ゆーたんです♪
2019年には消費税率が8%から10%に引き上げられるなど、国民の負担は増すばかりですね💦
(Featured image by:Shutterstock)
ところで、国民負担率という言葉を聞いたことはあるでしょうか。これは、私たちの所得からどれだけの金額が税金・社会保険料として取られているかということを示す指標です。今日はこの件について書いてみますね♪
そもそも国民負担率って?
財務省HPでは、毎年国民負担率を公表していますが、そのHPには以下のように書かれています。
「国民負担率」は、租税負担及び社会保障負担を合わせた義務的な公的負担の国民所得に対する比率です。
(出典:財務省HP)
租税負担・社会保障負担とありますが、国民所得のうち、どれくらいの割合を税金として負担しているかを示したものは租税負担率とよばれ、どれくらいの割合を社会保険料として負担しているかを示したものは社会保障負担率とよばれます。国民負担率は租税負担率と社会保障負担率の和です。
もっとも日本においては、例えば、国民年金(基礎年金)の2分の1が国庫負担(つまるところ税金)となっているなど、保険料だけでは財源を賄うことができていません。歳出の約3分の1が社会保障関係費となっているなど、社会保障にかなりの税金が使われています。そのため、今日では両者を区分することはあまり意味がないように思います💦
国民所得率の推移
(出典:財務省HPより作成)
グラフを見れば一目瞭然ですが、国民負担率は1970年度以降、上昇し続けています。2019年度は42.8%です。つまり誤解を恐れずにいえば、「所得の4割強が税金や社会保険料に消えている」ということですね。
実は、租税負担率自体のピークは、1989・90年度の27.7%となっています。その後、1990年代には大規模な所得減税が行われるなどして、2003年には一時20.6%まで下がっています。
一方、社会保障負担率は、社会保障給付費の増大に伴って上がり続けていますが、それでも2000年代までは、国民負担率は40%を超えない水準で推移してきました。
しかし、2014年の消費増税(5%→8%)もあって、国民負担率は一気に40%の大台を突破、それ以降は42%台で推移しています💦
国民負担率が高いこと自体は悪いことではないが…
もちろん、国民負担率が高いことだけをもってして、悪いということはできません。下記のグラフは国民負担率の国際比較(2016年、日本は2016年度)ですが、日本は、自助努力が求められる傾向にあるアメリカより高いものの、福祉重視の欧州諸国よりは軒並み低くなっています。
一方、次のグラフが社会支出(対国民所得比)の国際比較です。社会支出というのは、厳密には直接個人に給付されない施設整備費なども含まれるので、社会保障給付費よりも広い範囲を指しているのですが、ここでは、ほぼ社会保障給付費という理解でよいかと思います。
こうしてみると、国民負担率の高いフランスは、国民所得に占める社会支出の割合も高いなど、おおむね国民負担率と社会支出が連動していることが分かります。なので、「国民負担率が低い=いい」「国民負担率が高い=悪い」という単純な問題ではありません。
今後の日本は、高齢化に伴い社会保障給付費も増えていくでしょうから、社会支出(対国民所得比)も増えていくでしょうし、それに連動する形で国民負担率の上昇も避けられないでしょう。
しかし、日本の場合は、人口構成が大きく高齢者に偏っているので、全体としての社会支出が増えていっても、高齢者1人あたりの社会支出は、逆に抑制されていく可能性すらあります💦
まとめ
年金の財政検証についてまとめた記事のなかで、日本の実質賃金はこの30年間で下がっており、逆に生活が苦しくなっていることを書きました。
今日は、所得が増えないなかで、負担は増え続けていることを、国民負担率の観点から示した記事になります。
2019年の国民負担率は42.8%でしたが、ちょうど20年前、1999年の国民負担率は35.5%でした。20年で7.3%も上昇していますから、単純に考えれば、2040年頃には50%を超えてしまってもおかしくはありませんね💦
消費増税のようなインパクトある増税政策はコンセンサスを得るまでにかなりの時間がかかりますし、さらなる増税は消費者の反発も大きいことが予想され、5%から10%への引き上げが決まってから7年かかったことを考えると、10%超への引き上げは早くても「2030年代になりそうかな…?」とは思いますが、その間も少しずつ増税・給付削減は進んでいくことが予想されます。
10~20年後には、「もっと負担が増えて生活が苦しくなっていてもおかしくはない…」ということを見越した行動が求められているといえそうです(´・ω・`)