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銘柄分析

【HSBC】~世界的なメガバンクも、2020年は無配転落~

投稿日:2019-09-04 更新日:

【更新情報】(2020/4/2)
HSBCの配当金支払い停止について追記

ゆーたんです♪

世界的なメガバンクであるHSBC(HSBC ホールディングス、HSBC Holdings plc)の銘柄分析です。

HSBCってどんな会社?

HSBCは、150年以上の歴史を有する、イギリスのロンドンに本社を置く都市銀行です。1865年に設立された香港上海銀行(The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited)にルーツがあり、HSBCという名前もその頭文字をとったものです。

HSBC_image

HSBCホールディングス自体は、1991年に設立されました。1993年に本社を香港からロンドンに移転して、現在に至ります。

収益は538億ドル(約5.8兆円)、総資産は2.6兆ドル(約284.5兆円)を誇る世界的なメガバンクです(2018年)。国内最大のメガバンクである三菱UFJFGの収益が5.4兆円、総資産は305兆円ですから、それとほぼ同規模と考えてよいかと思います(2019年3月)。

HSBCは、世界65の国と地域で4,000万人を超える顧客にサービスを提供しています。以前では日本でも富裕層向けの金融サービス「HSBCプレミア」を運営していましたが、2012年に撤退しており、現在では法人向けサービスを提供するのみとなっています。



HSBCの業績

※グラフはIRデータより作成。

収益、営業利益、純利益

HSBC_Revenue_2008-18

収益は減少傾向が続いています。日本をはじめ、採算性が低いとした国々から相次いで撤退したからです。

HSBCは2010年代前半にかけて、犯罪行為で得たお金を、架空口座を使って何度も送金を繰り返すなどの手段を通じて、あたかも正当に得たお金のように見せかけるマネーロンダリング(資金洗浄)に対して十分な防止策を取らなかったことや、富裕層の脱税行為を手伝ったという疑惑などが噴出し、各国の政府当局から罰金を科されたり、あるいは和解金を支払ったりしました。その対応策として、業務縮小を余儀なくされたという事情もあります。

営業利益率は、上海株の暴落に端を発するチャイナ・ショックが起こった2016年に大きく低下していますが、その後は持ち直しており、20%~30%前半をキープしています。他行と比較しても遜色ありません。

HSBCの部門別収益(2018年)

HSBC_Revenue_Section_2018

HSBCは4つの部門に分かれています。リテール・バンキング&ウェルス・マネジメント事業は、個人を対象とする銀行業務や資産管理サービスを指しており、約4割と最大の収益源となっています。

商業銀行事業は全体の3割弱を占めており、世界50をこえる国と地域で150万もの企業を対象とする銀行業務を行っています。

グローバル・バンキング&マーケッツは、いうなれば投資銀行事業です。投資銀行は、ざっくばらんに言ってしまえば、企業によるM&A(合併・買収)や、企業や政府系機関等が資金調達を行う際に、専門家の立場からアドバイス・お手伝いをするなどといった役割を果たしています。どちらかというと大企業を対象としている業務ですね。

グローバル・プライベート・バンキング事業は、富裕層を対象とする金融サービスになります。

HSBCの地域別収益(2018年)

HSBC_Revenue_Area_2018

アジアとヨーロッパで全体の8割弱を占めています。うち、イギリスの収益は約19%、香港の収益は約31%となっており、イギリスに本社がありながら、香港への依存度が強くなっています。2016年には一時香港への本社移転も検討されましたが、見送りになっています。



EPS、BPS、ROE

HSBC_EPS,BPS,ROE_2008-18

業績の停滞を反映して、EPS、BPSともに横ばいで推移しています。

キャッシュフロー(CF)

HSBC_CF_2010-18

変動の激しいキャッシュフローですね。銀行業の場合は参考程度にとらえるのがよいと思います。

銀行業は頻繁にお金をやり取りするため、そのやり取りがキャッシュフローに反映されているからです。具体的には、営業CFには、獲得した利ざやだけでなく、貸出金や預金、預け金といった元本の増減まで反映されてしまっています。

営業CFがマイナスということは、「現金が流出超過である」ことを指しますが、銀行業においては、それをもってして危険とは一概にみなすことはできませんので、注意が必要です。



HSBCの配当

HSBC_Dividend_2008-18

リーマン・ショック翌年の2009年に大きく減配しており、その水準をまだ回復できていません。銀行株は、HSBCに限らず、バンク・オブ・アメリカやシティグループなどいまだにリーマン・ショック前の配当金水準を回復できていないものが多くあります。

ここ3年、配当金は据え置きとなっていますが、2009年以降、減配はありません。2016年は配当性向700%超えとなっていますが、配当金水準は維持されています。

しかし、2020年はコロナウイルスの感染拡大による、イギリスの中央銀行からの要請を受け、配当金支払いを停止。年内は配当金を支払わないことも決まりました。

ただただ残念ですが、半ば不可抗力という形なので、2021年以降、配当金支払いを再開することを願っています。

HSBCの株価チャート(1995/9〜)

