【JNJ】ジョンソン・エンド・ジョンソンの2019年第4四半期決算振り返り~配当は安定的も大幅な成長は望めないか~

ゆーたんです♪

私が保有しているジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson 、ティッカー:JNJ)の2019年第4四半期決算が発表されました。

EPS(1株あたり利益)こそ予想を上回りましたが、売上高が珍しく予想を下回り、一時2%安まで売られました。最終的には0.68%の下落となっています。

Financial Statement_image
(Image By:Adobe Stock)

保有している投資家の方々も多く、既に多くのメディア・ブログでも決算については取り上げられていますが、改めて振り返ってみたいと思います。

目次

第4四半期決算ハイライト

ジョンソン・エンド・ジョンソンについては銘柄分析も書いていますので、昨年までの業績・配当・株価などのデータはこちらをご覧ください♪

(第4四半期決算)20192018前年比
売上高(収益)$207.5億$203.9億+1.7%
EPS$1.5$1.12+33.9%
調整後EPS(Adjusted EPS)$1.88$1.97-4.6%

売上高(収益)は前年同期比でわずかに上昇、調整後EPSは下落といった具合ですね。

部門別で見ると、消費者向けのコンシューマー部門は2.1%、医薬品部門は4.4%、医療機器部門は0.2%の増収でした(以下、数値は全て為替変動の影響を除いたものです)。

コンシューマー部門は、OTC医薬品(ドラッグストアなどで買える医薬品)が4.9%の増収、ビューティ製品(化粧品・スキンケア・ヘアケア等)が4.3%の増収と好調でした。

他方、ベビーケア部門は、アメリカ国内に限っていえば、前年同月比で26.7%の減益、全体でも9.3%の減益となりました。ベビーパウダー問題の影響が色濃く出ていますね💦

その後の会社調査では、すべてシロ(=アスベストが含まれていない)だったのですが、やはり一度傷ついた信頼が回復するまでには時間がかかりますね。

医薬品部門は、乾癬およびクローン病治療薬のステラーラが18.6%の増収と好調でしたが、関節リウマチ薬のレミケードは、バイオシミラーやジェネリック医薬品との競争激化により、16.0%の減益となっています。これにより、2019年は、ステラーラが医薬品部門における最大の収益柱になっているようです。

医療機器部門は、心房細動等に使われる医療機器は好調でしたが、専門的な手術に使われる医療機器が不調で、全体として横ばいで推移しています。

EPSが増加しているのに、調整後EPSが減少しているのにはカラクリがあります。その鍵は訴訟関連費用です。

EPSは、訴訟関連費用が前年同月比で減少した分だけ、増加していますが、一時的な要因を取り除いた調整後EPSでは、逆に訴訟関連費用が取り除かれるので、減少しています。



2019年業績ハイライト&2020年業績見通し

20192018前年比
売上高(収益)$820.6億$815.8億+0.6%
EPS$5.63$5.61+0.4%
調整後EPS(Adjusted EPS)$8.68$8.18+6.1%

2019年の業績は前年と比較して、わずかながらのプラスという状況でした。調整後EPSは大きく増えていますが、これは訴訟関連費用の増加が大きな要因を占めていて、素直に喜ぶことはできません💦

なお、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、2020年の調整後EPSを8.95~9.10ドルと見込んでいます。アナリスト予想はこの上限となる9.10ドルだったこともあり、やや弱気の見通しですね。こうした事情もあって、株価が下落しました。

配当は大丈夫?

長期投資家にとって気になるであろう配当の支払い状況について、EPS・フリーキャッシュフローから見てみますね。

配当EPS配当性向調整後EPS配当性向(調整後EPS)
2019年$3.75$5.6366.6%$8.6843.2%

配当性向は全く問題ありませんね。

また、プレゼンテーションによれば、2019年のフリーキャッシュフローは198億ドルと見積もっていて、うち配当に99億ドル、自社株買いに41億ドル、研究開発に114億ドルをあてたとのことです。株主還元と、技術革新のための研究開発と見事にバランスが取れていますね✨



まとめ

  • 2019年の収益・EPSは前年比わずかの成長にとどまる。調整後EPSの伸びは訴訟関連費用の増加が要因で素直には喜べない。
  • 収益に占める割合は小さいが、ベビーケア部門は、特に米国で消費者離れが起きている
  • 配当性向は全く問題なしで、配当は安定的。研究開発・株主還元のバランスが良い

改めて決算を分析してみると、優良株であることは間違いないのですが、収益・EPSの成長が鈍化していることが気がかりですね。

2020年の調整後EPSで計算した予想PER(株価収益率)は16.4倍となっており、割高でもありませんが、割安ともいえない状況です。

連続増配50年以上の実績を誇る配当王で、増配余地は十分にありますが、配当利回りは2.58%(2020/1/23時点)であり、高配当という水準ではありません。

個人的には現状の水準では無理して買わなくても良いかなと思っています。高配当株式ETFであるVYMの配当利回りを超えてくるようなことがあれば、買いを検討していきたいですね✨

Financial Statement_image

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次