証券会社・証券口座は分散するべきか?

【更新情報】(2023/3/24)
情勢を踏まえ、記述を少し見直しました。

ゆーたんです♪

私は米国株取引をメインにしています。私が本格的に米国株取引をスタートさせた2018年頃は、ネット証券のSBI証券や楽天証券、マネックス証券の三つくらいしか選択肢がなかったのですが、2019年にDMM株が取引手数料の無料化を発表、22年はauカブコム証券や松井証券が米国株に参入するなど、米国株取引環境は年を追うごとに充実している印象です✨

現在の私は個別株投資にシフトしているのであまり関係ないのですが、SBI証券や楽天証券、マネックス証券では、VOOやVTIなど人気の海外ETFの買付手数料が無料となっています。本当に至れり尽くせりですよね。

投資家の皆さんの中には、複数の証券会社を使い分けている人や、逆に一つの証券会社に取引を集中させている人もいるかと思います。複数の証券会社を使い分けている人であれば、他社が魅力的なサービスを提供したときにも問題なく対応できるかと思いますが、一つの証券会社に取引を集中させている人にとっては悩みどころですよね。

どちらがいいかについては、個人の考え方の違いとかもあるので、一概にはいえません。魅力的な投資環境が整ってきている今だからこそ、証券会社・証券口座を分散させるメリットとデメリットを改めて整理してみました♪

目次

証券会社・証券口座を分散させるメリット


(Featured image by:Shutterstock)

お得なキャンペーンの恩恵を受けられる

ネット証券会社の

DMM株のように、売買手数料が無料で、為替スプレッドで収益を得ている証券会社もありますが、大手ネット証券3社をはじめ、多くの証券会社では売買手数料は同水準、為替手数料もキャンペーンを考慮すればそこまで大差はなく、取扱株式・ETFも主要なものは概ねカバーしていることから、通常の米国株投資をするうえでは、どのネット証券を選んでも大差はない印象を抱いています。

独自色があるとすれば、お得なキャンペーンでしょうか。複数の証券口座を保有することで、お得なキャンペーンの恩恵を受けることができる機会が広がるかと思います✨

さまざまな投資機会にアクセスできる(対面証券・海外証券)

ネット証券が提供するサービスは一部を除き、かなり似たり寄ったりになってきていますが、営業担当者に相談可能な対面の証券会社や、海外の証券会社が提供するサービスはネット証券と差別化されており、よりさまざまな投資機会にアクセスできるようになっています。

一つ例を挙げると、対面の証券会社では、ネット証券ではアクセスが困難な欧州市場の株を購入することができます。スイス株のNESN(ネスレ)、フランス株のLVMHはその代表格です。投資情報もたいへん充実しています。

海外の証券会社では、日本の法規制上購入できない米国REITの個別株やETFを購入することが可能です。現在は日本の証券会社からは買えないBDC銘柄のARCCや高配当株ETFのSCHDも海外証券で購入できます。

もちろんメリットばかりではありません。対面の証券会社は手数料が割高です。また海外の証券会社は一般口座での取引となるため、確定申告が煩雑になりますし、損失が出ても配当金との相殺ができないなど、税制上の制約もあります。そして、トラブル発生時の対応などやり取りは全て英語です。上級者向けのオプションかなとは思います。



証券会社・証券口座を分散させるデメリット

色々と管理が煩雑になる

「管理が煩雑になる」と一言で書きましたが、分解してみていきますね。

資産残高が把握しにくくなる

最近は、証券口座を登録することで、資産を一括で管理できるツール(Money Forward等)もあります。私もそのサービスを使って資産残高を管理していましたが、それでも複数の証券口座に散らばっているのが、結構気になっていました。全く気にならないという人もいると思いますが、私と同じような人もいるかもしれません。

また、配当再投資も地味に面倒です。配当金が複数の証券口座に散らばっていると、配当金の一口座あたりの蓄積スピードが遅くなり、配当再投資が思うようにできないという事態にもなりかねません💦

セキュリティなどの問題

当たり前といえば当たり前ですが、証券口座を開設すればするほど、ID・パスワード、取引パスワードをどう管理していくかという問題があります。特に、残高がある口座ではなおさらですね💦

