なぜ高配当株投資なのか

【更新情報】(2023/3/26)
グラフを最新データに更新し、記述も最新の情勢を反映しました♪

ゆーたんです♪

自分自身の投資スタイルについて書く「なぜ〜なのか?」シリーズ第2弾の記事です。第1弾は資産運用、投資の重要性について書きました♪

今回は「なぜ高配当株投資なのか」について書いてみますね♪

目次

高配当株投資のメリット

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(Feature Imaged By:Adobe Stock)

配当金の落ち込みは株価の落ち込みよりも緩やか

景気後退時には、一般的に株価の落ち込みよりも、配当金の落ち込みのほうが緩やかになります。S&P 500の株価推移、配当金推移で確認してみますね。

S&P 500の株価推移(2008~23)

※23年3月26日までのチャート

S&P 500の配当金推移(2008~22)

※2008/3〜22/12までのデータ(出典:S&P Globalより作成)

S&P 500の株価が大きく上昇していることもあって、上の2図を比較するだけでは、なかなか見えにくいのですが、2008年のリーマン・ショックの時は、株価の落ち込みより、配当金の落ち込みのほうが緩やかでした。

具体的な数字を見てみましょう。S&P 500の株価は2008年1月に1,471ドル台の高値から、2009年2月には一時734ドル台まで下落しました。約50%の落ち込みになります。

一方、S&P 500構成企業が支払った配当金の合計は、2008年の約2,473億ドルに対し、2009年は約1,956億ドルでした。約21%の落ち込みになります。リーマン・ショック時でも減配せず、配当維持・増配した企業が多かったからです。

ちなみに円ベースで考えると、落ち込み幅はもう少し大きくなります。2008年平均は1ドル=102.5円、2009年平均は1ドル=92.6円で、約10%の円高でしたから、リーマン・ショックでは、円ベースで見た配当金が約30%の落ち込みだったことになります。

2020年のコロナショックでは、S&P 500は最高値から一時34%も下落しました。しかし、配当金は前年比でわずか0.5%の落ち込みにとどまっています。また2022年はS&P 500は18.1%下落しましたが、構成銘柄の配当金は10.4%増加しています

もちろん、将来的に1930年代の世界恐慌並みの強烈な景気後退が来れば、配当金の落ち込みがより大きくなるでしょうが、「100年に1度」といわれるリーマン・ショックや、コロナショックの時に、どれだけ株価が下落し、どれだけ減配したのかというのを知っておくことは、これから投資を続けていくうえでも役に立つと思っています。



相場の変動に一喜一憂しにくくなる

2018年12月には、米中貿易摩擦の激化などを背景に、世界の株式市場が大きく下落し、S&P 500も最高値から20%下落しました。また、2020年3月のコロナショックの時には、S&P 500も最高値から34%下落しています。この下落に耐えられず、株式を一部売却する投資家や、完全に株式から撤退してしまった投資家の方々もいたようです。

私が保有する株式やETFも例外ではありませんでした。コロナショックのときの含み損は最大で700万円近くあったと思います。

私もコロナショックのときは動揺して株式を一部売却してしまいました。それでも退場せずにこうして投資を続けてこれたのは、毎日変化する資産額の積み上げではなく、配当金収入の積み上げを目標においていたからです。もし自分が、値上がり益(キャピタル・ゲイン)狙いの投資手法をとっていたら、自分の心は恐怖に支配され、仕事どころではなかったと思います。

投資金額が1,000万円を超えてくると、下手をすれば1日の株価の変動で、自分の会社員としての月収分が吹っ飛ぶこともあります。いちいち一喜一憂していては、身が持ちません。私は投資が好きなこともあり、毎日変動幅や含み損益をチェックしていますが、ETFや投資信託に投資している人であれば、「株価をチェックしない」というのも、身を守るうえでは有効だと思っています。

毎月の投資金額が増え、株価下落時に買い向かいやすくなる

高配当株投資の場合、持っている株やETFの種類にもよりますが、半期~四半期ごとに配当金が入ってきます。ある程度分散投資している方であれば、額の大小こそあれ、毎月配当金収入が入ってくると思います。

毎月の給与収入に合わせて、配当金収入という+αが入ってくることで、毎月投資できる金額が増えることになります。投資できる金額が増えるということは、株価の下落時でも積極的に追加投資がしやすくなりますまた、いったん現金として吐き出されるため、米ドルMMFとして保有する、別の株式やETFを購入する、生活費に充てるというように、配当再投資以外の選択肢がとれることも隠れたメリットです。

