ゆーたんです。ファイザーの銘柄分析です🎵
ファイザーってどんな会社?
ファイザー(Pfizer、ティッカー:PFE)は世界的な製薬企業です。新型コロナウイルスのワクチンを開発した企業でもあり、投資家だけでなく、世間一般の知名度もかなり高い企業ですね✨
本社はニューヨーク市のマンハッタンにあり、8万人をこえる従業員がいます。設立されたのは1849年なので、170年以上の歴史ある企業です。
「患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす」ことを企業目的として掲げており、2027年までに「年間10億人の生活を変える」ことを野心として掲げています。
2022年の収益は1,000億ドルを突破しており、製薬企業としては世界1位です。時価総額は製薬セクターの中では8番手(2022/6/8時点)となっています。
製薬企業は絶えず新薬開発のプレッシャーと特許切れによる収益減のリスクに晒されており、買収と合併を繰り返しています。
ファイザーも例に漏れず、2000年のワーナー・ランバート・カンパニー社(1,160億ドル)買収、09年のワイス社買収(680億ドル)など、巨額買収を行ってきました。23年には抗がん剤メーカーのシージェン買収(430億ドル)で合意しています。
他方で事業のスピンオフ(切り離し)も行っており、2013年にはアニマルヘルスのゾエティス社(Zoetis、ティッカー:ZTS)を、20年にはジェネリック医薬品などを手がけるアップジョン・ビジネスを切り離しています。アップジョン・ビジネスはマイラン社と統合し、ヴィアトリス社(Viatris、ティッカー:VTRS)として事業を継続しています。
ファイザーの基本情報
セクター | ヘルスケア(製薬) |
株価 | 38.97 |
2023年予想PER | 11.7倍 |
EPS成長率(2018〜25)※23年〜は予想 | 2.7% |
配当 | $1.64(四半期あたり$0.41) |
配当利回り | 4.21% |
連続増配 | 13年(2009年に50%の減配) |
S&P格付け | A+ |
ファイザーの業績
ファイザーの収益・営業利益・純利益
収益は長らく500億ドル前後で横ばいでしたが、新型コロナウイルスのワクチンと治療薬開発で爆発的に収益が増加しました。新型コロナウイルスワクチンとその治療薬で、収益の約57%を占めています。
地域別にみると、アメリカ国内は42%、残り58%が海外です。23年はワクチン需要の減少で収益減となりますが、それでもコロナ前を超える680億ドル程度の収益が見込まれています。
ファイザーの製品別収益(2022年)
10億ドルを超えている薬(ブロックバスター)を個別にグラフ化しました。新型コロナウイルス関連の印象が強いファイザーですが、ブロックバスターを6つ有しており、製品ポートフォリオは多様化されている印象です。
またファイザーは、医薬品をプライマリーケア領域(身近であり、診療所でも処方できる薬)とスペシャリティケア領域(専門性が高く、専門医が処方する薬)に分類しています。プライマリーケア領域の収益が73%、スペシャリティケア領域の収益が27%です。
エリキュースは2022年で64億ドルの収益を上げており、コロナウイルス関連を除けば1番手です。心房細動患者の脳梗塞を予防する薬で、ブリストル・マイヤーズ・スクイブと提携しています。プレベナーは肺炎球菌ワクチンで63億ドルの収益があります。
ビンダケル以下の3つはスペシャリティケア領域の医薬品です。ビンダケルは心アミロイドーシスという難病の治療薬であり、過去3年間で収益は2倍近くになっています。ゼルヤンツは潰瘍性大腸炎治療薬ですが、2022年の収益は前年比27%の減少となっています。
エンブレルは関節リウマチ治療薬です。アムジェン社の製品ですが、アムジェン社と提携しており、米国とカナダ以外で販売しています。もっともバイオシミラー(同等/同質の品質,安全性及び有効性を有する医薬品)が発売されていることから、収益は徐々に減少傾向で、2022年の収益は10億ドルギリギリです。
ファイザーのEPS、BPS、ROE
EPS(1株あたり純利益)は2013〜20年までほぼ横ばいでしたが、新型コロナウイルスのワクチンと治療薬開発で急上昇しています。2023年のEPSはこれらの需要が剥落するため、3.3ドル程度と見込まれています。前年比では大幅減ですが、コロナ前の水準は超えてきそうです。
BPS(1株あたり純資産)も2021、22年と積み上がっていますね。シージェンの買収で、レバレッジ(有利子負債/EBITDA)は上昇することになりますが、それでも3倍は超えない水準であり、信用格付けもA+と安定しています。
ファイザーのキャッシュフロー
営業CF・フリーCFは長らく横ばいでしたが、業績の急伸に伴い、2021・22年と大きく増えていることがわかりますね。
ファイザーの株主還元状況(配当・自社株買い)
ファイザーの配当、配当性向
ファイザーはかつての配当貴族(25年以上連続増配)でしたが、ワイス社買収のために、2009年に50%の減配を行いました。
翌年には増配を開始しており、今日に至るまで連続増配となっています。連続増配記録は13年です。
配当性向は新型コロナウイルス関連の特需を除けば、Adjust EPSベースで50%程度で推移していました。配当の持続可能性については(今のところは)心配いらないでしょう。
増配率
増配率は綺麗な右肩下がりですね💧
配当を50%削減した2009年の翌年以降は四半期あたり$0.02の増配が続いていましたが、21年は四半期あたり$0.01の増配とペースが鈍化、3年連続で最低水準での増配となっています。
新型コロナウイルスワクチンで業績は急伸しましたが、一過性のものゆえ、致し方がないでしょうか。しばらくは四半期あたり$0.01での増配が続くものと思われます。
自社株買いを含めた株主還元状況
かつては自社株買いも行っていて、利益以上の金額を株主に還元していましたが、2020、21年と自社株買いはゼロになっています。22年には20億ドルの自社株買いを実施しています。
ファイザーの株価&トータルリターン
ファイザーの株価推移
2018〜21年頃まで株価は30〜40ドル台で推移していました。新型コロナウイルスワクチンと治療薬の開発で株価は一時60ドル付近まで上昇したのも束の間、元の水準に戻ってしまいましたね💧
ファイザーのトータルリターン
2023年に入ってからの株価下落で、直近5年のリターンはS&P 500に負けてしまっています。
まとめ
- 世界的な製薬企業。新型コロナウイルスワクチンを開発した実績。糖尿病治療薬にも期待
- 債務水準はよく管理されており、信用格付けはA+で安定している
- 予想PERは11倍台でやや割安。2011年以降連続増配中で配当利回りは4%を超えている
- 2009年の巨額買収時に配当を半分に削減している。増配率も渋く、株主還元には不安が残る。
私はファイザー(PFE)を保有しています。コロナショック真っ只中の2020年3月に初めて購入、40ドル以下の水準でポジションを積み上げてきました。
株価はここ最近下落傾向にありましたが、買い増しの優先度は高くありませんでした。その理由は、①株主還元への信頼性が低いこと、②(個人的な理由として)損益分岐点が低いために損している実感がなかったこと、以上の2点です。
しかし、23年5月にファイザーの糖尿病治療薬が有望との報道を受けて、投資判断を変えています。株価は多少上がりましたが、年初来では24%の下落、52週安値からはまだ8%ほどです。糖尿病治療薬でファイザーが存在感を示すことができれば、株価の上昇が期待できそうです。
40ドル割れの水準では株価は割安だと考えています。株主還元にやや不安は残りますが、新薬開発力の高さに期待しています。私個人としては、製薬企業のなかではファイザーのポジションはそこまで高くないので、少しずつ買い増したいですね✨