HSBC_Chart_20191012

HSBCの株価は、2007年10月に一時100ドルに迫るまで上昇しましたが、リーマン・ショックを機に大幅に下落、それ以降は、30〜60ドルでのレンジが続いています。キャピタル・ゲイン(値上がり益)を期待するのは難しそうで、インカム・ゲイン(配当収入)を期待すべき株といえそうですね。

2016年のチャイナ・ショックで一時的に30ドルを割り込みましたが、その後すぐに持ち直し、2018年1月には一時55ドルの高値をつけました。しかし、その後はまた下落に転じています。

なお、HSBCはニューヨーク市場のほか、ロンドン、香港、パリ、バミューダに上場しています。香港株(匯豊控股)として買い付ける手もあります。

まとめ

プラス要因

アジア市場に強く、中流階級の増加に伴い、需要の拡大が期待できる

アメリカのシンクタンク、ブルッキングス研究所によれば、世界の人口の約半分は中流階級・富裕層と推定されており、2030年にはこの割合が3分の2まで拡大すると予想しています。この先中流階級になるだろう10億人のうち、その9割はアジア人になるということです。

こうした人々が金融サービスを利活用するようになれば、HSBCにとっても追い風になります。

経営破綻防止のため、自己資本を上乗せしており、他銀行より安全性は高い

銀行は、決済システムの中核を担っています。銀行が倒産してしまっては、決済システムが機能不全に陥り、経済が大混乱に陥る危険もあります。そのため、公的資金を注入してでも、銀行を守るということが世界各国で行われてきました(もちろん潰れてしまった銀行もありますが💧)。つまり、「大きすぎて潰せない」状態になってしまっていたわけです。

しかしながら、最後は政府が救ってくれるとなれば、銀行業の経営自体がずさんになる恐れがあります。そうした危険が生じないよう、グローバルな金融システム上、特に重要な銀行については、経営破綻を防ぐため、追加で自己資本を上乗せすることが求められています。

HSBCも例外ではなく、自己資本比率2%の上乗せを要求されています。これは、JPモルガン・チェース(2.5%)につぐ水準であり、それだけ世界的に重要な銀行と認識されていることがわかります。

英国株(イギリス株)の源泉徴収は0%であり、配当金生活に向いている

確定申告で外国税額控除をすれば、源泉徴収分は戻ってきますが、その金額は負担している所得税に依存するため、所得税の負担が少ない場合は全額戻ってくるとは限りません。その点を踏まえると、英国株(イギリス株)は、セミリタイアして配当金生活をするうえで向いているといえます。

マイナス要因

世界的な低金利で、今後も「利ざや」が確保できるか、不透明感が強い

世界的な低金利状況が続いています。オセアニア圏のオーストラリア、ニュージーランドの政策金利はともに1%という史上最低の水準ですし、利上げを続けていたアメリカも2019年に入って利下げに転じ、さらなる利下げが予想されています。「利ざや」の縮小は、銀行の収益を悪化させる要因になりそうです。

Fintech(フィンテック)の急速な進展による、既存の銀行ビジネスの破壊

近年では、金融(Finance)と技術(Technology)を融合した、フィンテックFintech)の動きが盛んです。家計簿アプリや、AIによる資産運用サービス、決済サービスなどが展開されており、その多くはIT企業によって提供されています。

現時点では、住宅ローンや企業向けの融資業務など、比較的高額なものについては、銀行がまだまだ存在感を発揮していますが、将来的にはこうした領域にまでIT企業が侵食してくる可能性もないとは言えません。

私の保有状況・所感

私はHSBCを個別株で保有しています。

HSBCは、屈指の高配当株としてずっとマークしてきた株でした。利回りが7%を超えたタイミングで、新規購入に至りました。

銀行株のPER(株価収益率)は割安に据え置かれており、全体的に高配当です。日本のメガバンクも配当利回りが4〜5%台と高水準になっています。

背景には、Fintechの進展による、既存の銀行ビジネスへの侵食・破壊といった懸念もあると思います。リーマン・ショック前の業績を回復できていない銀行が数多くあることも、中々銀行株に強気になれない理由の一つでしょうか。

ちなみにバフェット氏は、ここに来て銀行株の保有比率を拡大しているようです。

銀行業は、人々のお金を管理するという性質上、数多くの規制がなされています。それが銀行業としての自由度を下げている反面、その規制によって銀行業が守られている。もしくは別業界の他社が本格的に参入しにくいという側面があります。

今後も少しずつ銀行の業務は侵食されていくでしょうが、銀行(特にメガバンク)の牙城はそう簡単には崩れないのではないかと思っていますし、リスクを背負ってでも7%の配当利回りであれば投資妙味があると感じました。

以下、関連記事です。

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