ついに口座維持手数料が導入?
ゆーたんです♪
銀行の口座維持手数料に関するお話です。既にインターネットの記事では、結構前から「口座維持手数料を導入するのではないか?」ということが書かれていました。金融庁内にも容認論があるということで、個人的には時間の問題だと思っていました。
しかし、3大メガバンクの中間決算発表にあわせてなのか、今日になって、モーニングショー(朝の情報番組)でこの話題が取り上げられるなど、いよいよTVでも取り上げられるようになってきて、導入の可能性が現実味を帯びてきました。
今回の中間決算発表で、口座維持手数料に関する話が出るかどうかはわかりません。ただし、地銀からは既に口座維持手数料を検討するという趣旨の話が上がっています。
これらの点を踏まえると、たとえ今回そういう話が出なくても、そう遠くないうちに口座維持手数料が導入されるのは時間の問題でしょう。一方で、口座維持手数料が導入されたとしても、それほど神経質になる必要はないかなと思っています。
そもそも何で銀行は口座維持手数料を導入しようとしているの?
そもそも何で銀行は口座維持手数料を導入しようとしているのでしょうか。主に二つの理由から書いてみますね。

マイナス金利で銀行の収益が悪化💧
良くいわれる話が、マイナス金利で銀行の収益が悪化しているというものです。
銀行は、お金が余っている家計や企業からお金を預かって利子(利息)を支払う代わりに、お金を必要とする企業や家計にお金を貸し出して、利子(利息)を徴収しています。
預金者に支払う利子と貸出先から受け取る利子の差(利ざや)が、銀行の収益の源泉になります。
しかし、2016年1月に、日本銀行によりマイナス金利が導入されました。マイナス金利を導入した背景など、詳細な説明は差し控えますが、ここでいう「マイナス金利」は民間の金融機関が日本銀行に預ける預金(日銀当座預金)の一部にマイナス金利(-0.1%)を付与するというものです。
つまり、「お金を預けると利子がもらえる」のではなくて、「お金を預かってくれるかわりに手数料を支払う」ということになります。
マイナス金利をなぜ採用したの?
もともと、マイナス金利が採用されたのは、世の中に出回るお金の量を増やして、経済の活性化をめざすためでした。これに先立って、2013年に日本銀行の黒田総裁は異次元の金融緩和政策を発表しました。日本銀行が大量のお金を供給することで、世の中に出回るお金の量を増やして、経済の活性化をはかるためです。
しかし、予想に反して、金融機関は、利子がつく日本銀行の口座にせっせとお金を積み上げたので、世の中に出回るお金の量はそれほど増えませんでした。そこで、マイナス金利を導入し、日本銀行の預金口座にこれ以上資金を積み上がらないようにしたのです。
今までのようにお金を日本銀行に預けるという手段が通用しなくなった金融機関は、大幅なカネ余りになるので、金利(貸出先が支払う利子)を下げてても、運用先を探そうとします。しかし、金利が下がれば、受け取れる利ざやも減少してしまいます💧
預金口座にもコストがかかっている
預金口座にもコストがかかっています。その額は、だいたい1つの口座あたり、その額は2000円から3000円ともいわれています。
もちろんデータの管理にも費用が掛かっているのですが、意外と侮れないのが通帳の印紙税です。国税庁の調査によると、2017年度は少なくとも銀行界だけで700億近い印紙税が納められているということです。
通帳1冊あたり200円というのはそれほど大きな金額ではありませんが、これを毎年支払うのですから、銀行界にとっては大きな負担です。
銀行界が、最近、通帳不要のインターネットバンキングへの移行を促しているのは、こういった事情もあってのことです。
実はすでに口座維持手数料を取っている銀行がある!
実は日本でも、すでに口座維持手数料を取っている銀行があります。その一つがSMBC信託銀行のブランド、PRESTIA(プレスティア)です。
口座維持手数料を回避するための条件は結構厳しいです。色々と条件はありますが、主なものとしては「20万円以上の外貨」もしくは「50万円以上の円貨」の預入が必要です。条件を満たさない場合、月額2,000円(税抜)の手数料がかかります。
もっとも、PRESTIAの場合は、前身がCitibank(シティバンク)という外資系の銀行ですから、納得できなくはないのですが💦
もう一つは、りそな銀行です。
ただし、りそな銀行が口座維持手数料をとる条件はかなり限定的です。そもそも2年以上全く利用がないことが条件であり、しかも手数料徴収前には文書にて案内があります。しかも残高が10,000円以上あれば対象外です。と考えると、実際に口座維持手数料が徴収されている事例はそれほど多くないのではないでしょうか。
海外の銀行では、口座維持手数料を取るところも少なくない
海外では、口座維持手数料をとる銀行は少なくありません。日本銀行の金融システムレポートによれば、アメリカの金融機関で無料口座を提供する銀行の割合は足元で40%程度まで減少してきています。
私のほうでも、アメリカの大手銀行の状況を少し調べてみました。JPモルガン・チェース銀行:月額12ドル、ウェルスファーゴ:月額10ドル、シティバンク:月額10ドル、バンクオブアメリカ:月額12ドルという状況です(2019年11月時点)。日本円にしてだいたい1,100~1,300円くらいですね。
ただし、給料や年金などの振り込みがあること、月1,500ドル以上の預金があることなどの条件を満たせば、口座維持手数料はかからないようです。
まとめ
最初に書きました通り、金融庁の中でも容認論があるようですし、地銀からも口座維持手数料を検討するという話が出てきているようですから、口座維持手数料が導入されるのはもう時間の問題でしょう💧
とはいっても、「すべての口座に適用する」というのは、先行しているアメリカの状況をみても考えにくいですし、何より預金者の反発は避けられません。
日本で実際に口座維持手数料を適用している銀行の状況を見ても、仮に、メガバンクなどで口座維持手数料が導入されたとしても、ほぼ間違いなく「残高が〇万円以下」「〇年間取引がない」などといった条件がつくでしょう。通帳の印紙税を考えると、「無通帳口座(インターネットバンキング口座)の人は無料」なんてこともあるかもしれませんね。
いずれにせよ、普通に口座を活用している分には、問題なくクリアできる水準にしてくるはずです。
ですから、口座維持手数料が導入されるからといって(実際の導入状況を見てみないとわかりませんが)、銀行口座を変えるだとか、ましてはタンス預金にするだとか、そこまでする必要はないと思いますし、過剰に恐れる心配はないと思います。
もっとも、今日では、下記記事にあるように、政府も給与支払いに電子マネーを解禁する方向で検討しているようです。給与が電子マネーで支払われるようになれば、日々の支払いも電子マネーで支払うことにより、もはや銀行口座は「不要」になる時代がやってくるでしょう。

口座維持手数料の導入は銀行の「終わりの始まり」を暗示するかのようですが…果たしてどうでしょうか💧