【RDS.B】第4四半期決算を振り返る~業績悪化。株価の下落に歯止めがかからず~

ゆーたんです♪

私が保有しているロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell、ティッカー:RDS.A/RDS.B)の第4四半期決算が発表されました。決算は冴えず、株価は2%を超える下落となりました💦

ただでさえ、2020年に入って下落しているエネルギー株。上昇のきっかけをつかむどころか、逆噴射になってしまう決算でした。そんな第4四半期決算を紐解いてみますね。

目次

第4四半期決算ハイライト

ロイヤル・ダッチ・シェルについては銘柄分析も書いています。昨年までの業績・配当・株価などのデータはこちらをご覧ください♪

(第4四半期決算)20192018前年比
収益$850.7億$1046.3億-18.7%
営業利益率3.4%6.3%-2.9Pt
調整後EPS$0.37$0.69-46.4%

石油・天然ガス事業を営む企業の収益・EPSは、原油価格に大きく左右されますが、数字だけ見ると軒並み前年比でマイナスですね💧

とはいえ、2018年第4四半期も原油価格は大きく下落しているんですよね(70ドル台から40ドル台)。2019年第4四半期は逆に50ドル台から60台まで上昇して推移していました。

となると、その原因を原油価格の下落だけで説明するのは無理があります。会社は、米中貿易摩擦など世界経済の状況悪化が、石油・天然ガス、化学製品の需要に影を落とす可能性があることを第3四半期決算時点で警告していました。

ハイテク株の好調なパフォーマンスもあって、株価は比較的高値圏にありましたが、決算を発表したスリーエム(3M)にみられるように、全体的に製造業は苦しいですね。その流れをエネルギー株も受けていることと思います(´・ω・`)

部門別純利益

(第4四半期)※調整後の数値2019 2018 前年比
上流(石油・ガスの探査・開発)$7.8億$18.8億-58.5%
下流(精製・販売)$13.7億$21.3億-35.7%
総合ガス事業(LNGなど)$19.9億$23.6億-15.7%

どの部門も純利益がすべて前年比マイナスでした。上流部門が特に奮いませんでしたね。総生産量はほぼ同じでしたが、原油・ガス価格の低下等が要因だと会社は説明しています。

再生可能エネルギーを含む、LNGが主軸の総合ガス事業の純利益が一番大きいのがせめてもの救いでしょうか。



配当支払いは大丈夫なの?

ロイヤル・ダッチ・シェルの配当支払い状況について財務面からみてみますね。

配当EPS配当性向
2019年累計$3.76$3.9096.4%

配当性向(配当/EPS)はほぼ100%で綱渡りの状態です。配当は、2015年以降5年連続の横ばいで推移しています。

伝統的に高配当であり、業績が低迷しているときでも減配しないというのは心強いですが、結局のところ、業績が低迷し続ければ、最終的には減配が待っています💦

高配当で投資家を惹きつけている面があるだけに、万が一、減配を発表するようなことがあれば、大幅な株価の下落は避けられないでしょう。

(2019年累計)2019年2018年前年比
営業CF$421.8億$530.8億-20.5%
フリーCF$201.2億$311.8億-35.5%
配当金支払い額$152.0億$156.8億-3.1%
自社株買い額$101.9億$39.5億+158.0%

キャッシュフローで見ると、フリーキャッシュフローで配当金支払いを賄えているのですが、2019年は100億ドルにのぼる自社株買いを行っており、手元に残った金額以上を株主に還元してしまっている状況です。嬉しいやら悲しいやら複雑ですね。

ロイヤル・ダッチ・シェルは2020年末までに250億ドルの自社株買いを行うことを約束しています。

しかし、2019年末時点で、その金額は140億ドル程度にとどまっています。自社株買いプログラムもあって、ロイヤル・ダッチ・シェルの現金及び現金同等物は2019年に86.9億ドル減少し、180.5億ドルとなりました。

2020年第1四半期の自社株買いペースは10億ドル程度まで鈍化しており、このままでは当初の目標を達成することが困難で、会社もそのことを認めています。決算の悪化と自社株買いの鈍化といった事情があって株価が値下がりしています。



まとめ

  1. 第4四半期および通年の収益・EPSは前年比で大きく悪化。しかし、何とか利益で配当を賄える水準は維持
  2. キャッシュフローを見る限り、配当金支払いにはまだ余裕あり。ただし、自社株買いは目標を達成できない見通し
  3. 世界経済の停滞が大きなリスク要因。コロナウイルスの影響が長引けば、エネルギー株は一段安

石油・ガス産業の利益は四半期ごとに大きく変動しますし、特殊要因も多いのであまり参考にはなりません。配当金支払いという観点からみれば、キャッシュフローの値を見ることが何よりも大切だと思います。

2019年の収益はお世辞にも良いとは言えませんでしたが、何とか利益で配当を賄える水準は維持していますし、自社株買いを考慮しなければ、フリーキャッシュフローの75%程度が配当金支払いにあてられているということで、減配の心配は今のところなさそうです。

とはいえ、ただでさえ米中貿易摩擦などによる世界経済状況の不透明感に加え、1月に入って中国でのコロナウイルス蔓延で、経済活動が大きくストップしてしまっています。

例えば、中国と世界を結ぶ航空機が飛ばなくなれば、ジェット燃料の需要も減退するように、原油の需要も減っていくことになります。

そんなわけで1月に入り、エネルギー株は大きく下落していて、配当利回りは7%超まで高まってきています。コロナウイルス蔓延は予想外だったので仕方ないとはいえ、昨年12月にNISA枠で買い付けたのは少しタイミングが早かったです。

本来なら喜んで買い増しといきたいところですが、既に12月に買い付けをしていて、エネルギー株の比率が15%まで高まっており、大幅な買い増しには躊躇してしまいます。

高配当株式ETFのSPYDも結構エネルギー株の比率は高いので、買い増しのタイミングと銘柄を慎重に選択していきたいですね✨

Financial Statement_image

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次