ゆーたんです。
最近の私の関心事は、米国株🇺🇸よりも為替💱です。
2022年に入って、日本円はドルに対して最大17.0%も減価しています($1=115.02→$1=134.55円)。さらに円安が進んだらどうなるか、ちょっと考えてみました。
はじめに〜端的にはどうなるの?〜
- 人手不足による供給制約で慢性的にインフレが進行する可能性が高い
- 食料・燃料の価格が上昇し、生活はますます苦しくなる
- 私たちの生活は間違いなく貧しくなる。先進国から脱落する日も近いかもしれない
以下、詳しくみていきますね。
外国人労働者が来なくなり、人手不足が深刻になる可能性
日本は2008年をピークに人口減少が進んでいますが、就業者数自体は女性や高齢者の労働参加で微増傾向となっています。
しかし、年60万人を超えるペースで人口減少が進んでいますので、就業者数もそう遠くないうちに減少トレンドに転換すると考えています。
既に建設・宿泊・介護など一部の業界では、人手不足が深刻化していることを受けて、2019年には新しい在留資格である特定技能が創設され、外国人労働者の受け入れが拡大されました。22年3月現在では6.4万人の外国人が特定技能の在留資格で働いています。
もっとも、さらに円安が進んだらどうなるでしょう。日本円の価値がこれ以上下がれば、外国人労働者も好き好んで日本で働こうとはしないでしょう。しかも、日本に限らず世界中で出生率は低下傾向で、2050〜60年代には人口減少に転ずるのではという予測もあります。
2010年代は「外国人労働者を受け入れるかどうか」を議論していましたが、2030年代には「働く国として選ばれるためにはどうするか」という議論しなければいけないレベルになりそうです。
人手不足が深刻になることで、企業の統廃合や各種サービスの縮小も進むでしょう。生き残った企業も人材を確保するために給料を上げざるを得なくなり、それが製品価格に跳ね返る形で、インフレ圧力が高まる可能性はありそうです。
年金は物価上昇で金額自体は増えますが、マクロ経済スライドで現役世代の人口減少と平均余命が伸びていく分下押しされ、物価上昇分ほどは増えないしくみになっていくので、年金だけで老後生活をしていくことは今まで以上に困難になります。
インフレが進めば、お金の価値はどんどん目減りします。悠々自適な生活は許されない。「70歳超えて働くのは当たり前」「死ぬまで働くのは当たり前」(というかそうしないと生活していけない)世の中になるのは、残念ながらほぼ間違いないでしょう。
食生活も現在とはかけ離れたものになる可能性
2019年度の日本の食料自給率はわずか37%です。食料の多くを輸入に頼っています。
さらに円安が進めば、外国産の食料が割高で買えなくなる、もしくは諸外国との競争で買い負ける時代が来るかもしれません。何とか輸入できたとしても、一般市民には到底手が出せない高嶺の花になるでしょう。
将来、私たちの食生活がかけ離れたものになることも覚悟しなければいけないのかもしれませんね。
日本はエネルギーも自給できていない…
日本のエネルギー自給率は2019年で12.1%とOECD諸国の中でも最低ランクです。
2011年の福島第一原子力発電事故を受けて、日本は1次エネルギー供給の大半を化石燃料に頼っています。今日の燃料費の高騰は原油高によるところが大きいですが、円安で円の価値が低下しても、燃料費は値上がりします。
先ほど人手不足による供給制約でインフレになる可能性があると書きましたが、燃料費の値上がりもインフレ要因です。
あとがき
(Featured image by:Shutterstock)
今回は円安がもたらすマイナス面に特化して書いています。「最悪の場合、どのようなことが起こるのか。それに対してどのように対処していくのか」をシミュレーションしておく必要はあると考えています。
もちろん、円安にはプラス面もあります。例えば、輸出企業の収益や利益が拡大しますので、政府の税収増加につながります。ただ、そのメリットを受けるのは、輸出企業で働く人など一部です。増収分を政府が国民に還元できなければ、大多数の国民は貧しくなるばかりです(´・ω・`)
2020年の新型コロナウイルスの流行、22年のロシアのウクライナ侵攻は、成長余力に乏しい日本経済、資源や食料を自給できないといった、日本が抱える各種の問題点を浮き彫りにしました。
通貨の強さは国力に直結すると考えています。それなのに、日銀は「円安は日本経済にとってプラス」、政府は「観光業で日本は復活」と言っていて、円安を是正する気配が感じられません。
かつて黒田総裁は日本国民の間にはデフレマインドが根強いと発言していました。
今回の円安・インフレは国民の間に根付いた「デフレマインド」を払拭する絶好の機会だと考えているのかもしれません。安定的なインフレが起これば、政府債務も目減りしますので、政府や日銀にとってはむしろ歓迎すべきことですもんね。
ただ政府が喜ぶかげで、資産を保有する側である国民や民間企業は購買力の減少に直面することになります。
政府が円安を本気で止めようとする姿勢を見せていない以上、私自身は「2022年の円安・インフレは一時的なものではなくて、まだ始まりにすぎないのでは?」と悲観的に考えてしまいます。
そう考えると、私は1ドル=134円の為替レートでも、愚直にドル転して米国株に投資する選択をします(保有株がすべて外国株にしている私の投資行動も円安の要因になっちゃってるんですけどね💦)
私個人としては、短期的には円高に振れることはあっても、長期的には円安になる(円の購買力はもっと下がっていく)と考えています。これは私が米国株投資を始めて以来、一貫した考えです。