退職金で投資デビューは無謀すぎると思う…

ゆーたんです。

2019〜21年は、S&P 500等、米国市場に連動するインデックスを購入していれば、容易に利益が得られた(コロナショックは下げ幅は急でしたが、その分戻しが早かったです)のですが、22年は、株価は軟調気味で、投資家としての地力が試される相場となっていますね。

今でこそ、大学生のうちからとか、社会人になってすぐに投資を始める人も増えてきていますが、全体で見ると本格的に投資で資産形成をしている人は少数派だと思われます。

特に4〜50代くらいの働く世代ですと、退職金が入って始めて投資や資産運用を考えるという人も少なくないみたいです(私の周りにもいます💧)

ただ、この相場環境に直面するなか、「退職金で投資デビューは無謀だろうな…」とつくづく感じます。今日はこの件について書きますね。

目次

退職金投資の難易度は高い


(Featured image by:Shutterstock)

若年世代の資産運用なら株式100%の「攻めの運用」でも問題ないと考えていますが、高齢世代の資産運用は、さすがにそういうわけにはいかないかと思います。

高齢世代の資産運用の例としては、債券の割合を増やすなど、「守りの運用」がメインになるとは思いますが、お金をどのぐらい使う生活をしたいか、どれだけの財産を残したいか、一人一人のニーズも異なるため、それこそ無数の選択肢があります。

だからこそ、高齢世代における資産運用は、ある程度投資と向き合ってきた人でないと難しいだろうなと感じています。

もちろん、銀行や証券会社の窓口にいけばアドバイスを受けることもできますが、そのアドバイスは、顧客よりも銀行や証券会社の利益獲得を優先したアドバイスであることも多々あります。最終的には自分で考えて判断することが不可欠であり、盲目的に信じてしまえば、大きな損失を被る可能性もあります💧



株式市場に身を置かなければ、投資の経験値は増えない

2008年のリーマン・ショックのとき、私はまだ学生でした。もちろん当時は株式投資なんてまったく頭になかったので、「アメリカの証券会社が倒産した」「株価が下落した」といっても、人ごとのようにしか感じられませんでした。

米国株式市場の株価(S&P 500)は2009年3月に底値を打ち、14年8月にはその底値から3倍近くまで上昇しましたが、投資をしていなかったので、やはり実感は感じられませんでした💧

終わったことを後から振り返るのは簡単です。2022年の株式下落も終わってみれば、「ノイズにしか過ぎなかった」「その後は回復して右肩上がり」というふうに語られるのだと…きっと信じています。ただ、回復するまでの期間は1〜2か月かもしれないし、半年後、数年後かもしれない。さらに下落が進むかもしれない。こればっかりはわかりません。

自分のリスク許容度、すなわち、どれだけ資産が減っても耐えられるのかをはかることができるのは、もちろん事前にシミュレートしていくことが大切ではありますが、実際の相場を経験しないとわからないです。

私はリーマン・ショックは経験していませんが、まだ投資経験が浅いうちに、コロナショックを経験できたことは大きな財産になると前向きに捉えています。大きな下落はおおよそ10年周期で起きていることを考えると、遅くとも50代のうちから少しの資金でもよいので、株式市場に身を置かなければ、十分な経験は身に付かないと感じます。

もちろん、過去の相場環境を経験したからといって、「過去の経験則からこうなるはずだ」と考えるのは危険ですが、経験不足による明らかなミスは減らすことができると思います。

退職金投資は1%のリターンの差が重くのしかかる

日常の買い物は数百円〜数円単位で吟味するのに、退職金投資など、数千万にもなる単位のものに限って、あまり吟味せずに勢いで決めてしまって後悔するパターンをよく見聞きします。

例えば、退職金投資の場合は数百〜数千万単位での運用になるので、1%リターンが違うだけでも、数万、数十万単位の差が出てきてしまいます。下手もすれば、働いて稼いだお金があっという間に吹き飛んでしまいます。

もちろんリターンは不確実なものではありますが、信託報酬が高い投資信託は選ばないだとか、安定運用を目指すために、ボラティリティが高すぎる金融商品を避けるだとか、失敗する要因を減らすことはできます。その要因を減らすためにも、投資に関する知識を身につけることは不可欠かなと思います。



あとがき

以前ほどではありませんが、まだまだ「汗水たらして稼いだお金(=労働で得たお金)は尊い」という価値観は根強く残っているように感じます。

退職金はまさに「汗水たらして稼いだお金」の結晶です。だからこそ、その尊いお金を投資で減らしてしまうのはあまりにもったいない。だからこそ、投資の勉強や経験が必要なのだと感じます。

幸か不幸か、日本においても旧来の年功序列や終身雇用が崩れてきています。今の若者が老後を迎える頃には退職金制度がなくなっている可能性が高いです(そもそも定年自体がなくなっている可能性もあります)。

そして、2022年からは高等学校の家庭科で金融教育に関する授業も始まります。「退職金で投資デビュー」だったり、退職金に限らず、投資詐欺・トラブル的なものが少しずつ減っていくとよいのですが…✨

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