♪

目次

VGTってどんなETF?

アメリカ株式市場のうち、情報技術セクターの銘柄を組み入れたETFです提供しているのは、米Vanguard(バンガード)社になります。

情報技術セクターは、ざっくばらんにいえば、コンピューターやインターネットに関連した事業を展開する企業を集めたセクターです。Apple(アップル)やMicrosoft(マイクロソフト)などが含まれ、アメリカ株式市場において最大の割合を占めるセクターとなっています。以前は、Google(グーグル)やFacebook(フェイスブック)が含まれていたのですが、現在は、通信サービスセクターに移っています。


(Featured image by:Shutterstock)

VGTの基本情報

銘柄数362
ファンド総資産額565億ドル(約6.5兆円)
実績PER34.5倍
EPS成長率(過去5年)22.3%
配当金(分配金)(直近12か月実績)2.9235ドル
配当利回り(直近12か月の配当で算出)0.70%
経費率0.10%
※2021年12月末、配当利回りは2022年2月4日現在(出典:Vanguard HPより作成)

銘柄数は金融、ヘルスケアに次いで多くなっています。好調なパフォーマンスを反映して、総資産額はバンガードの全セクターETF中でも最多です。配当利回りは0.70%と低く、インカム・ゲインにはあまり期待できません(2年前はこれでも1.1%は配当利回りがあったのですが💦)

VGT の構成上位銘柄

1Apple Inc.(アップル)【テクノロジーハードウェア・コンピュータ記憶装置・周辺機器】21.6%
2Microsoft Corp.(マイクロソフト)【システムソフトウェア】17.6%
3NVIDIA(エヌビディア)【半導体】3.8%
4Visa Inc.(ビザ)【情報処理・外注サービス】2.5%
5Mastercard Inc.(マスターカード)【情報処理・外注サービス】2.3%
6Broadcom Inc.(ブロードコム)【半導体】2.0%
7Adobe Inc.(アドビ)【アプリケーションソフトウェア】2.0%
8Cisco Systems Inc.(シスコシステムズ)【通信機器】2.0%
9Accenture plc(アクセンチュア)【ITコンサルティング・他のサービス 】1.9%
10salesforce.com Inc.(セールスフォース・ドットコム)【アプリケーションソフトウェア】1.8%
※2021年12月末現在。太字はダウ平均工業株30種採用企業(出典:Vanguard HPより作成)、リンク先は銘柄分析記事に

TOP10のうち5社がダウ平均工業株30種に採用されているなど、世界をリードする企業が数多く並んでいます。この中ですと私は、Apple、Microsoft、Visa、Broadcom、Cisco Systemsを保有しています♪

2年前と比較すると、半導体のIntel(インテル)とシステムソフトウェアのOracle(オラクル)がTOP10から陥落する一方、半導体のNVIDIA(エヌビディア)とBroadcom(ブロードコム)が新たにランクインしています。

組み入れ割合の上位は改めて説明する必要がない企業ばかりですね笑

組み入れ割合3位のNVIDIAは、GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)をメインに手がける会社です。GPUは、画像処理に特化した半導体チップで、高性能なゲームをパソコンでプレーしたい場合には、必ずお世話になるかと思います。

GPUは複雑な計算は得意ではありませんが、単純な計算を同時にこなすことができます。そうした特性もあって、近年はAIのデータ分析、深層学習(ディープラーニング)をはじめ、さまざまな分野での活用が見込まれており、株価も急上昇しています。

組み入れ割合6位のBroadcomは、スマートフォンの Wi-fiチップなの各種半導体、セキュリティシステムなどのITインフラストラクチャーを幅広く手がけています。

組み入れ割合7位のAdobeは、PDF作成・編集ツールであるAcrobatや、画像編集ソフトのPhotoshop、イラスト制作ソフトのillustratorなどで有名な企業です。私も仕事上でかなりお世話になっています笑

組み入れ割合8位のCisco Systemsは、ルーターなどのネットワーク機器で圧倒的なシェアを誇る企業です。外資系企業ですが、日本でも強く、日本国内のネットワーク機器市場の半分弱のシェアを占め、2位以下を大きく引き離しています。

組み入れ割合9位のAccentureは、ITをはじめとするコンサルティングを幅広く手がけている企業です。組み入れ割合10位のsalesforce.com Inc.は、法人向けの顧客管理(Client Relationship Management)ツールで大きなシェアを占めている企業になります。



