ゆーたんです♪
2019年10月のインフォシス(収益や利益を水増ししているという内部告発)、11月のウエストパック銀行(マネーロンダリング問題)など、保有株が相次いで不祥事に見舞われており、リターンもショボショボな私です(´・ω・`)…
改めて分散投資の重要性を痛感しています。今日はウエストパック銀行の不祥事について扱いながら、その件について書いてみようと思います✨
下落が続くウエストパック銀行(WBK)
ウエストパック銀行の業績、配当等の時系列データ、分析は以下の記事にまとめています♪


ウエストパック銀行(WBK)の株価は年初来でマイナスとなっていて、この1か月で10%以上も下げています。決算がよくなったこともありますが、ここに来て株価が下げているのは、マネーロンダリング問題が明るみに出てきたからです。
マネーロンダリング問題ってそもそも何?
(Featured image by:Shutterstock)
マネーロンダリング(資金洗浄)とは、簡単に言えば、犯罪行為によって得たお金を、架空・匿名・偽名口座等を使って、送金を繰り返すことにより、お金の出どころをわからなくしてしまう(=正当な手段で得たお金であると偽装すること)を指します。
このような行為を許してしまうと、犯罪組織がさらなる犯罪活動を行うための資金源となるため、各国政府・金融機関による対策が求められています。
もっとも、金融機関のマネーロンダリング問題は珍しいことではありません。以下の日経新聞の記事によれば、金融機関は、マネーロンダリングをはじめとする各種違反行為への罰金として年2兆円以上の支払いをしています。銀行自身の怠慢という面もあるのかもしれませんが、対策の難しさ、そして対策をしようと思えばするほどかかるコストの問題が重くのしかかっています💦

ウエストパック銀行の事例は?
Twitterではロイターの記事を紹介しましたが、もう少し掘り下げてみますね。大きなポイントは2つあると思っています。
違反件数の多さ
まず驚くべきは2,300万件という違反件数の多さです。
ちょうど2018年に、オーストラリアの4大銀行であるコモンウェルス銀行が、マネーロンダリング防止法の規定に違反したとして、7億豪ドル(約520億円)の罰金を支払っています。しかし、そのとき、違反とされた件数はわずか5.3万件でした。
ただ、今回はケタの数が違います。件数だけで見れば、400倍以上です。だからといって、罰金も400倍の2,800億豪ドル…とはさすがにならないかと思いますが(ウエストパック銀行の収益は200億豪ドルあまりですから、10倍以上の規模です)、10億豪ドルを超える罰金は十分に現実味がありそうです。
ウエストパック銀行の純利益(2018年)は68億豪ドルですから、純利益の1~2割相当にあたる金額です。結構な痛手です💧
児童の性的搾取案件が含まれているという事態の重さ
違反件数の大部分は、国際送金を適切に報告していなかったというものですが、それ以外にも、マネーロンダリングの事例として、児童の性的搾取案件も含まれているとのことです。こちらのほうが色んな意味で深刻ですね。
英語ですが、オーストラリアの公共放送局、ABCの記事が詳しいです。
ウエストパック銀行は、低コストで国際送金(ヨーロッパ圏、インド、フィリピン)が可能なサービス(Lite Pay)を設定していましたが、特にフィリピンというのは児童の性的搾取者が集う国として問題視されていました(日本人の校長先生が、以前逮捕されていましたね💦)
そして、低コストで国際送金が可能ということは、それだけ犯罪活動に使われやすいという側面も持ち合わせています。
本来であれば、サービスを提供する銀行は、犯罪活動に使われないよう、疑わしい人物による取り引きを検出し、規制をかけるシステムを構築すべきところでしたが、ウエストパック銀行は、そのシステムの構築を2018年6月まで怠ったということです💧
ウエストパック銀行の対策は?
ウエストパック銀行も、これだけの問題に対して手をこまねいているわけではなく、公式ホームページで対策を発表しています。
①Lite Payを廃止。児童の性的搾取にかかわる疑わしい取り引きを検出し、規制当局への迅速な報告、②金融犯罪の専門委員会の設置、外部の専門家に金融犯罪防止プログラムの策定を依頼、③児童の性的搾取を防止するために活動している、国際機関やNGO等への資金提供があげられています。
なお、一連の対策により、ウエストパック銀行は最大8,000万豪ドル(約57億円)の費用増を見込んでいると発表されています。
まとめ
国際送金の問題はまだしも、児童の性的搾取にかかわる取り引きをウエストパック銀行が見逃したというのは、重大な問題です。政府の要人から批判が上がり、CEOが辞任する事態になったのにもうなづけます。
だからこそ、ウエストパック銀行も児童の性的搾取を防ぐために、資金提供やサポートといった措置を発表していて、負のイメージの払しょくに必死なのだと思います。というか、この問題で静観を決めつけていたら会社がもたないでしょう…💦
問題が問題なだけに、株価はしばらく上値の重い動きが続きそうです。罰金がどのくらいの金額になるかは分かりませんので、状況を見守りたいですが、罰金額によっては、さらなる減配も想定されます。
ポートフォリオに占める割合が2.5%(以前は3%ありましたが、株価下落で割合が下がりました)とそこまで大きくないことや、各種対策を講じてきていることもあるので、すぐに売るという決断はしません。
もっとも、現状での新規・追加投資は、利回りが6.5%程度だということを勘案しても、ハイリスクだと感じています。
繰り返しになりますが、個別株への投資はリスクが大きいです。私は早期セミリタイアを目指す、投資が趣味という理由から個別株にも投資していますが、配当金生活を目指していて特に投資が趣味でないというのなら、多少時間はかかっても、VYMやSPYD、HDVといった高配当株式ETFを淡々と買い付けるのが精神的にも安定すると思っています。
個別株、特に高配当株に投資する場合は、徹底した銘柄分散が欠かせないと改めて強く思い知らされた次第です。ウエストパック銀行への投資については継続しますが、新規買い増しはせず、状況推移を見守ろうと思います✨