ゆーたん@東大卒のセミリタイア物語♪

米国株(アメリカ株)中心の高配当株式投資で経済的自由・セミリタイア(FIRE)を目指す、一人の女性の物語♪

銘柄分析

【T】(AT&T)~高配当、事業の多角化を進めるメディア・コングロマリット!~

投稿日:2019-07-21 更新日:

【更新情報】(2019/12/17更新)

AT&Tの配当データを更新♪

ゆーたんです♪

アメリカのメディア・コングロマリット、T(AT&T)の銘柄分析です♪

AT&Tってどんな会社?

AT&Tは、アメリカのテキサス州ダラスに本社を置き、電気通信事業やエンターテイメント事業を展開するメディア・コングロマリットです。主な事業は、国内での携帯電話事業ですが、2015年にディレクTV、次いで18年にタイム・ワーナーを買収するなどして、衛星放送サービスなどのエンターテイメント事業にも進出しています。

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(Image By:Adobe Stock)

もともとは、電話の発明者とされるベルが、1877年に設立した会社(ベル電話会社)を母体としており、1885年に長距離電話事業を展開する会社として発足しました。以後、アメリカの電話市場で圧倒的なシェアを誇ってきましたが、そのシェアの高さから、反トラスト法(日本でいう独占禁止法)に反するとしてたびたび司法省から訴訟を起こされていました。

結果的に、AT&Tは、1984年1月に長距離電話事業を担うAT&Tと、各地域での電話事業を担う7社の計8社に分割されました。しかし、この8社は合併・買収を経て、現在はVerizon(ベライゾン)、AT&Tの2社にほぼ集約されています。

なお、1984年に分割されたAT&T本体は、2005年に元々地域電話会社の一つで、他の地域電話会社と合併して巨大化したSBC(旧:Southwestern Bell)に買収されることとなりました。しかし、SBCが会社名として、AT&Tを採用したことで、現在に至っています。

収益は約1,708億ドル(2018年)で、日本円(1ドル=108円)に換算すると、収益は約18.4兆円になります。『Fortune Global 500』によると、その収益額は世界第20位となっています(2017年)。アメリカ国内に限定すると、収益は第9位です(2018年)。

日本の消費者にとってはなじみが薄い企業ですが、グーグル(Google)やマイクロソフト(Microsoft)よりも収益は多いです。



AT&Tの業績

※グラフはIRデータより作成

収益(売上高)、営業利益、純利益

T_Revenue_2008-18

収益は、積極的な買収策もあり、この10年間で約38%伸びました。営業利益率は、年によって凹凸がありますが、近年は15%程度で推移しています。

AT&Tは、事業領域を大きく4つに分類しています。収益の内訳(2018年)は以下の通りです。

T_Segment_Revenue_2018

Communications収益の大部分を占めるAT&Tの主力事業です。Mobility(アメリカでの携帯電話事業など)、Entertainment Group(DIRECTVなどの衛星放送サービスなど)、Business Wireline(法人向けサポートサービスなど)で構成されています。

Mobilityの収益は、ここ2年横ばいとなっています。全体の収益に占める割合は約42%です。Entertainment Groupの収益は、直近2年間で8%減と芳しくありません。有料テレビ契約者数が減少傾向にあることが影響しています。全体の収益に占める割合は約27%です。Business Wirelineの収益は、直近2年間で13.5%減と落ち込みが酷いです。特に、固定電話システムなど、従来型の音声・データサービスが大きく落ち込んでいます。

Communictaions 全体で見ると、昨年比で約3.8%の減収となっています。WarnerMedia分で何とか増収を維持している状況です。

WarnerMediaAT&Tが2018年に買収を完了した、総合メディア・エンターテイメント企業であるワーナー・メディア社の事業です。AT&Tの買収により、会社名がタイム・ワーナーから変わりました。映画事業などを展開する「ワーナーブラザーズ(WB)」、ニュースメディア「CNN」、有料ケーブルテレビ放送局の「HBO」などのコンテンツで知られています。

AT&Tは、2016年に同社の買収を提案しましたが、司法省は、競争がなくなることへの懸念から、買収を阻止するために提訴していました。しかし、18年に地裁が買収を承認し、翌19年には高裁も買収を承認、司法省が上訴しない方針を示したことで、収束に向かっています。

Latin Americaメキシコでの携帯電話事業及び、南アメリカ地域での衛星放送サービス(Vrio)を提供する事業です。簡単にいうと、国外事業になります。メキシコでの契約数は1,832万件となっています。契約数は年20%を超えるペースで増加していますが、販促費用などがかさんで営業赤字となっています。

Vrioは、かつてはDirecTV Latin Americaという名前でしたが、2018年に現在の名前に改称されました。11か国で1,383万件の契約数があります。

Xandr広告事業です。2018年にデジタル広告大手のAppNexusを買収し、現在はAT&Tの子会社「Xandr」として展開しています。

EPS、BPS、ROE

T_EPSBPSROE_2018

BPSが順調に成長している反面、EPSはこの10年間でほとんど伸びていません。米国企業にしては珍しく自社株買いも少ないようで、株式数は、相次ぐ合併・買収もあって、逆に1割以上増えています。基本的には配当で株主に還元する会社のようです。

