【VHT】〜今後も成長が期待できるヘルスケアセクターETF!〜

【更新情報】(2020/1/2)
配当金など、各種データ更新♪

ゆーたんです♪

ヘルスケアセクターETFであるVHT(Vanguard Healthcare ETF、バンガード ・米国ヘルスケア・セクターETF)について、分析します♪

目次

VHTってどんなETF?

米Vanguard(バンガード)社が提供する、アメリカ株式市場のうち、ヘルスケアセクターの銘柄を組み入れたETFです。

ヘルスケアセクターは、健康や医療に関連した事業を展開する企業を集めたセクターです。ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』によれば、1957~2003年のヘルスケアセクターのトータルリターンは14.19%となっており、S&P 500の10.85%を上回り、全セクター中でトップとなっています。


(Featured image by:Shutterstock)

VHTの基本情報

銘柄数403
ファンド総資産額95億ドル(約1.04兆円)
実績PER25.4倍
配当金(分配金)(直近12か月実績)3.619ドル
配当利回り(直近12か月実績)1.89%
経費率0.10%
2019年11月末、配当利回りは12月末現在(出典:Vanguard HPより作成)

銘柄数は金融についで2番目の多さです。実績PERはS&P 500と比較してもやや高めになっていますが、3・6月の配当金が大幅に増えたため、配当利回りはS&P 500よりも高めに出ています。

VHTの構成上位銘柄

1Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)医薬品8.4%
2UnitedHealth Group Inc.(ユナイテッド・ヘルス)管理健康医療6.1%
3Merck & Co. Inc.(メルク)医薬品5.1%
4Pfizer Inc.(ファイザー)医薬品4.8%
5Abbott Laboratories(アボット・ラボラトリーズ)ヘルスケア機器3.5%
6Medtronic plc(メドトロニック)ヘルスケア機器3.4%
7Amgen Inc.(アムジェン)バイオテクノロジー3.2%
8AbbVie Inc.(アッヴィ)医薬品3.0%
9Thermo Fisher Scientific Inc.(サーモフィッシャー・サイエンティフィック)バイオテクノロジー2.9%
10Bristol-Myers Squibb Co.(ブリストル・マイヤーズ スクイブ)医薬品2.5%
2019年11月末現在。太字はダウ平均工業株30種採用企業(出典:Vanguard HPより作成)、リンク先は銘柄分析記事に飛びます

医薬品グループ、すなわち製薬会社が多いですね。組み入れ割合1位のジョンソン・エンド・ジョンソン、8位のアッヴィは、私も保有しています♪

医薬品グループ

組み入れ割合1位のジョンソン・エンド・ジョンソンが、このグループに分類されています。医療機器や消費者向け事業もありますが、メインの収益は医薬品だからでしょうか。

組み入れ割合2位のファイザーは、製薬会社の中で世界第2位の収益(約536億ドル、2018年)を誇る企業です。小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー13」、鎮痛薬「リリカ」が主力商品です。

組み入れ割合4位のメルクは、製薬会社の中で、世界第4位の収益(約423億ドル、2018年)を誇る企業です。がん治療薬「キイトルーダ」、2型糖尿病治療薬「ジャヌビア」が主力商品です。

組み入れ割合9位のアッヴィは、製薬会社の中で、世界第8位の収益(約328億ドル、2018年)を誇る企業です。関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」が主力商品で、世界で最も売れている医薬品です。

もともと、組み入れ割合5位のアボット・ラボラトリーズから2013年に分離独立した企業です。6%を超える配当利回りが魅力的です。また別の機会に銘柄分析記事を書けたらと思っています。

組み入れ割合10位のブリストル・マイヤーズ スクイブは、製薬会社の中で、世界第11位の収益(約225億ドル、2018年)を誇る企業です。小野薬品工業と共同開発した「オプジーボ」や血栓を防止するための薬である「エリキュース」が主力です。

製薬会社といえば、日本の業界最大手である武田薬品工業を思い浮かべる人が多いと思います。それでも、2018年の収益は約190億ドル程度です。アイルランドの製薬会社シャイアーを2019年に買収したことで、次年度の収益は300億ドルを超えるものと見込まれますが、アメリカの上位企業とはまだ開きがありますね。

ヘルスケア機器グループ

組み入れ割合5位のアボット・ラボラトリーズ、組み入れ割合6位のメドトロニックが該当します。

アボット・ラボラトリーズのメイン事業は医療機器ですが、栄養食品やジェネリック医薬品など、幅広く事業を展開しています。配当利回りは1.5%程度と低いですが、1973年以降連続増配を続けている優良銘柄です。

メドトロニックは、心臓ペースメーカーなどで高いシェアを誇る医療機器メーカーです。配当利回りは2.1%程度ですが、こちらも1978年以降連続増配を続けている優良銘柄になります。

バイオテクノロジー

組み入れ割合7位のサーモフィッシャー・サイエンティフィック、組み入れ割合8位のアムジェンが該当します。

サーモフィッシャー・サイエンティフィックは、企業が研究開発をするうえで必要となる試薬や分析機器、アプリケーション、各種サービスを提供しています。株価は右肩上がりですが、配当利回りは0.3%程度であり、インカム・ゲインというよりは、キャピタル・ゲイン目当ての銘柄になります。

