ゆーたんです♪
世界の株式市場を丸ごとフォローするVTについて、分析します♪
VTってどんなETF?
(Image By:Adobe Stock)
VT(Vanguard Total World Stock ETF、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)は、米バンガード(Vanguard)社が提供、世界の株式市場の約98%をカバーするインデックス(FTSE Global All Cap Index)に連動することをめざすETFです。
つまり、先進国だけでなく新興国を含めた世界の株式市場に丸ごと投資できるETFということですね♪
VTの基本情報
銘柄数 | 9,454 |
運用資産残高 | 219億ドル(約2.99兆円) |
実績PER | 14.2倍 |
EPS成長率(過去5年) | 15.6% |
配当金(分配金)(2021年実績) | 1.955ドル |
増配率(5年平均、2017〜21) | 5.7% |
増配率(10年平均、2012〜21) | 6.2% |
トータルリターン(5年)※2022年7月末 | 8.0% (参考:S&P 500 12.8%) |
トータルリターン(10年)※2022年7月末 | 9.7% (参考:S&P 500 13.8%) |
経費率 | 0.07% |
設定日 | 2008/6/24 |
銘柄数は世界の株式市場に投資するだけあって9,000を超えています(2年前よりも1,000銘柄近く増えています)。世界というとすべての国をカバーしている印象がありますが、実際にはそういうことはなくて、50弱の国・地域の株式が集まっています。
配当利回りは2年前は2.32%あったのですが、2021年末時点では一時1%台まで低下していました。
経費率は0.07%です。100万円投資しても1年間の経費はわずか700円です。経費率は2016年時点で0.14%でしたが→17年に0.11%→18年に0.1%→19年2月に0.09%→19年末に0.08%というように段階的に下がっていて、21年末に現在の水準まで下がりました♪
VTの国別比率
2022年6月末現在(出典:Vanguard HPより作成)
アメリカ株式市場が大きく上昇していることもあり、アメリカ一国だけで60%弱を占めています。日本が次いで2番手、イギリスが3番手です。
アメリカの比率は2年前より4%上昇しています。世界の株式市場に投資するETFではありますが、アメリカの株式市場の影響を大きく受ける形になってきていることは意識しておきたいです。
なお、新興国の割合は時価総額が小さいこともあり、10%程度とあまり高くありません。
VTの構成上位銘柄
1 | Apple Inc.(アップル)【アメリカ】 | 情報技術 | 3.3% |
2 | Microsoft Corp. (マイクロソフト)【アメリカ】 | 情報技術 | 3.0% |
3 | Alphabet Inc.(アルファベット)【アメリカ】 | 情報技術 | 2.0% |
4 | Amazon.com Inc.(アマゾン・ドット・コム)【アメリカ】 | 一般消費財 | 1.5% |
5 | Tesla Inc.(テスラ)【アメリカ】 | 一般消費財 | 0.9% |
6 | UnitedHealth Group Inc.(ユナイテッドヘルス)【アメリカ】 | ヘルスケア | 0.8% |
7 | Johnson&Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)【アメリカ】 | ヘルスケア | 0.7% |
8 | Berkshire Hathaway Inc.(バークシャー・ハサウェイ)【アメリカ】 | 金融 | 0.6% |
9 | Meta Platforms Inc.(メタ・プラットフォームズ)【アメリカ】 | 情報技術 | 0.6% |
10 | NVIDIA Corp.(エヌビディア)【アメリカ】 | 情報技術 | 0.6% |
昨年12月時点では、AppleやNVIDIAなどから受注を受けて半導体を製造するTSMCが9位にランクインしていたのですが、22年6月末時点では、TOP10は全てアメリカ企業となっています(アメリカ以外の企業ですと、スイスの飲食料品企業のネスレが15位で最上位です)。
VTのセクター比率
※2022年6月末現在。セクター分類はICBベンチマークによるため、電気通信など、セクター分類が一部異なります。(出典:Vanguard HPより作成)
Apple、Microsoft、Google、Amazonの構成割合上昇を反映する形で、情報技術と一般消費財セクターの割合が大きくなってきています。2年前は金融セクターが20%を超えていて最大の割合を占めていたのですが、現在は14%程度まで低下しています。
VTの配当金(分配金)推移
リーマン・ショックの年に設定されたETFということもあり、多少の凹凸はありますが、配当金は増加傾向です。
2020年のコロナショック時には、配当金は大きく減少しましたが、翌21年にはコロナショック前の水準を回復してきています。
VTのトータルリターン(2008/6~)
VT VS S&P500(SPY)
※2008年6月末~22年8月5日の配当込みリターン。税金や手数料は考慮しない
米国株の代表的な株価指数であるS&P 500と比較すると、2012年以降、差が開いています💦
設定来のトータルリターンは+6.7%です。
まとめ
世界経済は緩やかながらも年々拡大していることから、VTもその恩恵にあずかる形で、株価も成長していくのではないかと考えています。
今はアメリカの株式市場が好調ですが、いつまでもこの好調さが持続するとは限りません。アメリカの株式市場が停滞して、世界の他の株式市場が好調になるということも想定されます。世界の株式市場に分散投資したいと考える方にとっては、最もおすすめできるETFです♪
注意点としては、アメリカの株式市場の比率が約60%であることでしょうか。この水準まで来ると、基本的に値動きはアメリカの株式市場とそう大きくは変わりませんので、その点だけは意識しておきたいですね。
アメリカの株式市場全体に投資するETFであるVTI、アメリカ以外の株式市場に投資するVXUSの紹介記事はこちら。