ゆーたんです。
なかなか株式市場の下落が止まりませんね💦
特に、これまでハイパフォーマンスを続けていたNASDAQ(ナスダック)は、最高値から25%を超える下げとなり、弱気相場(通常は最高値から20%以上下げた相場を指すことが多いです)に陥っています。
みるみるうちに含み益が減っていくのはとても辛いことです。しかし、長期投資家にとっては、むしろ調整相場・弱気相場は歓迎すべきことのように思います。株価の下落を喜べるだけのメンタルを身につけることができれば、何も恐れることはないのですが…今日はその件で記事を書きますね。
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トレンドの影響力〜株価は同じはずなのに買えない?〜
上記は、NASDAQ100指数に連動するETFであるQQQの価格チャートです。5月9日現在の株価水準は2020年11月、もしくは2021年3月の最安値とほぼ同水準になっています。
しかし、2020・21年当時と2022年現在の投資家のセンチメントは明らかに異なるように思います。
2020・21年は株価が上昇傾向で、NASDAQはまだまだ上昇しそうな気配を見せていました。そのせいか「まだまだ上がる」と思って買う人が多かったのですが、2022年は一転して株価が下落傾向で「まだまだ下がりそう」と考えて買わない、様子見する人も少なくないように思います。
同じ価格ではあるのですが、トレンドは投資家の投資行動に大きな影響を及ぼします。
長期的に見て、情報技術・ITセクターが成長していく(=株価が右肩上がり)と考えるのであれば、買わない理由はないはずなのですが…トレンドが下向きですと、「もっと安値になるはずだ」「安値になるのを待とう」という欲がどうしても出てきてしまうんですよね(私もそうなので痛いほどその気持ちはわかります)。何とも不思議なものです。
株価は需要と供給で決まる
株価というのは、企業の収益やEPS(1株あたりの利益)などといったファンダメンタルズを反映して、需要と供給で価格が決まります。
S&P 500、NASDAQや世界の株式に連動するMSCI ACWIなどといったインデックスに長期投資されている投資家さんは、「長い目でみて、世界経済は成長していくだろうから、株価も右肩上がりで上昇していくだろう」と考えて投資を続けているはずです。
ただ、皆がそう考えて、株を保有し続けたり、買い増し続けたらどうなるでしょうか。そうしたら株価もなかなか下がらないですし、PER(株価収益率)も高い数値のままで推移することになります。
PERは株価をEPS(1株あたり利益)で割った数値で算出されます。例えば、PERが20なら、利益をすべて株主に還元したとして、20年分で投資資金を回収できるということになりますね。そして、株価はEPSとPERのかけ算で決まります。
特にパッシブ投資(インデックス投資)は、短期的にEPSが下がることがあっても、長期的にはEPSが右肩上がりになるという前提で投資をしているので、PERが過去の歴史と比較して低いときに購入できれば、大きなリターンを期待できることになります。
世界経済の短期的な減速を憂いて、株を売る人がいる(EPSも下がるかもしれないけど、それ以上にPERが下がる)からこそ、私たちはより安値で優良株やS&P 500を購入し、保有し続けることで大きなリターンをあげることができるのだと思います。
だからこそ、世界経済の成長を信じるなら、長期投資家にとって調整局面、弱気相場の到来はむしろ歓迎すべきことですよね✨
「株価が右肩上がり」という前提が崩れるとき
ロシアのウクライナ侵攻で世界情勢は不安定化しています。核戦争が起こらないとも限らない。また気候変動による大規模な自然災害だって起こるかもしれない。
確かにこのような出来事が起こってしまえば、「株価が右肩上がり」という前提は崩れ、株価も暴落することでしょう。ただ、そういった出来事が起こってしまったということは、すなわち人類が絶滅する危機でもありますので、株式投資や仕事どころではないようにも思いますので、私個人はあまり気にかけていません。
むしろ怖いのは、「アメリカ(もしくは世界)の人口減少傾向が鮮明になったとき」ですね。
2019年時点の国連予測では2100年まで人口が増え続ける予測となっていて、アメリカも同様に増え続ける予測となっていますが、20年の新型コロナウイルスの流行は人口増加に大きな負のインパクトをもたらしました。次の国連予測では、人口予測は下方修正されると考えていますし、一部学者のなかには、2050〜60年代には世界人口が減少に転じるという予測もあります。
人口減少は、企業の商品(モノ・サービス)の買い手が減少することを意味します。もちろん個別で見れば成長していく企業もあるでしょうが、世界全体で見れば、企業の成長は停滞し、淘汰も一定程度進んでいくことでしょう。
現在投資を始めている世代の間はまだ大丈夫でしょうが、これから生まれてくる子どもたちの時代になっても「株価は右肩上がり」といえるかどうかは、正直微妙かもしれないと考えています。
あとがき
私は、パッシブ投資家(インデックス投資家)ではありませんが、「世界経済の成長を信じている」という点では同じ思いです。
これは個人的な意見になってしまうのですが、新型コロナウイルスの感染症は「人間がコントロールできるものではない」「もしかしたらたくさんの人類がなくなってしまうかもしれない」という恐怖がありました。でも、インフレのような貨幣的現象は「人間が(ある程度)コントロールできるはず」という思いがあります。
インフレやデフレ、好況・不況は「永遠」に続くことはあり得ません。だから、アメリカの金融政策がどうだとか、アメリカ経済が今後不況に陥るかもしれないだとか、長期投資をしていくうえでは、全然気にしていません。配当利回りやPER等の水準から見て「割安」と考える優良株をひたすら買っていくだけです。
「株価が右肩下がり」になるような世界であれば、この水準で投資をしたとしても将来的に損失を抱えることになりますが、そのような世界は、おそらく絶望・修羅の世界でしょう。そうなったら、私は素直に諦め、生き抜くことだけを考えます。悲劇的な未来を考えれば考えるほど、意外にも前向きに考えられるものです笑
少なくとも現時点では「株価は右肩上がり」になると考えているので、株価が下落しているのは大変喜ばしいこと。今までも、そしてこれからも。配当金や給与が入ったら全力で買い増す決意です✨