ゆーたん@東大卒のセミリタイア物語♪

米国株(アメリカ株)中心の高配当株式投資で経済的自由・セミリタイア(FIRE)を目指す、一人の女性の物語♪

銘柄分析

【BP】~原油流出事故からの再起を図る、高配当の総合エネルギー企業♪~

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ゆーたんです♪

世界最大級の総合エネルギー企業であるBPの銘柄分析です♪

BPってどんな会社?

BP(British Petroleum、ティッカー:BP)は、イギリスのロンドンに本社を置く、石油や天然ガス事業などを手掛ける総合エネルギー企業です。

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(Image By:Shutter Stock)

BPは、石油・ガスの探査・開発(上流部門、Upstream)から精製・販売(下流部門、Downstream)までを一貫して手がけるスーパーメジャー(国際石油資本)の一角になります。

収益は約3,037億ドル(約33.2兆円、2018年)で、Fortune「Global 500」によると世界第7位となっています。スーパーメジャーの中では、Royal Dutch Shell(ロイヤル・ダッチ・シェル)についで2番目です。

収益高世界TOP10のうち、何と6社が石油関連企業になっています。石油というマーケットがいかに巨大であるかがわかりますね。

BPといえば、忘れてはならないのが2010年のメキシコ湾原油流出事故です。メキシコ湾で原油掘削施設が爆発し、約500万バレル(約67.6万t)もの原油が海に流出、環境への悪影響はもちろん、作業員11名が命を落とす事態となってしまいました。

史上最大の原油流出事故で、被害補償、政府への支払い、環境の復元などの事故関連の費用は650億ドル(約7.1兆円)以上となっています。この1件で、BPの社会的信用は大きく傷つきました。またこのような痛ましい事故が起こらないことを願うばかりですね。



BPの業績

※グラフはIRデータより作成。

収益、営業利益、純利益

BP_Revenue_2008-18 メキシコ湾原油流出事故の影響で、2010年の営業利益・純利益が赤字となっています。2015年も再度赤字になっていますが、これは原油安の影響のほか、アメリカ連邦政府などと和解し、巨額の和解金費用を計上したことが影響しています。

原油安が落ち着くにつれて、業績も回復傾向にありますが、原油価格に大きく左右されるビジネスであることは間違いなさそうですね💦

BPの部門別収益(2018年)

BP_Revenue_Segment_2018

下流部門(Downstream)が収益の約8割を占めています。上流部門(Upstream)は2割弱です。この傾向はここ数年変化はありません。

BPの部門別営業利益

BP_OperatingIncome_Segment_2018

部門別営業利益のグラフをみると、原油価格の変動に応じて、Upstream(上流部門)の営業利益が大きく変動していることがわかります。ちなみにRosneft(ロスネフチ)とは、ロシア最大の国営石油企業であるロスネフチとの共同事業から得られた利益を指しています。

上流部門は、探査・開発した石油やガスが高く売れれば売れるほどよいですから、原油・天然ガス価格が高ければ高いほど有利になります。利益の変動をみてもわかるように、価格変動の影響を大きく受けるビジネスです。

逆に下流部門は、精製・販売を行うためには、石油やガスを安く仕入れればよいですから、原油・天然ガス価格が低ければ低いほど有利です。しかし、上流部門ほど、価格変動の影響を受けるわけではありませんし、利益率も高くはありません。

上流部門が収益に占める割合は小さいものの、純利益に大きな影響を与えることから、「原油価格が高いほど有利」という構図は変わりません。

エネルギー株は、年による業績の変化が激しく、単年度だけ見ていては、全体のトレンドを見誤る恐れがあります。そこで、2014~18年までの営業利益に占める各部門の割合を算出してみました。BPでは、上流部門と下流部門で営業利益をほぼ分け合っています。

BP_OperatingIncome_Segment_Ave2014-18



EPS、BPS、ROE、株式数

BP_EPS,BPS,ROE_2008-18

業績の停滞を反映して、EPS、BPSともに横ばいとなっています。

BP_Shares_2008-18

株式数はほぼ横ばいであり、自社株買いはほとんど行っていないようです。基本的には配当で株主に還元しようという姿勢がみられますね✨

キャッシュフロー

BP_CF_2008-18

営業CFマージン(営業CF/収益)は一桁台であり、同業のエクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェルにはやや劣ります。フリーCFが赤字の年が多いのも懸念材料です。

BPの配当

2010年のメキシコ湾原油流出事故の影響もあって、3四半期連続の無配となった結果、2010年の配当金が大幅減配となりました。その後、配当金は回復傾向にあるものの、2009年以前の水準には戻っていません。

配当性向のグラフが所々途切れていますが、それはEPSが赤字、もしくはわずかな黒字で、算出不能となっているためです。2014年以降は、配当性向がほとんど100%を超えている状況です。なかなか厳しいですね💧

