【IBM】2019年第4四半期決算を振り返る〜安心してホールドできるが、花開くにはもうしばらくかかりそう〜

ゆーたんです♪

今週の米国株ですが、私が保有しているIBMの第4四半期決算が発表されました。収益、EPSともに予想を上回りまして、時間外ですが、株価は上昇傾向です✨

Financial Statement_image
(Image by:Adobe Stock)

もちろん決算内容が良かったので、ホールドには違いないのですが、改めて数字を見てみるとまた違った景色が見えてきます。第4四半期の決算について振り返ってみますね。

目次

第4四半期決算ハイライト

IBMについては銘柄分析も書いています。初期に書いた内容なので、まだ不十分な面も多いです。近日アップデート予定です✨

(第4四半期決算)20192018前年比
収益(売上高)$217.8億$217.6億+0.1%
調整後EPS$4.71$4.87-3.3%

予想を上回ったのは大変喜ばしいことてすが、前年比で見ると、成長しているとは言い難いですね💦

明るい材料もあります。IBMが注力する部門であるクラウド&コグニティブソフトウェア(Watsonなど)が前年同期比で9%の増収となりました✨

そして、もう一つの明るい材料がクラウド事業(複数部門にまたがってます)の急伸です。前年同期比21%の増収となっていて、その収益は68億ドルということで、全体の30%強を占めるまでになっています。

なお、レッドハット(Red Hat)の収益は10.6億ドルと24%の増収となりました。第3四半期が19%でしたから、順調に収益が拡大していることがわかりますね♪

第3四半期の決算が悪かったので、心配しましたが、結果的には年間のEPS、調整後EPS、フリーCFもほぼガイダンスどおりにおさまりました。これぞ、IBMの底力です。

でも、これだけクラウド事業が伸びているというのに、収益や調整後EPSがあまり増えていないということは…もっとクラウド事業が伸びなければ、収益も調整後EPSも増えていかないんですよね…何ともハードルの高いミッションです💦

なお、IBMは、2020年のEPSを、最低でも10.57ドルと見込んでおり、調整後EPSについては、少なくとも13.35ドルと前年比で4%程度の成長を見込んでいます。



配当の持続可能性は?

IBMについては、値上がり益よりも、配当収入というインカムゲインを見込んで投資している人も多いと思います。「配当金の支払いが続けられるか?」という点から見てみますね。

配当EPS配当性向調整後EPS配当性向(調整後EPS)
2018年$6.21$9.5265.2%$13.8145.0%
2019年$6.43$10.5660.9%$12.8150.2%

純利益でみた場合も、特殊要因を除いた利益で見た場合も、配当性向の割合は5〜6割にとどまっているので、問題はありませんね。

レッドハットの買収により膨らんだ負債の圧縮を進めていて、自社株買いがかなり少なくなっています(第4四半期はゼロでしたので、株価も上がりにくくなっています)。

2019年の増配率は3.2%でした。今は$1.62の配当ですが、おそらく来期の配当は$1.67〜1.70あたりになるでしょうか。増配ペースはしばらく鈍化しそうですが、減配リスクは現時点では考えなくてよさそうです。



キャッシュフローはどうなの?

IBMの強みである「安定したキャッシュフロー」について見てみますね。

2019年2018年前年比
営業CF(第4四半期)$34.5億$41.2億-16.3%
営業CF(累計)$147.7億$152.5億-3.1%
フリーCF*(第4四半期)$60.3億$64.6億-6.7%
フリーCF(累計)$119.1億$118.8億+0.3%
*営業CFから設備投資および売掛金融資で調達した金額を除いた額

営業キャッシュフローはやや減少、フリーキャッシュフローは辛うじてプラスになっています。

とはいえ、キャッシュフローをベースに配当金支払い状況を見てみると、配当金支払いにあてているのは、フリーキャッシュフローの47.9%(昨年:47.7%)にすぎません。

債務の圧縮もしなければいけないのでこの数字だけを見て余裕があるとはいえませんが、ひとまず、前年並みのフリーキャッシュフローを確保でき、ガイダンスも達成できたので一安心ですね✨



まとめ〜IBMへの投資が報われるには時間がかかりそう〜

IBMの第4四半期の決算はよかったのですが、改めて振り返ってみると、クラウド事業が伸びているわりに、会社全体の収益・EPSが成長しておらず、IT企業他社と比較して、パンチ力不足の印象は否めません。

ついこの前、マイクロソフトの銘柄分析をしていたからでしょうか。なおさらそう感じます。

2019年の実績PERは、調整後EPSベースで見ると10.8倍と割安ですが、肝心の調整後EPSが横ばい(むしろ減少傾向)であることに注意する必要があります。EPSが伸びていかなければ、株価は低空飛行のままでしょう。

もっとも、配当金支払いには全く支障はありませんし、業績悪化の兆しは今のところ見られません。

あのマイクロソフトでさえ、ITバブル崩壊後、2013年頃まで株価はずっと横ばいでした。10年前にマイクロソフトがここまで業績を伸ばしていると想像して投資をし続けていた人はかなり少ないのではないでしょうか。

確かに、IBMの株価・業績は伸び悩んでいます。でも、これだけ毎年安定したキャッシュフローを生み出していて、配当利回りも高水準のテクノロジー株は本当に貴重です。

収益やEPSの面では厳しさもありますが、事業構造の転換の成果が少しずつ出てきているようにも感じられます。

IBMは個別株もそうですし、ETFでも間接的に保有しています。配当金を受け取りつつも、株価が本格的に上昇局面となり、いつか花開くことを期待したいと思います✨

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