これからの日本は「死ぬまで働け」という社会になる

近年、日本では「人生100年時代」「生涯現役社会」というフレーズが盛んに叫ばれています。それに呼応するように、2021年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、企業に「70歳までの就業確保の努力義務」が課されました。

今はまだ「努力義務」の段階なので、あくまでも実施するかどうかは企業の判断にゆだねられますが、そう遠くないうちに「義務化」されるのではないでしょうか。
確かに平均寿命は少しづつ伸びてきていて、男性で81歳、女性で87歳です。しかし介護を受けたり寝たきりになったりすることなく、日常生活をおくることができる指標である健康寿命は、男性で72歳、女性で74歳となっています(2018年)。
ということは、70歳まで働くことになると、退職後に悠々自適な老後をおくろうにも、ほどなくして病気にかかる可能性が高いということです。
つまり、「人生100年時代」「生涯現役社会」というと聞こえはいいですが、誤解を恐れずに言えば、「死ぬまで働け」ということです。
年金がもらえなくなることはないが、支給額は少しずつ切り下がる
2019年6月には、「老後に2,000万円必要」などとした金融庁の報告書が、世間を騒がせました。
年金制度については、働く世代が負担する保険料が高齢者世代の年金にあてられているため、実質的に制度が破綻することはありません。
しかし、少子高齢化に合わせて、働く世代の数が少なくなれば、それだけ高齢者世代がもらえる年金も少なくなります。そのため、実質的な支給額は今後徐々に引き下げられていくことは避けられない情勢です。
これからの日本で悠々自適な老後をおくるためには準備が必要

年金支給額が今後少しずつ引き下げられていくことを踏まえると、これからの時代、「65歳まで働いて、悠々自適な老後をおくる」という生活を実現していくことは、十分な資産がない限り、難しくなります。
ということは、若いうちに少しでも資産形成・投資をしておかなければ、一生涯働き続ける必要があるということです。
もちろん、「働くことが楽しくてしょうがない」という方もいるでしょう。それはとても素晴らしいことだと思います。でも、そういう方の多くは、経営者やフリーランスで働く人など、「自分で仕事の時間や内容を選択できる」、もしくは「好きな仕事をしている人」ではないでしょうか。
就業者に占める雇用者の割合が9割弱を占めていることからわかるように、多くの人は、会社に雇われて働いています。そうした人で「働くことが楽しくてしょうがない」という人はむしろ少数派ではないでしょうか。
かくいう私もそうです。「絶対に働きたくない!」とまではいかなくても、フルタイム(8時間労働*週5日)での労働は正直長すぎるって思います。ましては、「70歳までフルタイム勤務」や「フルタイムで働かなければ生計をたてられない」なんていうのは、少なくとも私は絶対に嫌です。
もし、あなたが「70歳まで働きたくない」「悠々自適な老後をおくりたい」という考えをお持ちでしたら、ぜひこのブログを読んでほしいなと思います。
「セミリタイア」であればハードルはそこまで高くない
このブログのタイトルにもある「セミリタイア」ですが、この言葉を分解すると、「セミ(semi)」+「リタイア(Retire)」なので、正確に言えば、「半リタイア」ということになります。
そのため、株式の配当収入や不動産による賃貸収入、投資信託の取り崩しなどによって生活費を賄いつつも、不足する生活費を稼ぐために、パート・アルバイトとして働くことも「セミリタイア」に含まれます。
ちなみに一切労働しない「完全リタイア」は、「アーリーリタイア」(Early Retire)と区別して呼ぶことが多いです。また、経済的自由と早期退職を合わせてFIRE(Financial Independence and Retire Early)と呼ぶこともあります。
よくマネー誌などでは、「40代後半、50代でのアーリーリタイアには、独身の場合でも1.5億円~2億円必要」という記事を見ることがあります。預貯金だけで、普通のサラリーマンがその水準を貯めるのは不可能に近いです。
投資をするにしても、この水準に達するまでには、かなりの収入、才能、時間が必要です。「リタイアなんて自分には無理」「一部の人の特権でしょ?」って思うのも無理はないと思います。
しかし、この金額は、あくまでも資産運用を一切せず、ひたすら預貯金を切り崩すことを前提にしています。もし、これが資産運用をしながら、預貯金を切り崩すと考えると、そのハードルはぐっと下がります。
必要な額はライフスタイルや家族構成によって異なるので、何とも言えませんが、独身の場合でしたら、最低5,000万円、多くても8,000万円程度あれば、「アーリーリタイア」は十分可能です。「セミリタイア」であれば、そのハードルはもう少し下がります。
「配当金生活によるセミリタイア」は、現実的な手法である

「セミリタイア」を実現するための手法は人によってさまざまです。もちろん、ひたすら預貯金を積み上げていく方法もありますが、如何せん時間がかかります。
「ビジネスで成功する」「株やFXの短期売買で稼ぐ」という方法は、かなりの才能と運が必要で、多くの人にとって、現実的な選択肢ではありません。
「不動産からの家賃収入」という方法は有力な選択肢たりえますが、「何かと手間がかかる」「日本は人口減少社会である」という理由から、個人的には選好していません。もっとも、都心エリアであれば、今後しばらく人口流入と世帯数増が見込まれるので、大丈夫かとは思いますが…
「配当金収入」という方法は、ある程度の元手(資金)が必要になるという欠点はありますが、「誰にでも実現可能である」という点で、現実的な手法であると私は考えています。
個別株の場合は、株価が紙切れになるリスクや、減配リスクがありますが、多くの株式に分散投資するETFであれば、そういったリスクをかなり軽減できます。
私は、「セミリタイア」を実現するために「配当金収入」という方法を選びました。最低300万円の配当金収入を得たいと考えていますが、税引き後の配当利回りを3%とすると、約1億円の資産が必要になります。
年間300〜400万円ほどを投資資金にまわすことで、30代までに「300万円の配当金収入」を実現して、将来的にはセミリタイア・FIREを達成することを目指して、このブログを立ち上げました。
投資資金は人それぞれですし、目標とする金額・収入も人それぞれ異なると思います。ですが、「配当金生活によるセミリタイア」という点において、やるべきことは同じです。
何よりも重要なことは、「毎月、投資資金で株式やETFを購入し、配当金を積み上げる」ことです。そして、「日々の資産価値の変動に一喜一憂しない」こと、株式市場全体が大きく値下がりしたときでも「恐怖心から株式やETFを手放さない」ことが大切です。
自分自身も将来にわたり、実現できるかどうかはわかりませんが、こうしてブログを運営していくことで、「ブレずに」目標の実現に向けて突き進んでいけたらと思っています。
最後になりますが、このブログが、セミリタイアを実現したいと願う人にとっての道しるべとなれば、大変うれしく思います。
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