BPの株価チャート

S&P 500との比較(1968/1〜)

BP_Chart_1977-2019

BPの株価は、1968年以降から現在までで約19倍になっています。リーマン・ショックまでは長期的に右肩上がりの傾向を示していましたが、2010年以降はおよそ30~50ドルの間でレンジを形成しています。メキシコ湾原油流出事故以降、株価はさえません。

配当利回りは、6.50%(2019/9/15現在)と魅力的な水準になっています✨

S&P 500との比較では、2010年頃まではほぼ同じような値動きでしたが、2010年代に入ってBPの株価が低迷する一方で、S&P 500の株価が大きく伸び、かなりの大差がついてしまっています。配当を考慮したとしても、とても太刀打ちできない差ですね。



まとめ

エクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェルなど他の石油関連企業とも重複する面が多いですが、再掲しますね。

プラス要因

原油消費量自体は今後も緩やかに増加が見込まれる

石油業界の将来を心配している方も多いと思います。確かに石油など化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトは進んでいます。しかし、IEA(国際エネルギー機関)の報告書によれば、原油消費量自体は2040年まで緩やかながら増加が見込まれています。

先進国のエネルギー消費量が横ばいもしくは減少していっても、発展途上国のエネルギー消費量は今後も増加していくことが予想されているからです。少なくとも、今後20~30年で原油消費量が大きく減少するという事態は想定しにくいです。とはいえ、安価なシェールガスの存在もあり、原油価格が以前のように100ドル超で推移する可能性は低そうですが💧

倒産リスクはそこまで高くない

長期投資を考えるときに、最も怖いのが倒産リスクです。特にBPの場合は7兆円以上とも言われる巨額の事故対策費用が気がかりですよね。

原油流出事故でBPの財務は大きく傷つきました。自己資本比率は35%程度ですが、D/E ratio(負債資本倍率)は2009年の0.25倍から、2018年には0.57倍まで上昇してきています。とはいえ、自己資本比率やD/E ratioの水準自体はそれほど危険水域ではありません(ただし、同業他社よりは高水準です)。

それに、現金及び現金同等物は、事故前の2009年時点では83億ドルでしたが、資産売却により、2018年時点では225億ドルと逆に増加しています。米連邦政府などへの和解金の支払い(年平均約11億ドル)は残っていますが、BPのキャッシュフローからすればそれほど大きな額ではなく、あまり倒産リスクを気にかける必要はないでしょう。

マイナス要因

再生可能エネルギーの普及具合が見通せない

プラス要因①でも書きましたが、この先再生可能エネルギーの普及は確実に進んでいくでしょう。IEAの報告書はあくまでも予測の数値であり、温暖化対策が急速に進展すれば、当初の予想よりも早く原油消費量がピークを迎える可能性があります。その場合、株価が低迷することは必至な情勢です。

ESG投資の潮流で石油関連銘柄が外されている

株式の需給面でみると、ESG投資がマイナス要因になります。ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の三つの観点から、基準を満たす企業に投資していくということです。環境に悪影響を与えるとして、石油関連銘柄をポートフォリオから外す機関投資家(金融機関、保険会社、年金基金など)も出てきているようです。

極めて大きな資金を運用する機関投資家の資金が流入しないとすれば、株価には確実にマイナスの影響をもたらすでしょう。業績のわりに、株価が割安のままで放置されるということも十分に考えられます。

私の保有状況・所感

私はBPを保有していません。既にエクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェルを保有しており、ETFでもエネルギーセクターを結構な割合で保有しているためです。

エクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェルと比較すると、メキシコ湾原油流出事故の影響もあって、投資対象としてはやや優先度が下がるかなというのが正直な感想です。

石油関連銘柄というのは、もちろん各社それぞれ微妙に異なる部分はありますが、全体的な傾向として、収益・利益が原油価格に大きく左右される点は変わりません。特に近年は、原油価格の低迷、再生可能エネルギーの普及、ESG投資の潮流と、石油関連銘柄には逆風ならぬ突風が吹いている状況であり、株式市場における存在感も大きく低下しています。

そういう状況だからこそ投資妙味があると私は思っています。自分が生きているであろう間は、石油の需要が急速に減ることはないだろうと考えていて、配当も持続できると考えているからです。高配当で割安感があり、株主還元も手厚い石油関連銘柄自体への投資は続けていこうと思っています♪

以下、関連記事です。

スーパーメジャーのエクソンモービルに関する銘柄分析記事です。財務健全で30年以上連続増配を達成しています♪


スーパーメジャーのロイヤル・ダッチ・シェルに関する銘柄分析記事です。ドルベースでの配当を増やすことを掲げており、株主還元意識の強い企業です♪

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