【レビュー】『バリュー投資家のための「米国株」データ分析』

ゆーたんです♪

このたび、ひろめさまより『バリュー投資家のための「米国株」データ分析』をご恵贈いただきました。一通り読み終えたのでご紹介しますね。

弊ブログの読者の方であれば、ご存じの方も多いと思いますが、ひろめさんは、2016年より米国株ブログを始めており、銘柄分析や運用実績をHP等で公開されています。銘柄分析については、豊富なデータを基にして、購入タイミングを示しており、個別株投資をするうえで参考になる情報が詰まっています。

以下、もくじ順に本の内容をご紹介できればと思っています✨

目次

『バリュー投資家のための「米国株」データ分析』概要

一握りの優良株に投資する方法

ひろめさまは、個人投資家が、長期投資に適する優良株に投資する現実的な手法として、25年以上連続増配中の銘柄であることを条件にあげています。

25年以上連続増配中の銘柄は、過去、S&P 500と比較しても高いリターンを挙げてきました。

25年以上連続増配中の銘柄を集めた指数として、25年以上連続増配中の銘柄に等しい割合で投資するS&P 500配当貴族指数というものがあります。

上記のHPより、配当を再投資したトータルリターンで比較してみると、過去10年のトータルリターンは、S&P 500の13.97%に対し、S&P 500配当貴族指数のそれは14.58%となっていて、S&P 500のリターンを上回っていることが分かります(2020年1月末時点)。

S&P 500配当貴族指数に投資するETF・投資信託は?

この部分は、個人的な補足になります。

「S&P 500配当貴族指数のパフォーマンスがいいことはわかったけれど、その指数に投資できるETFや投資信託はないの?」とお考えの投資家さんもいるかもしれません。ないわけではないけれど、コストがかかるなどの問題点はあるというのがその答えです。

S&P 500配当貴族指数に連動するETFとしては、NOBL(経費率0.35%)がありますが、米国株を取り扱う日本の大手ネット証券では取り扱いがありません。

投資信託では、野村アセットマネジメント、三井住友トラスト・アセットマネジメントが同指数に連動する商品を出していますが、信託報酬は0.55~0.605%とやや割高です。

その他、連続増配株に投資するETFとしては、SDY(米ステートストリート社提供)や、VIG(米バンガード社提供)も候補に挙がります。

ただ、SDYは20年以上連続で増配を続けている高配当銘柄、VIGは連続増配10年以上の実績を持つ銘柄を投資対象としており、基準とするベンチマークは異なっています。SDYは経費率が0.35%とやや高めなのもネックです💦

それに、連続増配株というのは、投資家からの注目度も高いので、バリュエーションが割高になっている株も多数存在する可能性があります。(そうした事情もあってのことだと思いますが、)ひろめさまの本では、25年以上連続増配を達成している、割安な個別株への分散投資を推奨しています✨

バリュー投資の実践術

この章では、バリュー投資の本質と、そのメリット・デメリット、具体的な割高・割安の判断とポートフォリオの作り方がまとめられています。

株価が1株あたりの価値より安い時に購入することで、損失のリスクを抑えつつ、市場平均よりも高いリターンを追求することができるとしています。

この考えには、私自身も同感です。ただ、本にも書かれていますが、えてして株価が1株あたりの価値より安い時というのは、その銘柄に対する悲観論が渦巻いているときです。

ということは、すなわち、株価が下落傾向にあるときに買いを入れるケースが多くなるので、含み損を抱える可能性が高いというデメリットがあります。

2020年現在ですと、エネルギー株のことでしょうかね…まあずっと低迷している可能性もありますが💧

なお、具体的な割高・割安の判断ですが、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、PSR(株価売上高倍率)、 配当利回り&配当性向の4つの指標をあげており、数字から論理的に判断することで、感情に左右されない投資ができるとしています。

米国株データ分析の手順

この章では、自分自身で個別株のデータ分析をしたい人向けに、米国株の決算情報の入手方法や、その読み方、先ほど挙げたPERや配当利回りなどの各種指標をどうデータ化していくかという具体的な手順が詳しく掲載されています。

「自分でも銘柄分析をしてみたい」と考えている投資家さんには、とても参考になる内容だと思います✨

また、ひろめさまのHPでは、50社を超える個別株のデータ分析が書籍で紹介されている手法に基づいて行われていますので、有名な銘柄であれば、まずはHPを見てみるとよいかなと思います✨

配当にかかる税金の知識

この章では、米国株投資をしていくうえで、欠かせない知識である外国税額控除制度に関する内容や、配当所得における有利な課税方法の選択に関する内容が掲載されています。

多くの投資家さんは、特定口座(源泉徴収あり)で株式を保有しているため、配当が入金される際に証券会社で課税されているケース(一律20.315%の申告分離課税)となっているかと思います。

しかし、譲渡所得(株の売却益)と違って、配当所得の場合は、分離課税だけでなく、ほかの所得と合算して課税額を算出する総合課税も選択することができ、収入がそれほど高くない場合は、総合課税が有利になるケースもあります。書籍では詳しいシミュレーションが行われています✨

米国株と配当金生活

この章では、米国株の配当収入を主軸とする配当金生活をするうえで、意識しておかなければならない社会保険料の話や、配当金生活をするうえでの税率に関する内容が掲載されています。

将来的なセミリタイアを志向する私にとっては、とても参考になる章です。税金や社会保険料に関する内容なので、今後の制度変更などで情報が古くなってしまう可能性はありますが、近いうちにセミリタイア・アーリーリタイアを検討している人にとってはとても参考になる内容だと思います✨

あとがき

以上、簡単にですが、ひろめさまの本の紹介をさせていただきました。

私はどちらかといえば、連続増配よりも、高配当を重視していますが、25年以上の連続増配銘柄として、JNJ(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、MMM(スリーエム)、XOM(エクソンモービル)、T(AT&T)、MO(アルトリア)を個別株で保有しています。

IBMも2020年に増配すれば25年以上の仲間入りですし、ABBV(アッヴィ)は前身のアボット・ラボラトリーズから数えれば、25年以上連続増配です。

そして、そのほかの個別株も、25年以上の連続増配という条件こそ達成していないけれど、過去長らく減配していない、もしくはリーマン・ショック時など不況時でも大きく減配していない銘柄ばかりで、個別株は固めています(HSBCとBPは例外ですが💦)。

連続増配というのは永遠に続くものではありませんが、一つ言えることは、間違いなく株主に報いてくれる会社であるということです。さすがに利益が赤字となれば配当は出せませんが、過去何十年という歴史の中で、幾多もの困難に直面しながらも、配当金を増やしてきたという実績は無視できません。

連続増配銘柄に投資することで、リーマン・ショックのような株価急落時でも、減配リスクを最小限に抑えつつ運用ができるので、精神的にもメリットのある有効な投資戦略だと思っています✨

今回ご紹介した内容は、ひろめさま自身がおっしゃっているように、その大部分はブログで読めるということです。もっとも、書籍の場合は、体系的にまとめられているので、いつでも手元において見返すことができるようになっています。

連続増配株への投資を考えている投資家さんにはもちろん、高配当株投資でセミリタイアを考えている投資家さんにもおすすめできる本だと思います✨

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