VGTのサブグループ比率(上位8位)

1テクノロジーハードウェア・コンピュータ記憶装置・周辺機器22.8%
2システムソフトウェア21.7%
3半導体17.8%
4アプリケーションソフトウェア12.2%
5情報処理・外注サービス10.1%
6ITコンサルティング・他のサービス3.8%
7半導体装置3.3%
8通信機器3.1%
※2021年12月末現在(出典:Vanguard HPより作成)

VGTの配当金(分配金)推移

VGT DividendHistory 2004-21

配当金は、リーマン・ショック時こそ、約23%の減少となりましたが、順調に増えてきています。年平均増配率(2005~21)は+24.2%と全セクターの中でも最高の数字となっています。直近5年(2016〜21)の年平均増配率も+12.9%と高水準です。

2021年の配当金は2.9235ドルと前年比でわずか+0.4%にとどまっています。構成銘柄上位に無配の株が増えていることから、これまでのような増配は期待できないかもしれません。配当を期待するというよりも、値上がり益(キャピタル・ゲイン)を期待すべきETFであると考えます。



VGTのトータルリターン(2004/1~)

VGT VS QQQ VS S&P 500

VGTが設定されたのは2004年1月26日で、右肩上がりでVGTの株価は大きく上昇してきました。NASDAQ市場に投資するQQQと比較すると、やや負けてしまっていますが、同期間のS&P 500が霞むぐらいの圧勝ですね。特に2014年以降の伸びが目覚ましいです✨

ここ数年の米国株(アメリカ株)の上昇は、この情報技術セクターの成長なくしては実現しえなかったものであることがチャートからもわかると思います。

VGT VS QQQ VS S&P 500(直近5年)

※配当再投資の際の税金や取引手数料は考慮しない

直近5年で見ると、VGTの優位性がより際立ちます。直近5年のトータルリターンは年率+27.4%と、S&P 500の年率+16.2%を大きく引き離しています。

まとめ

情報技術セクターは直近5年間で大きく成長し、投資家に大きなリターンをもたらしてきました。このセクターは、アメリカが圧倒的に強い分野であり、世界を席巻する企業が数多くあります。

その収益力の高さも圧倒的です。直近の株価上昇もあって、PER(株価収益率)は34.5倍まで高まってきていますが、少なくとも2000年頃のITバブルのように、実態の伴わない株価上昇ではないということは言えるかと思います。

しかし、他方で、将来も利益が増えていくことを前提に、株が買われている面もありますので、何らかの理由で、そのシナリオが崩れれば、株価も大きく下落する可能性があることに気をつけなければいけません。特にAppleとMicrosoftだけで40%近くを占めているので、その動向には注意していく必要がありそうです。

情報技術セクターの個別株は長期保有は難しい?

この話は何も、情報技術セクターに限った話ではないのですが、特に情報技術セクターは、変化の早いセクターであり、ビジネスモデルがどんどん変わっていく可能性があります。

例えば、コンピュータで成功をおさめたIBMは、今から30年前、すなわち1989年、アメリカで時価総額1位の企業でした。しかし、現在のIBMの時価総額は、時価総額2位であるMicrosoftのわずか1/20程度しかありません。IBMも依然として世界的な企業であることに変わりはありませんが、収益の成長がほとんどみられず、投資家からは「終わった企業」として見捨てられている感すら漂います。

もっとも、現在の時価総額2位のMicrosoftも、2013年頃までは、パソコン向けのOSを売るだけの企業で、半ば「終わった企業」扱いされていました。株価も今でこそ最高値圏ですが、2001〜13年頃までは、リーマン・ショックを除いても、20〜30ドル台でずっと横ばいでした💦

直近の例ですと、半導体セクターのIntel(インテル)が挙げられますでしょうか。Intelはいまだに時価総額2,000億ドルの大企業ではありますが、2018年以降株価は横ばいで推移していて、時価総額は同じ半導体セクターのNVIDIA・Broadcom、Qualcommに抜かれてしまいました(´・ω・`)

個別株については、その成長性と将来性を見極めていくことが、他セクター以上に求められると考えています。ただし、その見極めをすることはなかなか難しいです。だからこそ、VGTを購入して、情報技術セクター全体としての成長を享受するのがベストなのではないでしょうか。

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