ゴールが明確であり、モチベーションを保ちやすい

例えば、セミリタイアの目標を「資産額5,000万円」に設定するとしましょう。資産のほとんどを株式に投資している私の場合、資産額は1日で数十万変わることもざらにありますし、月単位で見れば100万以上変動することも多々あります。

株をたくさん購入したにもかかわらず、資産額が前月比でマイナスなんてこともざらにあります。もし、「あと●●万円で目標達成」なんてときに、リーマン・ショックのような景気後退が起きたら目も当てられません。

しかし、セミリタイアの目標を「配当金150万円」に設定したらどうでしょうか。もちろん、配当が減配されれば、目標は遠のきますが、基本的には株を買えば買うほど、配当は目に見える形で増えていきますそれに増配するETFや個別株であれば、株式数を特に増やさなくても、時間の経過ともに配当が増えていきます。ゲームでもそうですが、「やればやるほど結果が出る」というのは、モチベーションを高める一つのきっかけたりえます。

高配当株投資のデメリット

トータルリターン(配当+値上がり益)はS&P 500に負けている

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上のグラフは、高配当株式ETFであるVYMとS&P 500の、配当を再投資した場合のトータルリターン(2006/11~23/3)を比較したものになります。2006年以降の年率リターンは、S&P 500が年率+8.9%、VYMが年率+8.1%ですから0.8%の差が生じていることになります。

2019年ごろまでのトータルリターンはほぼ同じですが、これは配当の際にかかる税金や、再投資する際の取引手数料を考慮していないので、その分を計算に入れると、実際にはもう少し差が生まれてしまうかと思います。

また、高配当の企業というのは、獲得した利益を、工場や機械の拡充などといった設備投資、新商品や独自の技術の開発をめざす研究開発などに回すというよりは、株主への還元にあてている企業といえるかと思います。株主にとってはありがたい話ですが、裏を返せば、「すでに市場は成熟していて、大きな成長が見込めない企業」と考えることもできます。

配当にはその都度税金がかかるので投資効率が落ちる

個別株やETFを保有している場合、無配株でもない限り、配当金・分配金が入ってきますが、その都度税金が引かれてしまいます。一方で、投資信託は分配金を出さないものが多くなっています。

分配金を出さない以上は税金がかからないので、ファンドが保有する株式等からの配当金に税金が引かれることなく、再投資にまわすことが可能です。つまり、税金を売却時まで先送りすることができます。自社株買いの場合も、同様で、配当金という形ではなく、株価の上昇という形で株主に還元されるので、税金を売却時まで先送りできます。



まとめ

高配当の企業に投資するくらいなら、「アメリカ株式市場全体に連動する投資信託やETFを購入して、目標額に達したら少しずつ取り崩して生活すればよい」ということはよくいわれます。

その選択肢を否定するつもりはありません。投資に時間をかけたくない方や、早期のセミリタイア・アーリーリタイアを志向していない方、資産の最大化を目指したい方であれば、「S&P 500に連動するインデックスに月●万円を機械的に積み立てる」というのが最適解であると考えています。

ただ、私の場合は、早期(30代、遅くても40代)のセミリタイア・FIREを志向しており、配当所得での生活を視野に入れていることもあって「高配当株投資」という投資手法を選択しています。

確かに、高配当株投資のここ最近のトータルリターンはよくありません。しかし、長い目で見ると高配当株はS&P 500のリターンと遜色ない、もしくは上回っています

JPモルガンが3か月ごとに更新しているレポートであるGuide to the Markets(US版)では、2001〜2020年の資産クラス別の年率リターンが掲載されています。S&P 500の年率7.5%に対し、High Yield(高利回り)は年率8.2%と上回っています。

Anuual Return 2001-20(Jp Morgan)
出典:Guide to the Markets(US版)2022Q1

2022年に入り、S&P 500を牽引してきたハイテク株が値を下げる一方で、高配当株は好調を維持しています。私のポートフォリオのコアとなっている高配当株式ETFであるSPYDは、コロナショック時こそ大きく値を下げましたが、コロナショック後のリターンで見れば、S&P 500を上回っています✨

なお、高配当株投資として、日本株に投資するという選択肢もありますが、私は米国株(アメリカ株)への投資を選好しています。その理由は、この記事をご覧いただけたらと思っています♪

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