ゆーたんです♪
アメリカ株式市場を除く、世界の株式市場をフォローするVXUSについて分析します♪
VXUSってどんなETF?
(Featured Image by:ShutterStock)
VXUS(Vanguard Total International Stock ETF、バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF)は、米バンガード(Vanguard)社が提供しているETFです。
アメリカ株式市場以外の世界の株式市場の約98%をカバーするインデックス(FTSE Global All Cap ex US Index)に連動することをめざしています。つまり、アメリカを除く世界の株式市場にまるごと投資できるETFということになりますね♪
VXUSの基本情報
銘柄数 | 7843 |
運用資産残高 | 460億ドル(約6.33兆円) |
実績PER | 11.1倍 |
EPS成長率(過去5年間) | 9.6% |
配当金(分配金)(2021年実績) | 1.9678ドル |
増配率(5年平均、2017〜21) | 6.1% |
増配率(10年平均、2012〜21) | 3.9% |
トータルリターン(5年)※2022年7月末 | 2.8% (参考:S&P 500 12.8%) |
トータルリターン(10年)※2022年7月末 | 5.5% (参考:S&P 500 13.8%) |
経費率 | 0.07% |
設定日 | 2011/1/26 |
銘柄数は7,000を超えています。これだけの銘柄に分散投資できる一般の投資家は、まずいないでしょう。手軽に分散投資ができるところに、ETFの優位性があります。
設定が2011年と比較的新しいETFですが、運用資産残高は順調に増えています。新興国市場に投資するVWOと、アメリカ以外の先進国市場に投資するVEAを合わせたようなETFで、いずれのETFも人気があるので、VXUSの人気が出るのも頷けます。
経費率は0.07%です。100万円投資しても1年間の経費はわずか700円です。2019年2月に0.11%から0.09%へ、19年末には0.08%へ、21年末には現在の水準にまで下がりました♪
アメリカ株式市場に投資するVTI(経費率0.03%)とあわせて、世界の株式市場全体への投資が可能です。バンガード社からは、VTという世界の株式市場全体に投資するETF(経費率0.07%)もあるのですが、VTI+VXUSに投資したほうが経費率を下げることができます。
しかし、管理の手間や手数料の問題もあるので、細かく国別の保有比率を調整したいという方以外であれば、VT1本でも問題ないと思います♪
VXUSの国別比率
アメリカ株式市場以外ということで、日本が最も多い割合を占めています。イギリスが次いで2番手、意外にも中国は3番手です。こうみると、日本の株式市場の影響力もまだまだ大きいですね♪
VXUSの構成上位銘柄
1 | Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd.(TSMC、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング)【中国・台湾】 | 情報技術(半導体) | 1.4% |
2 | Nestle SA(ネスレ)【スイス】 | 生活必需品(肉・包装食品) | 1.2% |
3 | Tencent Holdings Ltd.(テンセント)【中国】 | 情報技術(インタラクティブメディア&サービス) | 1.0% |
4 | Roche Holding AG(ロシュ)【スイス】 | ヘルスケア(医薬品) | 0.9% |
5 | Alibaba Group Holding Ltd.(アリババ)【中国】 | 一般消費財(インターネット小売) | 0.8% |
6 | Samsung Electronics Co. Ltd.(サムスン)【韓国】 | 情報技術(ハードウェア) | 0.8% |
7 | AstraZeneca plc(アストラゼネカ)【イギリス】 | ヘルスケア(医薬品) | 0.8% |
8 | Shell plc【イギリス】 | エネルギー(統合された石油・ガス) | 0.7% |
9 | Toyota Motor Corp.(トヨタ自動車)【日本】 | 一般消費財(自動車) | 0.7% |
10 | ASML Holdings NV(ASML)【オランダ】 | 情報技術(半導体製造装置) | 0.7% |
日本でも知名度の高い超大企業が並んでいます。
1位の台湾セミコンダクター・マニュファクチャリングは、略してTSMCとも呼ばれる、世界最大級の半導体製造メーカーです。
一般的な知名度は高いとはいえませんが、クライアントからの依頼を受けて半導体を製造するのみで、自らのブランドで半導体を設計・製造・販売しない点が特色となっています。Appleの自社製チップ(M1)もTSMCが生産しています。
2位のネスレは、世界最大級の飲料・食品会社です。コーヒーのネスカフェシリーズ、麦芽飲料「MILO(ミロ)」、チョコレート菓子の「KitKat(キットカット)」で有名ですね。
3位のテンセントは、SNSやゲーム事業を手掛けている中国の大手IT企業です。
4位のロシュ、7位のアストラゼネカは世界的な製薬企業です。製薬業界内で、ロシュは世界2位、アストラゼネカは世界10位の収益を誇ります(2021年)。
5位のアリババは、企業向けに、商品の売り手と買い手をつなげるオンラインマッチングサイト「Alibaba」で急成長した企業です。また、QRコード決済サービスの支付宝 (Alipay)も展開していますね。
6位のサムスンは、韓国企業で、スマートフォンやテレビ、冷蔵庫などの家電を製造・販売しています。現代(ヒュンダイ)自動車と合わせて、韓国のGDPの約20%を占めるともいわれています。
8位はスーパーメジャーのSHEL(シェル)社、9位には、日本のトヨタ自動車が入っています。
10位のASMLは、一般的な知名度は高いといえませんが、世界最大級の半導体製造装置メーカーです。半導体製造に必要な各種装置を手掛けています。
もっともTOP10の企業をすべて足しても、全体の約10%にも達していません。それだけ分散が図れていることになりますね✨
VXUSのセクター比率
※2022年6月末現在。セクター分類はICBベンチマークによるため、電気通信などのセクター分類が一部異なります。(出典:Vanguard HPより作成)
S&P 500と比較すると、金融、資本財セクターの割合が高くなっています。反対に、情報技術セクターの割合が低くなっています。金融セクターは、景気の影響を大きく受けるため、不況時はVXUSの株価も大きく下落する可能性があることに注意したいですね。
VXUSの配当金(分配金)推移
配当金はほぼ横ばいともいえる状況ですね。2020年のコロナショックで大きく配当金も減少しましたが、2021年は一転して急上昇しています✨
10年平均増配率(2012~21)は+3.9%とやや寂しい状況です。ここ数年はドル高が進んでいるため、その影響も強く受けていると思われます。今後ドル安が進めば、配当金も大きく増加していく可能性もありますが、VTIやVYMと比較すると、どうしても見劣りしてしまいますね💦
VXUSのトータルリターン(2011/1~)
VXUS VS S&P 500
※2011年1月末~22年8月5日の配当込みリターン。税金や手数料は考慮しない
VXUSのトータルリターンはこの10年間で1.5倍にとどまり、S&P 500には大差をつけられてしまっています。設定来のトータルリターンは+3.6%にとどまっています。
将来のことは分からないとはいえど、これだけの差を見せつけられると、もはや「アメリカだけでいいんじゃない?」って思えるレベルですね💧
まとめ
VXUSは、2015年から保有していましたが、2019年3月にすべて売却しました。売却した理由については、以下の記事で詳しく書いています。
この10年の株価は確かに奮いませんでしたが、将来のことは分かりません。複数の主要通貨に対する為替レートであるドルインデックスは、2015年以降概ね90〜100で推移していますが、2007〜14年頃までは概ね72〜88の水準で推移していました。ドル高が是正されれば、VXUSの株価も大きく上昇していく可能性を秘めています。
米国株と比較すると、実績PERも低く、配当利回りも3%を上回る水準で推移しています。配当狙いでの保有も悪くないかもしれません。