【VTV】~逆襲はあるか?アメリカ市場のバリュー株に投資できるETF!~

【更新情報】(2020/1/18)
2019年12月末の最新データを反映♪

ゆーたんです♪

アメリカ市場のバリュー株に投資できるVTV(Vanguard Value ETF、バンガード・米国バリューETF)について分析します♪

目次

VTVってどんなETF?

Value_Stock_image
(Image By:Adobe Stock)

アメリカのバリュー株に連動するインデックス(CRSP US Large Cap Value Index)に連動することをめざすETFで、世界第2位の資産運用会社の米Vanguard(バンガード)社によって提供されています。

バリュー株は、よく「割安株」とも称されます。何をもって割安とみなすかは難しいのですが、一般的には株価を1株あたりの利益(EPS)で割った指標であるPER(株価収益率)や、株価を1株あたりの純資産(BPS)で割った指標であるPBR(株価純資産倍率)で見たときに、割安である株を指します。

PERが割安であるということは、すなわち、高配当であることも多く、バリュー株と高配当株の範囲は似通る部分も多くあります。しかし、次に紹介する構成上位銘柄を見てわかるように、必ずしもバリュー株だから高配当株というわけではありません。

VTVの基本情報

銘柄数332
運用資産残高559億ドル(約6.15兆円)
実績PER18.2倍
分配金(配当金)
(直近12か月実績)
3.00ドル
分配金(配当金)利回り2.50%
経費率0.04%
設定日2004/1/26
2019年12月末現在(出典:Vanguard HPより作成)

あまり日本ではなじみのないETFですが、運用資産残高(AUM)で第12位にランクインしている人気あるETFです。

VTVの経費率は0.04%となっています。100万円投資しても1年間の経費はわずか400円です。2017年以前は0.08%でしたが、2017年に0.06%、18年に0.05%、19年に現在の経費率となっています。3年連続で経費率が引き下げられている点が何よりも素晴らしいですね✨



VTVの構成上位銘柄

1Berkshire Hathaway Inc.(バークシャー・ハサウェイ)金融3.2%
2JPMorgan Chase & Co.(JPモルガン・チェース)金融3.0%
3Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)ヘルスケア2.8%
4Procter & Gamble Co.(P&G)消費財2.2%
5Exxon Mobil Corp.(エクソンモービル)エネルギー2.1%
6AT&T Inc.電気通信2.1%
7Bank of America Corp.(バンク・オブ・アメリカ)金融2.1%
8UnitedHealth Group Inc.(ユナイテッドへルス)ヘルスケア2.0%
9Walt Disney Co.(ディズニー)消費者サービス1.9%
10Intel Corp.(インテル)テクノロジー1.9%
2019年12月末現在(出典:Vanguard HPより作成)、太字はダウ工業株30種。リンク先は銘柄分析記事へ

高配当株式ETFであるVYMと構成上位銘柄はかなり似通っていますね。VTVの構成上位10銘柄のなかで、VYMに含まれていないのは、バークシャー・ハサウェイとユナイテッドへルス、ディズニーだけです。

バークシャー・ハサウェイの予想PERは22倍、ディズニーは26.6倍です。S&P 500のPERも23倍台ですが、ここ最近の株高でPERも割高になりつつありますね。

VTVのセクター比率

VTV_Sector201912
2019年12月末現在(出典:Vanguard HPより作成)

S&P 500と比較しても、それほど顕著な偏りはありませんが、金融、ヘルスケアセクターの割合がS&P 500と比較すると高くなっている点に特徴があります。

ヘルスケアセクターが多いのはちょっと意外ですが、金融セクターは、リーマン・ショックの後遺症を投資家が引きずっているせいか、PERが10~13倍程度の株が多くあるので納得です。また、バリュー株が少ないであろう、テクノロジーセクターの割合が低くなっているのにも納得できますね。



VTVの配当金(分配金)推移

VTV_Dividend201912

配当金は、2007年をピークに減少トレンドに入り、2010年には2007年比で約3割減少しましたが、その後は順調に右肩上がりとなっていますね。年平均増配率(2005~19)は+5.2%です✨

ただし、VYMと違ってバークシャー・ハサウェイやディズニーなど、無配だったり、配当利回りがそれほど高くない株も含んでいたりするため、配当金利回りは2%台半ばという状況で、インカムゲインめあてで保有するには、ちょっと物足りないかもしれません。

VTVの株価チャート(2004/1~)

VTV VS S&P 500(2004/1~)

VTV_Chart200118

VTVの株価の上昇率は、リーマン・ショック前まではS&P 500を上回っていましたが、リーマン・ショック後の下落がきつく、そこでほぼ横並びとなり、2013年以降、じわじわとその差が開いてきています。GAFAに代表されるハイテク株が大きく値上がりしたからですね💧

VTVの株価は、2018年1月に、一時113ドル台の高値を付けて以降、2018年9月、19年7月、9月と長らく113ドルの壁に阻まれてきましたが、10月にブレイクし、高値を更新していますね✨

VTV VS S&P 500(トータルリターン)

VTV_TR201912
税金や取引手数料は考慮せず(出典:Vanguard HPより作成)

トータルリターンはほぼ横並びでしたが、2019年のパフォーマンスで大きな差がつき、S&P 500にやや引き離されていることがわかります。設定来のトータルリターンは年平均で+8.5%です。

しかし、2013年以降、ハイテク株に代表されるグロース株(成長株)の株価が大きく上昇していることを踏まえると、これくらいの差でとどまっているのは、十分健闘の部類に入ると思っています✨



まとめ

アメリカ市場のバリュー株に投資できるETFであるVTVですが、トータルリターンはS&P 500にやや劣り、配当金利回りもS&P 500よりは高いけれど、2%台半ばにとどまっており、キャピタル・ゲインを狙うにもインカム・ゲインを狙うにも、現状ではやや中途半端という感じがあることは否めないETFです。

しかし、下の記事にもあるように、先進国市場でみた数値ではありますが、バリュー株とグロース株のパフォーマンスの差は、2019年時点で、ITバブル期並みに広がっているということです。今後、この差が縮まっていけば、バリュー株も大幅な上昇が期待できるかもしれない…そしてバリュー株と高配当株は似通る部分が多いので、高配当株も上昇するかもしれない…ということを述べて、結びとしたいと思います♪

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