ゆーたんです。
基本的に私は保有している個別株はあまり売りません。2021年は手放した銘柄はゼロ、22年は上場廃止とスピンオフ関連を除けばソフトバンクのみ、23年は4銘柄ですが、いずれもポートフォリオに占める割合は小さい銘柄でした。
もちろん業績が悪化して、配当が無配・大幅減配となれば、保有株の売却を検討しなければなりませんが、以前の記事にも書いたように、私の理想はBuy & Hold(バイ・アンド・ホールド)であり、できることなら保有株をなるべく売りたくはありませんし、基本は長期保有です。その件について記事を書いてみますね。
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企業自身も絶えずビジネスモデルを組み替えている
企業は持続的な成長のために、他の企業を買収したり、一部の事業を売却したり、もしくは事業を切り離して新会社として設立させたりしています。
例えば、私はIBMを2018年7月以来保有し続けています。保有して5年近く経ちますが、2019年には、クラウド技術を提供するレッドハット(Red Hat)社を買収、21年にはITインストラクチャー・サービス部門をキンドリル(Kyndryl)社としてスピンオフしています。
私が保有する株式数は、企業が発行する株式数からしたらあまりにちっぽけです。それでも、株式会社においては株主が会社の所有者ですから、株式を保有することは、会社のビジネスのカケラを所有することと同じであると考えています。
私が変わらず株式を保有していたとしても、所有する会社のビジネスは少しずつ組み替わっていく。私が投資する企業の多くは、アメリカのS&P 500構成銘柄である「超」大企業で、時代の変化に応じて、ビジネスモデルを組み替え、時代に適応していこうと必死です。
だからこそ、ちょっとした業績低迷くらいで株式を売る必要はないと考えています。
四半期決算数回で企業のことを見切るのは早すぎる
米国株は決算シーズンを迎えていますが、決算発表では、1日で10%以上株価が動くことも珍しくありません。
それは配当王のような業績安定企業でも例外ではなく、2022年には小売大手ターゲットが決算ミスで1日で25%も株価が下落しました💧
決算発表で大きく株価が動くので、個別株投資をしていると、決算のたびに「買い」「売り」「ホールド」という投資判断を迫られがちです。
ただ、私の場合は四半期決算や単年の決算だけで投資判断をすることは考えていなくて、基本的には、ある程度長期スパン(具体的には5年〜)で見ていかないといけないかなと考えています(さすがにターゲットのように1日で25%も下落したら、決算を詳しくチェックするかと思いますが💧)。
個別株単位でみれば、歴史的にみて、PER(株価収益率)が何年も割安に据え置かれていることはよくある話ですし、その逆もまた然りだからです。そして、PERが割安に据え置かれていることは、成長が鈍化していたり、不安材料が続出していたりして、投資家が弱気になっている(=買い手が少ない)ことの証でもあります。
数多くの不況を乗り越えてきた連続増配・減配なし銘柄であっても、長い歴史を紐解けば、成長が鈍化してパフォーマンスの悪かった時期はあるでしょう。
もちろん、そうした銘柄だからといって、将来の増配や配当水準の維持を保証するものでは全くありませんが、パフォーマンスが悪かった時期に購入した人は大きなリターンを得られている(=だからこそ連続増配記録が続いている)ので、四半期決算の結果数回で保有株を手放してしまうのは、あまりにもったいないと考えています。
私の保有株ですと、最近冴えない連続増配銘柄は3M(スリーエム、ティッカー:MMM)ですね。配当を積み上げても、年平均-8.2%のリターン*です。
※ 計算方法は、キャピタルゲイン(評価額と購入額の差額)+インカムゲイン(配当金、税引前)を購入額で割り算したものです。
過去には四半期決算を見て売りを検討したこともありましたが、銘柄分析のために考え直し、現在に至っています。
平均保有期間は4年を超えていますが、それでもマイナスリターンとなっている現状。「失敗した」投資といわざるを得ないかと思います。事実、2019〜22年のEPSは2018年の水準を超えられていません💧
訴訟問題など不安材料には事欠かないですが、2025年にかけて、年率8〜10%程度のEPS成長がアナリストにより見込まれています。未来は不確実であり、アナリスト予測を盲目的に信じることはできませんが、一つの参考にはなるかなと。
PER(株価収益率)は11.6倍、配当利回りが6%台付近で歴史的には割安、そして一桁台中盤のEPS成長が期待できるのであれば、ちょっと買い増しは怖いですが、連続増配実績65年の底力に期待して、保有し続けるつもりです。
「減配したらどうするの?」って声が聞こえてきそうですが、50%程度の減配だったら保持し続けると思います。75%以上の減配、無配となると、さすがに売りですかね。(もちろんそうならないことを願ってます💧)
あとがき
保有する個別株は、自分が納得して購入した株なので、できることなら持ち続けたいという思いはあります。
とはいえ、「買いたい株」「ホールドする株」「売ってもよい株」というように、保有株のなかでも、温度差があることもまた事実です。
ソフトバンクを売却したのは、さらなる円安進行を警戒してのことでした。自分が描いていたシナリオが崩れたり、予想外の悪材料や懸念材料が出てきたりしたら、躊躇なく損切り(利益確定)できるようにしておきたいです!