キャッシュフロー(CF)

T_CF_2018

通信事業ゆえ、インフラを維持するためなどの設備投資が毎年200億ドル程度発生していますが、キャッシュフローは非常に安定しています。

国内の携帯電話事業最大手であるNTTドコモは、年間約6,000億円を設備投資に回しているとのことですが、国土の広いアメリカだけあって、AT&Tが回している額はその3倍以上になります。

営業CFは、この10年間で約1.3倍に、年間約2.6%ペースで成長しており、営業CFマージン(営業CF/収益)も20%台で安定して推移しています



AT&Tの配当

T_Dividend_2008-19e

配当はリーマン・ショック以降で1.27倍になりました。増配率平均(2008年以降)は約2.2%です。

1985年以降、増配が続いています。現在のAT&Tの母体であるSouthwestern Bellが事業を開始したのが1984年ですから、会社が設立されて以降、ずっと増配が続いていることになります。

2020年期も0.51ドルから0.52ドルへの増配を発表したため、36年連続増配となる見込みです。ただし、2009年以降は四半期ごとに0.01ドルの増配にとどまっており、ちょっと物足りない状況が続いています。

配当性向は、2014年以前は100%を超える年が多かったのですが、15年以降は100%以内におさまっています。もっとも、当面はタイム・ワーナー買収による負債の縮小が必要になるかと思われますので、しばらく0.01ドルの増配が続くのではないでしょうか。

AT&Tの株価チャート(1984/1~)

T_Chart_20191012

AT&Tの株価は、この35年間で約7.6倍となりました。しかし、1990年代後半以降で見ると、ほとんど株価は上昇しておらず、2003年以降は20~44ドルの範囲内でのレンジが続いています。他方、同期間でS&P 500の株価は17.9倍となっており、大きく水をあけられています。

特に、リーマン・ショック以降の差の広がり方が顕著です。この10年あまり、米国株は力強い上昇をしてきましたが、AT&Tに限っていえば、そのウェーブにほとんど乗れなかったことになります。記事執筆時点(2019/7/20)での配当利回りは6.22%で、S&P 500の中では、メイシーズ(百貨店)、アルトリア(たばこ)、アッヴィ(医薬品)についで4番目の高さになります。

まとめ

プラス要因

契約数は増加傾向にあり、ビジネスモデルは安定している

携帯電話事業は、多額の設備投資が必要なため、参入障壁が高く、寡占市場になりがちです。日本の携帯電話市場を見ていてもそうですね。

アメリカの携帯電話市場は既に飽和状態となっています。AT&Tのスマートフォン契約数は約6,000万件ありますが、直近2年間では1%の伸びにとどまっています。しかし、AT&Tの契約数全体は1億5,300万件(2018年)であり、前年比で1,100万件増、8%増と、好調を維持しています。

その伸びをけん引しているのが、主に自動車に搭載する通信機器です。近年では、コネクテッドカー(インターネットにつながる車)が登場してきており、需要が増えています。2018年には、このセクションの契約数が約1,200万件増、32%増と急伸し、全体の契約数の約1/3を占めるまでになりました。今後、コネクテッドカーの普及に伴い、業績も伸びていくことが期待できます。

配当利回りがアメリカ株(米国株)の中でも最高水準、35年連続増配の実績もある

将来のことは誰にも分かりませんが、会社ができてから毎年増配しているという事実は重いです。リーマン・ショック時でも増配していますから、そう簡単には減配しないだろうという思いも、正直あります。

マイナス要因

長期借入金が多い

AT&Tの長期借入金は1,662億ドル(2018年)となっており、日本円(1ドル=108円)に換算すると、約18兆円となります。AT&Tの収益ほぼ1年分に匹敵する額であり、金融業界を除けば、米国内どころか世界一債務を抱えている企業なのではないでしょうか。フリーCFの8年分に相当する水準です。営業CFは安定的であるので、さほど心配はいりませんが、早めの債務の圧縮が望まれるところです。

既存事業の先行き不安

アメリカ国内の携帯電話事業ですが、シェア第3位のT-Mobileと第4位のSprintが合併する可能性が高まっています。まだ最終的な決定ではありませんが、両者が合併した場合、その契約者数はシェア1位のVerizon、シェア2位のAT&Tに迫る水準になることが見込まれ、さらなる競争激化が予想されます。

また、エンターテイメント事業も、動画ストリーミングサービスを提供するネットフリックス(Netflix)などに押され、有料テレビ会員数が伸び悩んでいるなど、不安要素も多くあります。2016年に始まった、ストリーミングテレビサービスであるDirecTVも、18年第4四半期には加入者数が減少に転ずるなど、成功とは言い難い状況にあります。タイム・ワーナーの買収をきっかけに、反転攻勢をかけることができるかどうか、注目です。

私の保有状況・所感

私は90株保有しています。ETFでの保有分も考慮に入れると、ポートフォリオの3%弱を占めていることになります。

長期借入金が多い点は気になりますが、携帯電話事業で安定した収益がもたらされているので、さほど心配はいらないと思います。また、高い配当利回りが心理的な下支えとなるため、下落余地はそれほど大きくないのではと考えています。

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