アムジェンは、世界最大級の独立系バイオテクノロジー企業です。といっても、バイオ医薬品の製造・販売が主な事業で、実態としては医薬品グループに近いです。関節リウマチ治療薬「エンブレル」、がん関連の治療薬「ニューラスタ(ペグフィルグラスチム)」が主力商品になります。

その他

組み入れ割合3位のユナイテッド・ヘルスは、民間の保険会社です。さらに、PBM(薬剤給付管理)も担っています。

PBMについて、詳しい説明はここでは控えますが、アメリカでは、日本のように政府によって薬価が定められているわけではなく、製薬会社が自由に決められます。そのため、薬価が高くなりすぎないよう、PBMが患者や薬局、保険会社と製薬会社の間に入り、値引き交渉などを行います。いわば、中間業者的な位置付けになります。

そして、PBMは、保険会社に代わり、フォーミュラという推奨医薬品リストを作成し、それをもとに製薬会社と交渉します。保険会社はこのリストに含まれる医薬品のみを保険適用の対象とすることが一般的です。この中に、安価なジェネリック医薬品が多く含まれていたため、アメリカではジェネリック医薬品が普及したといわれます。



VHTのサブグループ比率(上位6つ)

1医薬品27.7%
2ヘルスケア機器23.0%
3バイオテクノロジー19.5%
4管理健康医療10.1%
5ライフサイエンス・ツール/サービス7.3%
6ヘルスケアサービス5.7%
2019年11月末現在(出典:Vanguard HPより作成)

VHTの配当金(分配金)推移

VHT_Distribution_2004-19

2014年までは年1回の配当でしたが、2016年から年4回の配当となりました。2009、19年と配当金が前年比で50%超と急増していていますが、これはおそらくキャピタルゲイン(値上がり益)を分配した結果だと思われるので、多少割引いて考える必要があると思います。

年平均増配率(2005~19)は+17.3%と高水準です。大きな減配もなく、右肩上がりで配当金が増えていっています。現時点で購入していけば、10年、20年スパンでみたときに、大幅な配当金増が期待できそうです✨



VHTの株価チャート(2004/1~)

VHT VS S&P 500

VHT_Chart_2004-19

VHTが設定されたのは2004年1月26日で、設定来のリターンは+283.1%となっています。同期間のS&P 500は+185.62%ですから、大きく上回っていますね。特に2013年以降の伸びが素晴らしいですね✨

VHT VS S&P 500(トータルリターン)

税金や取引手数料は考慮しない(出典:Vanguard HPより作成)

配当を再投資したトータルリターンで見ても、VHTの優位性は変わりません。設定来のトータルリターンは年率+10.3%です✨

まとめ

今日の日本は、世界的にも長寿の国で、高齢化が急速に進んでいます。しかし、今後は世界的にも、医療技術の発展で平均寿命が伸び、高齢化が進んでいくことが予測されます。

より長く、健康に生きたい」というのは、たくさんの人にとっての願いでしょう。その意味で、ヘルスケアセクターは今後も高い成長率を維持するセクターではないかと、思います。

しかし、不安要素がないわけではありません。

ヘルスケアセクターで最多の割合を占める製薬会社ですが、新薬開発が成功すれば、莫大な収益が得られる反面、失敗も多く、製品化できなければ、多額の費用がかかる割に、全く収益が得られないという、ハイリスク・ハイリターンです

それにたとえ新薬を開発できても、やがては特許切れにより、より単価の安い後発医薬品にとってかわられることになりますから、常に新薬開発をし続けなければならないというプレッシャーのかかる事業になります。

新薬開発には多額の費用がかかるため、資金力のある大企業ほど有利ですが、どの企業が、画期的な新薬を開発できるかというのは、正直予想できません。また、特にアメリカでは、医療費の高騰が問題になっており、今後医療費を抑制しようと政治的な圧力が強まっていく可能性もあります。

そうした理由もあり、ヘルスケアセクター(特に医薬品グループ)は、ETFで保有したはうが無難な気がします。もっとも、アッヴィはあまりに配当利回りが魅力的で、半ば脊髄反射的に購入してしまいましたが💧

個人的な考え

個人的には、ヘルスケアセクターを保有したい気持ちはやまやまですが、株価が右肩上がりでも配当利回りが低い銘柄が多いので、中々投資する気になれないのが現状です。医療機器メーカーの2銘柄は、長期保有対象として魅力的ですが、せめて2%台後半の配当があればなあと思っています。

さらに、ヘルスケアセクター全体として、割高感もあるかなという気がしています。2019年11月末時点では、情報技術セクターに投資するVGTのPER(株価収益率)は約26倍ですが、VHTは約25倍とさほど差がないのに対し。一方で、収益成長率はVHTが5%台に対し、VGTは12%台と差が大きいです。

当面は個別株で保有している2銘柄が下押しした時に、購入していくことになりそうです。

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