預けたはずのお金が消えていく?~なぜ資産運用、投資をする必要があるのか~

【更新情報】(2022/2/11)
消費者物価指数のグラフを2021年のデータに更新し、記述も最新の情勢を反映しました♪

ゆーたんです♪

2019年6月には、「老後に2,000万円必要」などとした金融庁の報告書が世間を騒がせました。そして、その報告書では、お金を運用によって安定的に増やしていく資産運用、預貯金ばかりでなく、株式や債券、不動産などに投資していくことの重要性が語られています。

投資家の皆さんにとっては「何をいまさら」という感じかもしれませんが、あまり資産運用、投資をしてこなかった人にとっては「そろそろ自分も資産運用や投資をしなきゃ…」もしくは「頑張ってお金を貯めなきゃ…」と思った方も多いと思います。

お金を貯めること自体は、将来に向けた備えという意味でも、とても大切なことです。しかし、預貯金という形で貯めこんでいても、今日の日本においては、ほとんど金利がつきません。

そればかりか、現在の日本銀行の金融政策は、物価が持続的に上昇するインフレーション(インフレ)を志向しています。今後インフレが進んでいけば、どんどん預貯金の価値は目減りしていくことになります。そのことについて、少し書いてみますね。

目次

現金は本当に安全なのか?

現金というと、どんなイメージをもつでしょうか。

投資の世界では、現金は安全資産といわれます。確かに現金は、株式のように常に価格が変動するわけではありません。株式を100万円購入しても、1年後にはいくらの価値になっているかわかりませんが、現金で保有している100万円は、1年後も100万円のままです。

しかし、5年、10年というように長期スパンでみると、現金は安全資産どころか、保有しているだけでだんだん資産が減っていく「最悪」な資産です。

The dematerialization of dollar money_image
(Feature Imaged By:Adobe Stock)

世界の多くの国では、緩やかなインフレを目指しています。物価が上昇していくということは、例えば、ある年では100円で買えたモノが、5年後には120円出さないと買えなくなります。これがインフレです。お金の価値が下がっていくのですから、まさにお金が「消えていく」といえるのではないでしょうか。

近年の日本はお金が「消えない」国だったけれど…

もっとも、日本においては1990年代後半~2000年代前半にかけて、物価が持続的に下落するデフレ状態に陥りました。近年では、デフレ状態から脱却しつつありますが、長い目で見ると、下のグラフにあるように、1990年代後半以降、物価は横ばいで推移しています。

消費者物価指数の推移(1955〜2021)

※1955年=100(出典:総務省より作成)

上のグラフを見ていただくとわかるように、この60年余りで消費者物価指数は6倍近くになっています。つまり、お金の価値はこの60年余りで6分の1程度になっているということです。

もっとも、ここ25年でみると、ほとんど消費者物価指数は上昇していませんので、お金の価値は保たれており、お金が「消えなかった」ことになります。その分給料も上がっていませんけど💦

しかし、このトレンドも転換を迎えようとしています。2021年通年の消費者物価指数は前年比-0.2%でしたが、これは携帯電話会社大手が格安プランを導入した影響によるものです。昨年半ば以降、円安の進行と原油高もあって、原材料費が大きく上昇してきています。2022年の消費者物価指数はおそらく前年比で大きくプラスになるのではないでしょうか。

象徴的な事例としては、駄菓子のうまい棒が2022年4月に42年ぶりに値上げ(10→12円)することでしょうか。その他にも、コカ・コーラなどの飲料や、カップヌードルなど、食品・日用品の値上げが少しずつ行われています。

また忘れてはいけないのが、日本銀行による異次元の金融緩和です。日本銀行は、2013年以降、長引くデフレから脱却するために、消費者物価指数の前年比2%上昇を目指して、市場に大量にお金を供給する政策を現在に至るまで続けています。

2%ということは、それまで100円で買えたモノが、1年後には102円でないと買えないことになります。これだけみると、あまり実感が湧かないかもしれませんが、よくよく考えてみると、これは毎年2%増税しているのと同じことです。今の定期預金の金利は雀の涙ほどですから、何とも恐ろしい話ですね💧



2%の物価上昇が続いたら?

CPI_2%Simulation

2%というと、1年単位でみれば大したことないように思うかもしれませんが、それが何年にも積み重なると、かなりのインパクトがあります。

上のグラフを見ていただくとわかるように、2%の物価上昇が35年間同じペースで続いたと仮定すると、物価が2倍になります。すなわち、お金の価値がほぼ半分になってしまいます💦

少しずつ物価は上昇傾向にありますが、日本銀行は2%の物価上昇が安定して達成されるまで異次元緩和を続けることでしょう。

その背景には膨れあがる日本の借金があります。日本の借金は今や1000兆円を超える水準ですが、インフレ率2%を続けていけば、物価も上がっていくので、額面は1000兆円のままでも、借金の価値を目減りさせることができるからです。

このようにインフレは、豊かな人(資産をもつ人)から貧しい人(資産をもたない人)への税金であるとも言い換えることができます。



インフレに強い資産とは?

今まで見てきたように、ここ2~30年の日本は、デフレ傾向で、日経平均株価の低迷もあって、「株式よりも現金を持っていたほうが有利ではないか?」といわれるくらい特殊な状況でした。しかし、この先はインフレが進むことが予想され、現金を多く持っていても不利になる時代がやってくるでしょう。

こうしたインフレに強い資産の代表例は株式不動産です。株式の場合は、物価の上昇を通じて、企業の収益が上昇します。企業の収益が上昇すれば、株価もそれを反映して上昇していきます。また、不動産の場合は、物価が上昇するということは、家賃も上昇していくことになるので、家賃収入が物価上昇に見合って増えていきます。

今はまだそれほどではないかもしれませんが、将来的に株式や不動産に資産を振り分けている人と、そうでない人とでは大きな格差が生じていくと思います。

だからこそ、私は、資産運用、投資を始めました。もちろん一口に投資といっても、株式で運用するのか、不動産を始めるのか、債券で運用するのか…そのスタイルは人それぞれです。

その中で、私が実践している手法は高配当株への投資になります。なぜ私が高配当株への投資をメインとしているかについては、この記事をご覧いただけたらと思っています♪

The dematerialization of dollar money_image

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次