ゆーたんです♪
現在、私は70銘柄超の高配当株・連続増配株を保有しています。いまの投資スタイルをしばらく続けてきたこともあるので、どのような基準で銘柄を選定しているのかについて、簡単に書ければと思っています。
そもそも高配当株とは配当利回り何%から?〜私の基準は3.0%〜
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どのあたりの配当利回りをもってして高配当株というかは、人によって判断が分かれるところですし、相場環境にも左右されますが、私は配当利回り3.0%以上を一つの目安として考えています。
例えば、高配当株式ETFの代表格であるVYM。2006年〜23年までの配当利回りをならすと3.1%、リーマン・ショックのように配当利回りが5〜6%だったときを除くと3.0%になります。
配当利回りが2.5%以上3.0%未満の銘柄は、明らかに市場平均より配当利回りが高いですが、高配当株と呼ぶかは微妙なところです。配当王(50年以上連続増配)銘柄のJNJ(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、PEP(ペプシコ)など、業績安定のディフェンシブ株は結構このゾーンに属することが多い印象です。
高配当株における配当利回りはリスクの高さを表している
配当利回りがある程度の水準(2.5〜3.0%)を超えてくる場合、(当たり前といえば当たり前かもですが)配当利回りは、その株を保有するリスクを表しているといえるかと思います。そのリスクというのは、例えば下記のようなものが挙げられます。
- 減配リスク:EPS(1株あたりの利益)の成長が鈍化し、減配・無配を余儀なくされる可能性がある
- 過剰債務のリスク:買収などで債務が同業他社と比較しても多く、利払い費や借金返済がキャッシュフローを圧迫する可能性がある
- 訴訟リスク:大規模な訴訟に直面しており、業績に及ぼす影響が読めず、不確実性が高い
具体的な事例を挙げますね。
減配リスクで分かりやすいのは、コロナショック時のエネルギー株でしょうか。例えば、XOM(エクソンモービル)は一時配当利回りが10%超となりましたが、これは、原油価格の下落により、配当をキャッシュフローで賄うことができなくなり(当面は保有株の売却や借入でしのげたとしても)、減配リスクが大きく高まったためでした。
過剰債務のリスクは、企業が大型買収を行ったときに表面化します。買収する企業は、買収される企業が株式公開をしていた場合、現時点の株価に数十%のプレミアムを上乗せして買収することが多いため、投資家からは「過剰な支払いではないか?」と懸念され、株価が下がることが多いです。
この場合、買収による債務を順調に消化する、もしくは買収の成果が業績に反映されるまでは、株価は割安に据え置かれ、配当利回りも高水準になることが多いです。
過剰債務のリスクが意識された例としては、保有株では大型買収を行ったABBV(アッヴィ)やT(AT&T)でしょうか。ABBVは買収をうまく消化しましたが、Tは失敗に終わり、減配を発表することとなりました。
訴訟リスクは、PFAS問題や耳栓訴訟を抱えるMMM(スリーエム)、鉛ケーブル問題を抱えるVZ(ベライゾン)が好例ですね。
特に配当利回りが5%を超えるような高配当株については、その株が抱えているリスクは何かを把握したうえで、リスクを許容してでも投資するのか、しないのか、判断していくことが重要であると考えています✨
私の高配当株の選び方
1.配当利回り2.5%以上
先に述べたように、私が考えている高配当株が配当利回り3.0%ですので、本来であれば配当利回り3.0%以上の銘柄から選びたいところですが…配当利回り3.0%を超える銘柄って意外と少ないです。
金融・不動産・公益事業セクターであれば配当利回り3.0%はそこまで高いハードルではありませんが、情報技術セクターで配当利回り3.0%を超えるような株は稀ですし、ヘルスケアセクターも製薬を除くとほとんど見かけません。あとは資本財・サービスセクターも少ない印象です。
配当利回りにこだわりすぎると、どうしても投資するセクターや銘柄に偏りが出てしまいますので、個人的には多少の配当利回りの低さには目をつぶって、購入する株を探しています。それでも、S&P 500の配当利回りに+1%程度の上乗せは欲しいところであり、現在の相場環境ですと、配当利回り2.5%が最低ラインになりますでしょうか。
もちろん、配当利回りが2.5%未満の銘柄であっても、増配率やEPS成長率の高さが魅力的である場合は、PF全体の配当利回りにも考慮しつつ、購入することはあります。私の場合は、AAPL(アップル)、MSFT(マイクロソフト)、V(ビザ)、MA(マスターカード)、UNH(ユナイテッド・ヘルス)などですね。
ただやっぱり、配当利回りが市場平均程度〜それより低い銘柄については、優良銘柄であると頭では理解していても、個人的には手を出しにくいのが実情です。