確定申告も手間がかかる

証券口座は、源泉徴収ありの特定口座を選べば、確定申告を不要とすることができます(もちろん、その人の置かれている状況次第で、確定申告が必要となるケースは出てきます)。

投資家の方は、ふるさと納税や外国税額控除の関係であったり、損失を繰り越したりといった関係上、確定申告をされる方が多いかなとは思いますが、例えば、片方の証券口座で利益が出ていて、片方の証券口座で損失が出ている場合で、利益と損失を相殺したい(損益通算)場合は、確定申告が必要になります。

私がFXをしていたときは6~7個の口座を使い分けていました。通貨ペアによってスプレッドが狭いFX会社が異なるケースが多かったからです。そのため、確定申告はいちいち各社口座にログインして、損益額を確認する必要があり、結構な手間がかかりました💦

株取引については、平成31年度より、上場株式配当等の支払通知書、特定口座年間取引報告書を添付する必要はなくなりましたが、それでも取引口座が増えるほど、確定申告の手間がかかることに変わりはありません。

直接的なコストはかかっていませんが、間接的なコスト(機会費用)がかかっている(確定申告にかける時間を短縮して、別の作業時間にあてることができる)と考えることもできます。



証券会社の倒産に備えた分散は必要か?

ここまで書いてきましたが、もしかしたら「証券会社が倒産したときを想定して分散をする必要があるのか」と、気になった方もいるかもしれません。

詳しくは上記URLをご参照いただければと思いますが、証券会社は、自身の資産と、投資家から預かった資産を明確に区別して管理する(分別管理)が義務付けられています。これが適切に行われている場合、証券会社が倒産しても、資産は全額保護されることになります。

もっとも、証券会社がこの義務を守らず、資産を分別管理していなかった場合(本来は絶対にあってはならないことですが…)でも、投資家保護基金による保証が行われ、1,000万円は保証されることになっています。

もちろん、最悪のシナリオを想定して、複数の証券会社に1,000万円ずつ分散するという選択肢もあるでしょうが、投資家の場合は数千万円以上を運用する場合も多いことや、特に米国株は投資できる証券会社が限られていることを考えると、あまり現実的な選択肢とはいえないでしょう💧

個人的な意見ではありますが、そもそも大手証券会社であれば、倒産する可能性はかなり低いでしょうし、仮に倒産したとしても、分別管理すら怠っていて顧客に返す資金がないという最悪のシナリオが実現する可能性は、ゼロではないけれど、まずないかな…と思っていて、そこまで神経質になる必要はないと思っています。



あとがき

証券会社・証券口座を分散するメリットよりも、デメリットが目立つ記事構成になってしまいましたが、お得なキャンペーンの恩恵をいち早く受けられるメリットは大きく、決して証券会社・証券口座の分散を否定しているわけではありません

私は、もともと複数の証券口座を使い分けていましたが、現在は楽天証券にほぼ集約しています。それはやっぱり管理が煩雑になってきたからです。

私のメインバンクは楽天銀行であるというのも背景にあります。楽天証券との相性は抜群で、地味に面倒な作業である入出金手続きにかかるストレスを極力少なくすることができます。

お得なキャンペーンもあったりするので、なるべく多くの証券口座を開設し、アンテナを張っておくことが望ましいのでしょうが、資産管理がシンプルになり、入出金などの手間も節約できるメリットを考えると、直接的なコストだけでは比較できない面があるとも思っています。

もっとも、それをいうならば、投資に一生懸命時間を割いたところで、S&P 500のパフォーマンスを超えられるか分からないのだから、世界株に投資するVTや、米国株式市場(アメリカ株式市場)に投資するVTI、VOOを買い続けるのが、最適解になるんですけどね。

過熱する手数料競争が、証券会社の収益を圧迫し、将来的に投資家に跳ね返ってこないか?」という懸念も残りますが、手数料をあげるよりは下げてもらったほうがもちろんうれしいわけでして…個人的には米国株の個別株手数料が値下げしてくれると嬉しいんですけどね✨

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次