セクター分類にはICBとGICSの2種類がある!~ETFに投資するうえでも要注意~

【更新情報】(2023/3/5)
ICBの新分類を反映して、記述をリライトしました。

ゆーたんです♪

弊ブログでは、ETFの分析記事を多数書いていて、その中で、セクター分類をまとめたグラフを載せています。

今まであまり説明してこなかったのですが、このセクター分類には大きく2種類があり、分類の仕方等が若干異なります。今日はその点について書いてみますね✨

目次

ICBとGICS~2種類のセクター分類~

ICB(Industry Classification Benchmark、業種分類ベンチマーク)は、イギリスに拠点を置く、FTSEインターナショナルが運用・管理を行っているセクター分類です。

Vanguard(バンガード)社のETF(VTI、VYMなど)のセクター分類は、このICBに基づいたものが多くなっています。

一方、GICS(Global Industry Classification Standard、世界産業分類基準)もあります。こちらは、アメリカの格付け機関S&P(Standard & Poor’s、スタンダード&プアーズ)と、株価指数を算出しているMSCI(Morgan Stanley Capital International、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が1999年に共同して開発したものです。

バンガード社でもVOOといったS&P 500に連動するETFはGICSを採用していますし、BlackRock(ブラックロック)社や、State Street(ステートストリート)社のETFは、すべてを確認してはいませんが、基本的にこのGICSを採用しているようです。なので、GICSのほうがメジャーですね。



ICBとGICSの違いはどこにあるの?

Sector_image
(Image By:Shutter Stock)

ICBの産業分類(Industry)は次の11種類となっています。

  • Financials(金融)
  • Technology(技術)
  • Health Care(ヘルスケア)
  • Consumer Staples(生活必需品)
  • Industrials(資本財)
  • Consumer Discretionary(一般消費財)
  • Energy(エネルギー)
  • Utilities(公益)
  • Basic Materials(素材)
  • Telecommunications(電気通信)
  • Real Estate(不動産)

GICSのセクター(Sector)分類は次の11種類となっています(なおICBは大分類を産業、小分類をセクターと呼んでいるのに対し、GICSは大分類をセクター、小分類を産業と位置付けているので、微妙に呼び名が違います)。

  • Financials(金融)
  • Information Technology(情報技術)
  • Health Care(ヘルスケア)
  • Consumer Staples(生活必需品)
  • Industrials(資本財)
  • Consumer Discretionary(一般消費財)
  • Energy(エネルギー)
  • Utilities(公益)
  • Materials(素材)
  • Communication Services(通信サービス)
  • Real Estate(不動産)

だいたい呼び名が似ていることもわかるように、共通する部分が多いのですが、細かい部分では結構違いもあります。

特に、違いが大きい部分は赤字で示したセクターであり、例えば次のような違いがあります。

  • デジタルプラットフォーマーの扱い:GoogleやMetaはGICSでは通信サービスですが、ICBでは技術に属します
  • データ処理会社の扱い:VisaやMastercardはGICSでは金融(情報技術から移動)ですが、ICBでは資本財に属します
  • メディア会社の扱い:DisneyやNetflixはGICSでは通信サービスですが、ICBでは一般消費財に属します


まとめ

セクター分散や偏りがないよう意識している投資家のみなさんも多いことと思います。個別株投資の場合はいいのですが、ETFに投資している場合は、ICBを基準としているETFと、GICSを基準としているETFが混在しているため、セクター別の保有比率が把握しにくくなっています💦

バンガード社のETFだけを保有しているのであればICB基準で把握すればよいかと思いますが、他社のETFも保有している場合には注意が必要です。バンガード社の公式サイトではICBを採用していますが(弊ブログも公式サイトのデータを優先しています)、必要でしたら、例えばETFdb.com(※リンク先はVYMに飛びます)を見れば、だいたいのイメージは掴めるかと思います。

ICBの旧基準は消費者向けのセクターを消費財と消費サービスで分類していたため、生活必需品か否かで分類するGICSとは大きく異なっていました。ICBが新基準に移行して、消費者向けのセクターがGICSと同様に生活必需品か否かで分類されるようになったため、以前より違いは小さくなりましたが、それでも情報技術や通信関連セクターで違いが残ります。

もっとも、そこまで神経質になる必要はないかと思っています。「こんな違いがあるんだな」くらいの認識で十分かなと✨

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