ゆーたんです♪
説明不要の大企業、AAPL(アップル、Apple)の銘柄分析です♪
Appleってどんな会社?
Appleは、1976年に設立された、パソコン(iMac、Macbook)やタブレット(iPad)、スマートフォン(iPhone)および周辺機器などを製造している企業です。世界の経済をリードするビックテック(Google、Apple、Facebook(Meta)、Amazon、Microsoft etc)の一角をなしています。
2019年の売上高(収益)は約3,943億ドル(約51.8兆円)です。2021年の売上高ランキングでは、アメリカ国内ではウォルマート、アマゾンにつぐ第3位、全世界で見ても第7位となっています。
また、世界最大のブランディング会社、インターブランドが発表しているBest Global Brandsでは、10年連続で1位となっています。
アクティブな端末数(90日間で利用のあった端末数)は2022年頭時点で18億台にも達しています。また21年頭時点で、10億台ものiPhoneがアクティブな端末であることを明かしています。
かつてと比較して、複数端末を保有するユーザーも増えているとは思いますが、いかにAppleというブランドが、消費者の購買意欲を刺激しているか、いうなれば「訴求力」が強いかがわかると思います。
私もAppleユーザーの一人です。初めてユーザーとなったのは、2006年にiPodを購入してからです。そして2011年にiPhone4に機種変更してから、今日に至るまでiPhoneを愛用しています。
パソコンはコスパ重視でWindows派でしたが、Macbookに乗り換えました。この記事もMacbookでリライトしています。そしてウェアラブル端末もAirPods ProやApple Watchを保有しているので、主要なデバイスで保有していないのは、iPadくらいだと思います笑
私のライフスタイルでは正直iPadは使いこなせないと考えているのですが、それでもiPhoneとMacbook合わせて3種保有してみての使用感を体験してみたいという思いは強まっていて、2023年の初売りでも心が揺れました。完全にAppleのエコシステムに組み込まれていますね💧
また、著名な投資家であるバフェットも、2016年よりApple株を保有しています。積極的な買い増しもあり、2022年9月時点ではポートフォリオの4割強を占め、バフェット保有銘柄の中でも最大の割合を占める銘柄となっています。
Appleの業績
売上高(収益)、営業利益、純利益
Apple社の快進撃は、2007年に初めて発表されたiPhoneに始まります。
Appleの共同創業者であり、iPhoneの生みの親ともなったスティーブ・ジョブズは2011年に死去しました。その当時は、Appleが今後も成長を続けていくことに懐疑的な声も多く聞かれましたが、後を継いだティム・クックCEO(最高経営責任者)のもとでも、業績拡大が続いています。
2015年に発表されたスマートウォッチのApple Watch。発売当時は毎日充電する必要がある時計の需要がどこにあるのかと疑問視する声もありましたが、今日ではヘルスケア端末として日々存在感を高めています。16年に発表されたワイヤレスイヤホンのAirPodsも大きな成功を収めています。
そして、2020年に新型コロナウイルスが世の中を席巻しましたが、人と人との接触が制限されたことで、人はネットを通じて他の人とコミュニケーションをとることを余儀なくされました。これは、AppleのようなIT端末を製造する企業にとって大きな追い風となっています。
Appleの地域別売上高(2022年)
Appleの売上高についてもう少し詳しく見てみます。地域別で見るとアメリカが37%ですが、国外からの売り上げが6割強を占めており、アメリカ企業の中では高い部類に属します。
規制上の問題などから中国市場に参入できていないアメリカ企業が多い中、中国の売り上げが19%ある点も特徴的です。2010年時点では、中国の売り上げは約4%に過ぎなかったことを考えると、ここ10年の業績の伸びは、中国での売り上げ拡大が大きく貢献したといえるのではないでしょうか。
決算報告書の地域別収益では日本も取り上げられていて、Appleの売上高の7%を占めています。
Appleが日本市場を重視していることが如実にあらわれたのは、少し前になりますが、iPhone7でモバイルSuicaが使用可能になったことでしょうか。Suicaなどで採用されているタッチ決済技術Felicaは主に日本で活用されていて、海外ではアジアの一部を除いてあまり普及していませんが、それでもiPhoneに採用されたことは驚きでした。
ちなみに、Appleはそれまで中国で多くの部品や製品を生産してきましたが、米中関係が緊迫していることを受けて、少しずつ拠点の分散化を進めています。とはいえ、依然として中国への依存度が高い企業であることに変わりはありません。
Appleの製品・サービス別売上高(2022年)
売上高に占めるiPhoneの割合は、52%となっています。2017〜18年ごろはiPhoneの割合が60%を超えていたので、以前よりも依存度は低下していますが、それでも高い割合を占めていることに変わりはありません。
Macが10%、タブレットのiPadが7%です。2021年のパソコンのシェアは8%で4位にとどまりますが、タブレットのシェアは34%で2位のサムスンを大きく引き離しています(IDCより)
その他の製品は、Apple TVや、AirPods、Apple Watch、スマートスピーカーのHomepod miniや各種アクセサリです。
サービスは、App Storeでの手数料収益や、Apple Musicをはじめとするサブスクリプション(定額制)サービス、製品保証サービスのApple Careなどで構成されています。収益に占める割合は20%です。2014年が10%でしたので、ほぼ倍増していることになります。
