ゆーたんです♪
今月11日に日経のこんな報道記事がありました。

高校の学習指導要領に、資産形成や資産運用に関する内容が盛り込まれ、授業として行われることになりそうです(一瞬、私は、数ある金融商品の中で、何故に「投資信託」?と思いましたが…💦)。今日はこの話について書いてみますね♪
新学習指導要領にはどう書いてあるの?
高等学校学習指導要領の解説(家庭科)では、以下のように書かれていました。
生涯を見通した生活における経済の管理や計画,リスク管理の考え方については,人生を通して必要となる費用はライフステージごとに異なることについて理解して生涯収支に関心をもつようにするとともに,将来の予測が困難な時代におけるリスク管理の考え方について理解できるようにする。また,生涯を見通した経済計画を立てるには,教育資金,住宅取得,老後の備えの他にも,事故や病気,失業などのリスクへの対応策も必要であることについて理解し,預貯金,民間保険,株式,債券,投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット,デメリット),資産形成の視点にも触れながら,生涯を見通した経済計画の重要性について理解できるようにする。
(出典:【家庭編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説)
日経記事の小見出しだけ見ると、「投資信託」を教えるとあるので(そもそも投資信託は、組み込む金融商品によって性質が異なってくるのでわかりにくい)、資産運用や資産形成に関してテクニカルな内容まで踏み込むのか印象を受けるのですが、実際にはライフプランニング(生活設計)の一環として、基本的な金融商品の特徴を紹介する、その一つとして投資信託があげられただけに過ぎません。
金融商品の特徴ということは、リスクとリターンの関係についても触れることになるでしょう。具体的には、「預貯金はリターンも低く、リスクも低い」「債券はリターンは中くらい、リスクも中くらい」「株式はリターンも高く、リスクも高い」といった感じでしょうか。
もっとも、投資信託の場合は、組み入れ商品によって性質が全然変わってくるので、何というか…その、教えるのが難しそうですね💦
現行の学習指導要領にはどう書いてあるの?
ちなみに、家庭科の現行の学習指導要領解説も調べてみると、以下のように書かれていました。
(イ) 資金管理とリスク
家計管理の基本について理解させるとともに,生涯にわたる短期,長期の生活設計を行う上で必要な病気や事故などの不測の事態に備えたリスク管理の方法など,個人の資金管理の基本的な考え方を理解させる。その際,ローン,クレジットの利用などに加えて,貯蓄,保険,株式などの基本的な金融商品などにも触れる。
(出典:学習指導要領解説 家庭科)
てっきり現行の学習指導要領には全く項目がないのかと思いましたが、そんなことはなかったです。文章量が少ないといえば少ないのですが、現行の学習指導要領でも、基本的な金融商品については触れることになっているようです。
また、現行の学習指導要領と新学習指導要領を見比べてみると、民間保険,債券,投資信託が具体的な金融商品として追加で挙げられています。日経はだから「投資信託」と小見出しにつけたのでしょうか…誤解を招くタイトルだなあと正直思いますが💧
他科目の新学習指導要領でも資産運用について触れている
金融の働きについては,(中略)
様々な金融商品を活用した資産運用にともなうリスクとリターンなどについて,身近で具体的な事例を通して理解できるようにすることも大切である。
(出典:【公民編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説)
もっとも、金融商品を教えるうえでのベースとなる金融の知識は、家庭科ではなく、社会科の領域です。調べてみると、社会科の新学習指導要領にも、「資産運用に伴うリスクとリターンなど」と述べられているようです。現行の学習指導要領には見当たらなかったので、今回から新しく入ったのだと思います。
家庭科とのすみわけがどうなるかは蓋を開けてみないとわかりませんが、金融庁のHPにあるような、「複利の考え方」「投資のリスク」「分散投資の考え方」といった、資産形成や資産運用に関するテクニカルな話は社会科で行う可能性もありますね✨
まとめ
(Featured image by:Shutterstock)
日経の先生のコメントにもある通り、そもそも資産形成や投資をしている先生は多くありません。金融庁の職員による出張授業も行われているようですが、資産形成や投資への理解度は、「積極的に資産形成をしている人」か「そうでない人」かで大きな差が出てくることと思います。
資産形成には百人いれば百通りのやり方があります。金融庁は「長期・分散・積立投資」で安定的な資産形成をうたっていて、そうした内容を出張授業でも伝えているのだと思いますが、果たして先生がそれを額面通りに受け取るかどうかは別問題です。
それに授業といっても、特に高校の先生は、必ずしも学習指導要領通りに授業を進めるとは限らない、とかつて聞いたことがあります(私の出身学校もそうでした)。せいぜい授業で扱われるにしても、関心の高い先生でもなければ、1コマが限度ではないでしょうか。
それでも、大きな一歩であることには違いありません。若い世代が資産形成・資産運用に興味を持って、早いうちから実践していくなどして、日本に投資が根付いていけば、かりに日本の経済が思うように成長せずとも、他国の経済成長による果実を受け取ることができるようになります。それはすなわち、豊かな生活の実現にもつながっていきます。
国としても老後資金は「自助」(自分で賄う)が重要だといっているわけですから、間違っても富裕層増税の名の下に、「金融所得課税を増やす!」「金融資産に課税する!」といったような方向に向かわないことを願っています✨