日産自動車の減配事例から高配当株投資で注意すべきことを考える

目次

高配当株投資には逆風の2020年

ゆーたんです♪

今年に入って高配当株のパフォーマンスは大きく市場平均に劣後していますね(主にエネルギー株のせいですが…)💦

そして、日本株では、高配当株筆頭格であるJTの連続増配が16年でストップとなる見込み、同じく高配当株として人気のあった、日産にいたっては、期末配当ゼロ(年間配当10円)という大きな減配がありました。

日産は前期配当が57円でしたから、割合にして、82%の減配になります。株価も10%近い下落で減配と株価下落のダブルパンチとなってしまいました💦

私も昨年にWBK(ウエストパック銀行)の減配に直面しました。直近の高配当株の低パフォーマンスや、日本株においても高配当株の増配ストップ・減配という象徴的な出来事もあって、高配当株投資について否定的な声も結構聞かれます。

高配当株投資をするうえで注意すべきことを、今日は体系的に記事にできればと思っています。



高配当株投資をするうえで注意すべきこと

Attention_image

配当性向が高い銘柄に注意する

配当性向とは、1株あたり配当金/EPS(1株あたり利益)で算出できます。利益のどれだけを配当にあてているかという指標ですね。

一般にこの数字が80%を超えてくると、増配ストップ・減配リスクが高まるとされています。例えば、今期連続増配をストップしたJTのそれは90%付近でした。

もっとも、特殊要因で利益が大きく変動した場合は、配当性向も大きく変動しますので、その点には注意が必要ですね。

配当性向は主に利益から配当の支払い状況をチェックする指標ですが、例えば、キャッシュフローから配当の支払い状況をチェックする、すなわち、1株あたり配当金/1株あたりフリーキャッシュフローを確認することでより信頼性が高まります。

特に注意すべきパターン

この銘柄は配当性向が○○%だから危険だということは一概には言えません。

例えば、たばこ事業を展開しているMO(アルトリア)は、配当性向80%をターゲットとしていますし、通信事業を展開しているソフトバンクは、配当性向85%をターゲットとしています。

つまり、もともと利益のほとんどを株主に配当することを前提としているので、きちんと利益が上げられている限りは心配する必要はありません。

配当があまり増えていないにもかかわらず、配当性向が年々上昇している」「持続的に配当性向が100%を超えている」「持続的にフリーキャッシュフローで配当を賄えていない」会社には要注意ですね。

景気変動の影響を大きく受ける銘柄は避ける

日産などの自動車業界は、セクターとしては、一般消費財・サービスに属します。

このセクターには、旅行・レジャー、ホテル・レストランなど、好況時には需要が増えるものの、不況時には需要が大きく減退する業界が多く含まれます。

好況時には業績が向上し、配当も大きく増やすのですが、一転して不況に陥ると、業績が低迷(場合によっては赤字)、配当も大きく削減する傾向がみられます。日産も例外ではなく、リーマン・ショック翌年の2009年度は無配に転落しています。

同じく、景気変動の影響を大きく受けるセクターとしては、資本財(Industrial)、素材(Materials)があります。業績悪化のタイミングでうまく逃げることができればよいのですが、スパッと逃げることができる投資家の方はそう多くないと思います(結果的に売り時=底になるケースもあるでしょう)。

たとえ、高配当であったとしても、これらのセクターへの投資は難易度が高いと、個人的には思っています。



過去の実績を重視する

過去に大幅に減配した経験があるということは、再び会社が苦境に陥った時に、配当を維持するよりも、配当を削減する可能性が高まります。アメリカの企業の多くが、株主還元を維持するために、従業員のリストラに踏み切るのとは対照的です。

例えば、60年超の連続増配を続けているスリーエム3M)。業績は奮いませんが、需要減に合わせて人員削減を断続的に行い、組織をスリム化させています。

一方、減配を発表した日産は、追加リストラ策を5月(3か月先!)に発表するようです。

もちろん、働く人にとって、雇用を守ることは大切なことです。しかし、株主にとっては、それで株主還元が減らされてはありがたくありません。

過去の実績が将来の実績を保証するわけではありませんが、配当の持続可能性をはかるうえで過去の実績を参考にすることは、ベストの選択肢ではないけれど、ベターな選択肢であると考えています。

分散投資を徹底する

銘柄分散の必要性については、以下の記事で詳しく書いています。

特に、高配当株投資においては、少ない銘柄に集中投資していると、その銘柄が減配を発表したときに受けるダメージも大きいので、なおさら分散投資が大切だと考えています✨

1銘柄の保有割合は多くても5%程度が良いかなと思っています。これなら仮にその銘柄の配当金が半分になっても、他の銘柄の配当金が同じであるとするならば、2.5%の減配幅ですみます。10%だと、個人的にはちょっとリスクが大きいかなって感じます。



まとめ

【高配当株投資をするうえで注意すべきこと】

  • 配当性向、キャッシュフローに注目して配当が支払えるかを確認する
  • 一般消費財・サービス、素材、資本財など、景気変動の影響を大きく受ける銘柄に要注意
  • 過去の実績は絶対ではないが、株主還元の姿勢をみる大切な指標
  • 分散投資を徹底する

株式に投資することは、その企業に自分の大切なお金を託すことです。

私たちが消費者としてその企業の商品を買うときに、信頼できる企業か」を見て判断するのと同様に、株主としてその会社に投資する際には、「株主に報いてくれる企業か」を見ていくことがとても大切なことだと思います。

高配当株投資をしている限り、減配というのは必ず起こりえます。ですが、上記にあげた内容を実践することで、なるべく減配のリスクを低減することができますし、万が一減配となった場合でも、被害を最小限にとどめることができると考えています✨

(Featured Image by:ShutterStock)

以下、関連記事です。

高配当株の売却タイミングについて考える記事です。言葉でいうのは簡単ですが、実行するには難しさも伴います。

Attention_image

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次