【VDC】~景気後退期に強みを発揮する、生活必需品セクターETF!~

【更新情報】(2019/12/31)
2019年の配当金データ等、最新情勢を反映♪

ゆーたんです♪

生活必需品セクターETFであるVDC(Vanguard Consumer Staples ETF、バンガード・米国生活必需品セクターETF)について、分析します♪

目次

VDCってどんなETF?

アメリカ株式市場のうち、生活必需品セクターの銘柄を組み入れたETFです。提供しているのは、米Vanguard(バンガード)社です。Vで始まっているので、何となくイメージできますね♪

生活必需品セクターは、ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』によれば、1957~2003年のトータルリターンは13.36%となっており、S&P 500の10.85%を大きく上回り、全セクター中で2番目となっています。また、景気後退期でもそれほど株価が下がりにくい傾向があり、米国株投資家の中でも大変人気があるセクターです。


(Featured image by:Shutterstock)

VDCの基本情報

銘柄数93
ファンド総資産額54億ドル(約5,890億円)
実績PER26.1倍
配当金(分配金)(直近12か月実績)3.94ドル
配当利回り(直近12か月実績)2.44%
経費率0.10%
2019年11月末日、分配金利回りは12月30日現在(出典:Vanguard HPより作成)

銘柄数は全セクターのなかでもかなり少ないです。また、実績PERは、安定した収益が見込める生活必需品セクターだけあって、高めの数値になっていますね。経費率は近年は0.10%の水準で推移しています。

VDCの構成上位銘柄

1Procter & Gamble Co.(P&G)家庭用品14.7%
2Coca-Cola Co.(コカ・コーラ)清涼飲料10.2%
3PepsiCo Inc.(ペプシコ)清涼飲料9.0%
4Walmart Inc.(ウォルマート)スーパーマーケット8.1%
5Philip Morris International Inc.(フィリップ・モリス)たばこ4.4%
6Costco Wholesale Corp.(コストコ)スーパーマーケット4.4%
7Altria Group Inc.(アルトリア)たばこ4.3%
8Mondelez International Inc. (モンデリーズ・インターナショナル)包装食品・肉4.0%
9Colgate-Palmolive Co.(コルゲート・パーモリーブ)家庭用品2.8%
10Walgreens Boots Alliance Inc.(ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス)ドラッグストアチェーン2.6%
2019年11月末現在。太字はダウ平均工業株30種採用企業。(出典:Vanguard HPより作成)

日本に進出している企業も多く、知名度の高い有名企業が並んでいますね。特に組み入れ割合1位~5位、7位の銘柄は、個別株として保有している米国株投資家の方も多くいると思います。

組み入れ割合6位のコストコは、会員制のディスカウントストアで、倉庫のような店舗形態が特徴的です。

組み入れ割合8位のモンデリーズ・インターナショナルは、お菓子会社です。ガムの「クロレッツ」「ホールズ」、ビスケットの「オレオ」「リッツ」などが著名なブランドです。

組み入れ割合9位のコルゲート・パーモリーブは、家庭用品の中でも、歯磨き粉やせっけん、洗剤などに強みをもつ企業です。

銘柄数が少ないため、上位10銘柄で60%を超えていますETFとはいえ、P&Gやコカ・コーラだけで全体の4分の1近くを占めるため、その動向には注意しておいたほうがよさそうです。

VDCのサブグループ比率(上位8つ)

1家庭用品22.8%
2清涼飲料20.7%
3包装食品・肉17.3%
4スーパーマーケット12.8%
5たばこ9.0%
6パーソナル用品3.7%
7食品流通3.2%
8蒸留酒・ワイン2.7%
2019年11月末現在(出典:Vanguard HPより作成)


VDCの配当金(分配金)推移

VDC_Distribution_2008-19r2

2014年までは年1回の配当で、2016年から四半期ごとになりました。他のセクターETFの多くが2009年に減配となるなかでVDCは増配を達成しているのが特徴的です。2019年の配当金は3.94ドルと、前年比で+8.0%の増配となりました。

増配率は、年によってかなりばらつきがあるようですが、基本的には右肩上がりの傾向を示していますね。年平均増配率(2005~19)は約13.1%とかなりの高水準です✨

VDCの株価チャート(2004/1~)

VDC VS S&P 500

VDC_Chart_2004-191229

VDCが設定されたのは2004年1月26日で、設定来のリターンは+219.68%となっています。同期間のS&P 500は+186.44%ですから、それよりも上回っていますね✨

リーマンショックの落ち込みが、S&P 500が約5割程度であったのに対し、約3割程度と少なかったことが効いています。直近5年はGAFAに代表されるハイテク株が大きく株価を伸ばす中で、生活必需品セクターが不調で差が詰まりましたが、それまでの貯金が効いている感じですね。

もっとも、配当利回りは12月30日時点で2.44%と、そこまで高配当というわけではありません。高配当のたばこ株もありますが、ポートフォリオの大きな割合を占めるPGやKOの配当利回りは2%台にとどまります。また、コストコのように、配当利回りが1%に満たない株や、モンスタービバレッジ(エナジードリンク)など、無配の株もあるため、配当利回りは控えめになっています。

VDC VS S&P 500(トータルリターン)

VDC_TR_2004-19r2
税金や取引手数料は考慮しない(出典:Vanguard HPより作成)

設定来のトータルリターンで見ても、VDCがS&P 500を上回っています。もっとも、2008年以降のトータルリターンではS&P 500がVDCを上回っているので、リーマン・ショック時の落ち込みの少なさが、現在でも大きな差となって表れている形です。設定来のリターンは年率+9.9%です。

まとめ

生活必需品セクターについては、アメリカ最大の企業であるP&Gの株価が低迷していたこともあり、2017~18年前半ごろに悲観論が強まりましたが、18年後半以降、P&Gが息を吹き返すにつれ、どこかに吹き飛んでしまったように感じます。

もっとも、たばこ株がさえない動きとなっているため、VDC全体で見ると、それほど驚異的な伸びというわけではありません。

アメリカの景気拡大期は史上最長を更新中であり、生活必需品セクターもややパフォーマンスは劣後してきていますが、いつまでも好景気が続くことも考えにくいです。

将来のことは分かりませんが、不景気にあっても安定した消費が見込める生活必需品セクターは、景気後退期において、S&P 500よりも上回るパフォーマンスを見せる可能性が高いといえるのではないでしょうか。長期投資の目線で見れば、おすすめできるETFです✨

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