製品・サービス別の売上高推移
サービス部門の収益増加が目を引きますね。5年平均成長率(2018〜22)は年率+18.4%です。
2019年にはサブスクリプションサービスとして。「Apple News+」(新聞や雑誌の読み放題、日本では未提供)、「Apple Arcade」(ゲームの遊び放題)、「Apple TV+」(動画視聴放題)を発表し、さらにはクレジットカード「Apple Card」の提供(日本では未提供)を開始しました。
2020年には、Apple MusicやApple TV+、Apple Arcade、iCloudのサービスを一つのパッケージにまとめたApple Oneの提供を開始するなど、サービス部門を強化する姿勢を鮮明に打ち出しています。
もちろんリスクがないわけではありません。App Storeで有料アプリを購入したり、ゲームに課金したりする際は、Apple社の決済システムを経由する必要がありますが、Apple社に支払う手数料が15〜30%と高額であることが問題視されています。
これを受けて、Apple社も外部サービスで課金ができるようにしたり、そもそもApp Store以外からもアプリをダウンロードできるようにしたりするなどの対応を迫られています。その影響がどこまで業績に影響を及ぼすか、注目ですね。
またサービス部門の影に隠れがちですが、その他の製品が成長率でいうと、それ以上であり、5年平均成長率は年率+24.1%と強烈です。スマートウォッチであるApple Watchの普及もあるのでしょうね。2021年のシェアは30%を超えており、2位以下を引き離し独走状態です(Counterpointより)✨
EPS、BPS、ROE
好調な業績を反映して、EPSは右肩上がりとなっています。5年平均成長率(2018〜22)は+19.7%と強烈です。
キャッシュフロー(CF)
収益の伸びに合わせて、キャッシュフローの伸びもえげつないですね…
企業の売上高と比較して、どれだけ営業活動からのキャッシュを得ているのかを測る比率である、営業キャッシュフローマージン(営業CF/売上高)も30%前後で安定しています。
Appleの株主還元状況(配当・自社株買い)
配当・配当性向・増配率
Appleは、業績不振から1995年を最後に配当金の支払いを停止していましたが、業績が回復したこともあり、2012年に配当金の支払いを復活させました。それ以降、11年連続増配となっています。ただ、それまで二桁ペースだった増配率は、2020〜22年は一桁台中盤まで低下しています。
自社株買いを含めた株主還元状況
配当よりも自社株買いで株主に還元する企業であることが一目でわかりますね。2022年の自社株買い金額は894億ドルにも達しており(配当総額の6倍以上!)、利益以上の金額を株主に還元している状況が続いています。
Appleの株価チャート
S&P 500(SPY)との比較(1993/1〜)
グラフだとやや分かりにくいですが、2005年頃まではS&P 500を下回って推移していました。ただ、それ以降の伸びは凄まじいですね。
Apple社の株式を2000年代前半からずっと保有していれば、今頃はきっと億万長者なのでしょうが…後から振り返ることは簡単なんですよね。2000年代前半に、Appleがこれほど世界を代表する企業になるなんて誰も予想できなかったとも思います💧
まとめ・私の保有状況・所感
- 業績は堅調。新型コロナウイルスの「巣ごもり需要」も追い風になっている。
- 端末とOSの両方を開発し、ユーザーに魅力的な体験を提供する点に強みを持つ。パソコンやスマホでは競合他社との激しい競争に直面するが、タブレットではシェア30%超と他社を圧倒。
- ウェアラブル端末やサービス部門の収益が急成長中。スマートウォッチ市場ではシェア30%で他社を圧倒。
- 11年連続増配の記録を持つが、近年の増配率は控えめ。その分自社株買いが強烈。
私はAAPLを保有しています。
2019年3月、高配当株投資にシフトするため、アメリカ株式市場に投資するVTIを売却したのですが、さすがにアメリカの成長を牽引するビックテックを一切保有しないのはどうかな?と思い、Appleの株式を購入しました。
その理由は、①強固なブランド力を有し、自分自身も日常的に使うサービスであること、②無配のビックテックもある中で、配当を出しており、将来的には買値で見たときの配当利回り(YOC:Yield On Cost)が高くなることが見込まれること、以上の2点から購入を決意しました。
2019年3月に初めて投資した際は、まだ配当利回りが1%台だったのですが、その後の株価の上昇で、配当利回りは0%台となってしまいました。ここ3年は増配率も一桁台中盤にとどまっており(自社株買いはすごいですが…)、配当株投資の観点からみれば、Apple株は微妙です。
低い配当利回りでも、毎年10%前後の増配を続けるMicrosoftや、パンデミックを除き、20%近く増配しているVisaのほうが魅力的だと考えています。
しかし、Appleの製品やサービスに魅力を感じ、日常的に使っている身としては、Apple株はもちろん保有し続けたいですし、株価が沈むことがあれば、もっとポジションを積み重ねていきたいという思いはあります。
個人的には、Appleは、ルイ・ヴィトンやシャネル、エルメスと同じようなブランド企業として捉えています。今後スマートフォンにかわるデバイスが出てくれば話は変わってくるでしょうが、そうでない限りはAppleのブランドイメージはそうそう崩れないのではないでしょうか。
情報開示:この記事は私自身が書いたものであり、私の意見を表しています。私はこの記事から報酬を受け取っておらず、この記事で言及されている会社と直接のビジネス関係はありません。