ゆーたんです。
複合企業のMMM(スリーエム、3M)をこのたび売却、損切りしたので、そのご報告です。
スピンオフの発表を受けてスリーエムを損切り
2024年2月下旬、MMM(スリーエム、3M)のヘルスケア事業(ソルベンタム、Solventum)が4月1日にスピンオフされることが発表されました。
もっとも、ヘルスケア事業のスピンオフ自体は2022年7月に発表されていました。ヘルスケア事業の成長に期待してスリーエムを保有していた私にとっては、残念なニュースでしたが、発表当時は含み損を抱えていたこともあり、当面は保有し続けようと、今日まで保有してきました。
しかしながら、株価はスピンオフが発表されてから40%近くも下がり、$100付近で1回買い増しましたが、焼け石に水といった状況。減配されたら売る予定でしたが、増配を続けていたので売るに売れず…
ただ、スピンオフでは特定口座で保有している株も一般口座に払い出されるので、ようやく踏ん切りがついたといった具合でしょうか。
売却したのは3月12日です。ちょうどCEOの交代が発表されて株価が上がったタイミングで売却できたのはせめてもの救いです(翌13日もガイダンス上げで5%近く上げたので、その分は取り逃がしましたが💧)
なぜスリーエム(3M)を売却したの?
今回、スリーエム(3M)を売却したのは以下の理由からです。
- 期待していたヘルスケア事業がスピンオフ
- 軍需用耳栓訴訟とPFAS訴訟を抱え、不確実性が高まっている
- 減配リスクも意識される
軍需用耳栓訴訟やPFAS訴訟の件は銘柄分析記事をみていただければと思います。この記事では減配リスクについて少し触れますね。
今回のヘルスケア事業は決してスリーエムによって小さなビジネスではなく、2023年の営業利益で26%を占めています。そして唯一オーガニック売り上げが前年比で増加(+0.7%)したセグメントです。
そのヘルスケア事業を手放すわけですから、業績への影響も大きいです。
配当に関する数字を見ると、2023年は33.1億を配当金として支払っています。フリーキャッシュフローは50.6億ドルなので、フリーキャッシュフローで見た配当性向は65%となります。
しかし、ヘルスケア事業がなくなった場合(フリーキャッシュフローも営業利益と同様に26%を占めると仮定)、2023年のフリーキャッシュフローは37.4億ドルとなり、配当性向は88%となります。
スリーエムは2024年に2月に四半期あたり$0.01の増配を発表したばかりなので、みすみす配当王の立場を捨てるとは考え難いのですが…
他方で、スリーエムがソルベンタムをスピンオフした後は、スリーエム単体のキャッシュフローでは配当を賄うのが厳しいのも事実であり(さらに訴訟関係の費用もあります)、ソルベンタムとの合計で配当を維持する可能性がもっとも高そうだとは考えています。
ただスピンオフのタイミングで配当のリセットが行われる可能性は否定できず(CEOも変わるのでなおさらかもしれません)、株価が急騰し、100ドルに復帰したタイミングで売ることにしました。
なお、売却した資金は公益事業のNEE(ネクステラ・エナジー)を新規で購入したほか、TD(トロント・ドミニオン銀行)やPFE(ファイザー)などの高配当株を購入しています。
MMM(スリーエム、3M)の投資成績
$1,482.79のマイナスでポジションを終了しました。割合にして-33%です。配当が$582.65なので、配当分を含めた損失は20%程度まで縮小しますが、大きなマイナスであることには変わりないですね。
スリーエム(3M)は2018年7月に初めて購入し、私が米国株投資をはじめて最初に購入した株の一つです。それだけに思い入れのある銘柄でした。
購入当時は「59年連続増配」「250ドルの最高値から20%近く下落しており、お得感がある」という理由で買いましたが、その時の購入単価は$198.75。5年半経って株価は半値近くになってしまいましたね。
まだ連続増配の記録自体は維持されていることから、復活を期待して持ち続ける選択肢もあったのですが、2015年以来の年間トータルリターンは-1%で、2018年〜25年(見通し)までEPSを全く成長させることができていません。
訴訟問題も抱えるなかで、私自身スリーエムが復活するイメージを持つことはできませんでした。ただ売ってしまったとはいえ、65年の増配記録を持つ配当王なので「何とか復活してほしい」という思いもあります。複雑ですけどね。
手痛い損失でしたが、個別株投資をしていればこうした銘柄が出てくるのはやむを得ないでしょう。今後の投資に生かしていきたいですね。