【VPU】~安定成長・安定配当が魅力的な公益事業セクターETF!~

【更新情報】(2020/1/2)
各種データを更新しました♪

ゆーたんです♪

公益事業セクターETFであるVPU(Vanguard Utilities ETF、バンガード ・米国公益事業セクターETF)について、分析します♪

目次

VPUってどんなETF?

アメリカ株式市場のうち、公益事業セクターの銘柄を組み入れたETFです。提供しているのは、米Vanguard(バンガード)社になります。

公益事業セクターは、人々の命にもかかわる電力やガス、水道を提供している企業を集めたセクターです。その公共性の高さから、国や地方自治体が事業を担っている国もあります。

なお、ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』によれば、1957~2003年の公益事業セクターのトータルリターンは9.52%となっており、S&P 500の10.85%を下回り、全セクター中で9番目、素材セクターに次ぐ下から2番目となっています。


(Featured image by:Shutterstock)

VPUの基本情報

銘柄数68
ファンド総資産額43億ドル(約4,700億円)
実績PER23.1倍
配当金(分配金)(直近12か月実績)4.0373ドル
配当利回り(直近12か月実績)2.83%
経費率0.10%
2019年11月末、配当利回りは12月末現在(出典:Vanguard HPより作成)

銘柄数は全セクターのなかでも最も少なくなっています。そして、何よりも2%台後半の配当利回りが魅力的です。配当利回りはエネルギーセクターに次ぐ高さになっています♪

VPUの構成上位銘柄

1NextEra Energy Inc.(ネクステラ・エナジー)電力11.3%
2Dominion Energy Inc.(ドミニオン・エナジー)電力6.9%
3Duke Energy Corp.(デューク・エナジー)総合公益事業6.5%
4Southern Co.(サザン)電力6.3%
5American Electric Power Co. Inc.(アメリカン・エレクトリック・パワー)電力4.5%
6Exelon Corp.(エクセロン)電力4.3%
7Sempra Energy(センプラ・エナジー)総合公益事業4.1%
8Xcel Energy Inc.(エクセル・エナジー)電力3.2%
9Public Service Enterprise Group Inc.(パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ)総合公益事業3.0%
10Consolidated Edison Inc.(コンソリデーテッド・エジソン)総合公益事業2.9%
2019年11月末現在(出典:Vanguard HPより作成)

アメリカ国内の公益事業だけあって、日本では知名度が低い企業が多いでしょうか。なお、公益事業セクターにはダウ平均工業株30種に採用されている企業がありませんそれもそのはず、公益事業セクターについては、別途「ダウ公共株15種平均」という指数が存在するからです。

組み入れ割合1位のネクステラ・エナジーは、フロリダの電力会社「Florida Power&Light Company」や、風力や太陽光など、再生可能エネルギー主体の電力卸売り会社「NextEra Energy Resources」などを子会社にもつ電力会社です。2018年の収益は約167億ドルとなっています。

「NextEra Energy Resources」は、風力や太陽光の発電量で世界最大となっています。再生可能エネルギー事業が世界の潮流にもマッチしていることもあり、株価は右肩上がりとなっています。配当利回りは2%台ですが、1995年以降連続増配で、2019年に配当貴族(連続増配25年以上)入りを果たしました。

組み入れ割合2位のデューク・エナジー(収益約245億ドル、2018年)3位のドミニオン・エナジー(収益約134億ドル、2018年)、4位のサザン(収益約235億ドル、2018年)は、大手の電力・天然ガス会社です。いずれも4%前後の配当利回りがあり、米国株投資家からも人気があります。

組み入れ割合5位のエクセロンは、収益約360億ドル(2018年)を誇る電力・ガス会社であり、収益額は、アメリカ国内最大となっています。アメリカ国内で最も原子力発電所を多く運営している企業でもあります。

組み入れ割合10位のコンソリデーテッド・エジソンは、収益約120億ドル(2018年)の電力・ガス会社です。冷暖房などに利用されるニューヨーク市における蒸気システムの管理も行っています。配当利回りは3%台前半ですが、1975年以降連続増配となっている銘柄です。



VPUのサブグループ比率

1電力56.8%
2総合公益事業29.8%
3ガス4.9%
4水道4.1%
5独立系発電事業者・エネルギー販売業者3.5%
6再生エネルギー系発電事業者0.9%
2019年11月末現在(出典:Vanguard HPより作成)

VPUの配当金(分配金)推移

VPU_Distribution_2004-19

配当金は高水準で安定していて、変動幅が小さく、配当金生活を考えるうえでも検討に値するETFとなっています。リーマン・ショック時にも増配を達成しており、この10年間で減配となったのは、2014・16年だけです。そのときもごくわずかの減少幅で済んでいます。

2019年の配当金は4.037ドルと、前年比で+6.1%の増配を達成しています。ただし、年平均増配率(2005~19)は+5.5%であり、どうしても他のセクターには劣ってしまう点には注意が必要ですね💦



VPUの株価チャート(2004/1~)

VPU VS S&P 500

VPU_Chart_2004-19

VPUが設定されたのは2004年1月26日で、設定来のリターンは+186.7%となっています。ほぼS&P 500と同じパフォーマンスですね。

公益事業セクターはどうしてもリターンが低いイメージがあったので、この結果は正直意外でした。リーマン・ショック以降はじりじりと差を詰められており、2018年にS&P 500に逆転を許しますが、2018年末の調整局面で強さを発揮して再逆転していますね✨

VPU VS S&P 500(トータルリターン)

VPU_TR_2004-19
税金や取引手数料は考慮せず(出典:Vanguard HPより作成)

配当利回りが高いだけあって、トータルリターンで見ると、S&P 500のパフォーマンスを大きく上回っていますね✨

設定来のトータルリターンは年率+10.5%となっており、これは情報技術セクターに次いで高い数字です。2010年代だけに限定してみると、S&P 500のパフォーマンス(+256%)が、公益セクターのパフォーマンス(+211%)を上回りますが、それでも十分長期保有に適しているといえるのではないでしょうか✨

まとめ

公益事業セクターについては、ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』において、長期的なトータルリターンが低いとされているためか、敬遠する長期投資家の方もいらっしゃいますが、分配金(配当金)生活を将来的に考えている投資家の方にとってはとても魅力的な投資対象だと思います。既に見てきたように、投資する時期によっては、S&P 500のトータルリターンを上回ることも十分可能です。

公益事業セクターは、生活必需品セクターと同じく、不況のときでも、電力やガス、水道などは需要が減らないため、不況時に強いセクターと考えられています。

2019年に入り、アメリカの景気拡大は10年を超え、史上最長となっています。「アメリカ経済がそろそろ景気後退期に入るかもしれない、でも株に投資しないことによる機会損失を逃したくない」と考えている人にとっては、おすすめのセクターではないでしょうか。

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