2.配当利回り+EPS成長率10%以上
配当利回りの高さを重視するのはもちろんのこと、それだけではなくて、増配率、もっといえばEPS(1株あたり利益)の成長率に着目することも大切だと考えています。
単純に配当の最大化を追求するなら、増配率だけ見ていればよいのですが。増配率は、利益の増加による増配ではなく、配当性向(利益のうち、どれだけの割合を配当に回しているか)が上昇していることによる増配という場合もあるので、EPS成長率で測るほうがより適切であると考えています。
配当は企業の利益の一部を吐き出している形になりますので、EPSが成長しなければ、いずれ増配は止まります。
過去5年のEPS成長率がどのくらいの数値であったか、概ね右肩上がりで推移しているかを把握することも大事なのですが、将来のEPS成長率見通しがどのくらいかを把握しておくことも大切であると考えています。
会社の決算資料やプレスリリース、投資情報サイト(Yahoo Finance! etc)などで、会社やアナリストがどのくらいのEPS成長率を想定しているのかを知ることができます。
配当利回りが高くて、EPS成長率も高い企業が理想ですが、この二つはおよそトレード・オフ(どちらかを立てばどちらかが立たず)の関係にあります。そのため、配当利回りがあまり高くなければ、最低でも一桁台後半の増配率やEPS成長率を求めますし、配当利回りが高ければ、増配率やEPS成長率が一桁台前半でもOKとしています。
厳格な基準を持っているわけではありませんが、S&P 500の直近20年、30年のトータルリターンがおよそ10%なので、配当利回りとEPS成長率の和がやはり10%は欲しいところです。
そのため、最近は、配当利回りが4%台でも、EPSが年1〜2%のペースでしか成長していない(もしくはそのように予測される)企業への新規・追加投資は避けるようにしています。
3.連続増配(もしくは非減配)20年以上
投資するときは、連続増配の実績(もしくは配当を最後に削減した年)を確認するようにしています。
直近20年で配当を削減した企業は、原則として、投資対象から除外しています。
連続増配の実績はあくまで過去の話であり、将来の増配を約束するものではないことは重々承知していますが、過去どのような経済情勢の時に減配したのか、減配理由は業績不振によるものか、債務削減によるものか、などを知っておくことは重要であると考えています✨
あとは、配当を削減していなくても、何年も同じ水準を維持している企業も要注意ですね。
例えば、石油株のSHELや、銀行株のHSBCは何年も配当を同じ水準で維持していましたが、最終的には配当を削減することとなりました。
(補足)この基準はあくまでも目安です
上記の3基準はそこまで厳密なものではなく、あくまでも目安であり、セクターによっても多少基準は変えています。
例えば、金融セクター(銀行や保険など)は、景気変動に大きく左右されるビジネスモデルゆえ、リーマン・ショックの時に多くの銘柄が減配しています。
そのため、連続増配の実績で見ると、ほとんどの株が投資対象外になってしまいます。私の場合、リーマン・ショック時での減配は致し方がなかったと考え、その時の減配は許容しています。ただし、その分、より高い配当利回りを追求したいところです。例えば、銀行株については、配当利回り3.0%程度ではあまり投資意欲は湧かなくて。最低でも配当利回り4.5%以上は欲しいです。
また、生活必需品は、景気変動にあまり左右されないビジネスモデルなので、連続増配(もしくは非減配)の歴史が長い銘柄が多く存在しています。その分、急速な成長は望めなくて、EPS成長率が一桁台前半と控えめな企業が多いです。
配当利回りも4%を超える企業が少ないので、「配当利回り+EPS成長率10%以上」という基準を満たすのが難しいのですが、ボラティリティの低さやドローダウン(下落率)の低さは他のセクターでは期待しにくいので、8%以上など多少期待リターンが低くても許容しています。
あとがき
正直、私自身も個別株を買う際に、すごくリサーチに時間をかけているわけではありません。最低限見ているのは、現在の配当利回りと増配率、EPS成長率、過去の配当実績、ビジネスモデル(どのような事業をしているかという簡単な把握)の4点です。
個人のリサーチ力では限界があるとも考えていますし、保有しているうちに新たな懸念材料が出てくることもあるでしょう。まずは数万円単位で最初のポジションを購入し、少しずつ株数を積み上げていくようにしているので、そこは割り切っています。
配当利回りの高さはもちろんのこと、配当の持続可能性、増配率もできる限り高めていきたい。個別株投資で短期で利益を得て売ることは想定していません。もちろん途中でシナリオが崩れるケースもありますが、「何年も持ち続けても良いと思える株」をこれからも選んでいければと考えています✨